Nゲージを始めるには(7)

再び車両に戻って、カプラー(連結器)を見てみましょう。


Nゲージのカプラー

世界共通の「アーノルドカプラー」

Nゲージの連結器(カプラー)には、基本的には世界共通のアーノルドカプラー(アーノルトカプラー)というものが使われています。最近はメーカーごとに特殊なカプラーも登場していますが、蒸気機関車と客車・貨車には、今でもアーノルドカプラーが装備されているのが普通です。

アーノルドカプラーは、自動連結機能を持っているので、線路に乗せてカプラー同士を軽く突き当てるだけで、カシャンと音がして自動的に連結されます。

アーノルドカプラー

アーノルドカプラーは、ボギー台車の車両(客車など、台車が左右に首を振るもの)では、その台車に取り付けられているのが普通です。この場合、カプラーが台車と一緒にレールに沿って向きを変えるので、カーブでも車両同士を簡単に連結することができます。
この方式では、電気機関車のスカートに大きな開口部が必要になるなど外観上の制約は大きくなるので、最近はカプラーを車体に固定した「ボディーマウントタイプ」も増えてきています。

自動解放するには

標準のアーノルドカプラーは自動解放できない

アーノルドカプラーには本来自動解放機能がありますが、カプラーを開放するための専用の線路は現在発売されていません。連結は自動でも、開放は手で車両を持ち上げて行なうのが普通です。Nゲージで自動解放を行なうには、トミックスの機関車に標準装備されている「Mカプラー」を使うか、KATOが輸入販売している「マグネ・マティックカプラー」(マイクロトレインズ社製)というものを使います。後者はやや上級者向けです。

トミックスの「Mカプラー」

Mカプラーと開放ランプ

「Mカプラー」とはトミックスの機関車に標準装備されているカプラーで、アーノルドカプラーと互換性があります。専用の「開放ランプ付きレール」を使用すると、磁石の力でMカプラーが上方に跳ね上がり、相手側のアーノルドカプラーと開放することができます。カプラーを跳ね上げたまま相手の車両を押して行き、好きな場所に置いて切り離してくることもできます。

便利なカプラーですが、現行製品でMカプラーが標準装備された車両は、トミックスの電気機関車とディーゼル機関車だけとなっています。蒸気機関車では、現行製品のC57やC61には採用されていません。また、Mカプラー用の開放ランプ付きレールはトミックスのファイントラックにしかありませんから、KATOのユニトラックで利用することはできません。

KATOの線路で開放できる「マグネ・マティックカプラー」

マグネ・マティックカプラーとアンカプラー線路

「マグネ・マティックカプラー」とは、米国マイクロトレインズ社が発売しているリアルな形態のカプラーで、KATOが輸入し自社の商品番号でも発売しています。KATOのほとんどの車両には、指定型番のマグネ・マティックカプラーが取り付けられるようになっています。ただし、部品をパチンと差し込めば終わりというわけにはいかず、細かい部品の組立や加工も必要になるので、初歩の方には向きません。

外観はエアホースのついた実物の自動連結器に似ています。専用のアンカプラー線路の上で停止させると、実際にカプラーが指を開くように動いて互いに開放されます。トミックスのMカプラーと同様、そのまま相手の車両を押して行き、好きな場所に置いてくることもできます。

マグネ・マティックカプラーはアーノルドカプラーとは互換性がないので、機関車と連結相手の両方をマグネ・マティックカプラーに交換しなければ、連結・開放ができません。

そのほかのカプラー

KATOからは「カトーカプラー」というカプラーが発売されています。これはアーノルドカプラーを外して簡単に交換できる小型のカプラーで、ややカプラーの形態が実感的になり、先ほどの「マグネ・マティックカプラー」と連結することもできます(この場合、自動解放はできません)。KATOの客車セットなどでは、このカプラーが標準装備されたものもあります。トミックス、マイクロエースなどKATO以外の車両にもたいてい取り付けられます。

最近のKATOの機関車には「ナックルカプラー」というものが装備されていることがあります。これはカトーカプラーやマグネ・マティックカプラーとも互換性があり、よりリアルな形をしているのが特徴です。オプションで自動解放機構を備えたタイプもあります。

トミックスでは外観のリアルな「TNカプラー」というものが有名で、特に電車・気動車によく使われています。これはスナップのようにパチンと固定されるもので、自動連結・開放はできません。蒸気機関車に使われる例は今のところ少ないですが、トミックスの現行製品には交換用として付属しています。

カトーカプラーN ナックルカプラー TNカプラー密自連型
カトーカプラー(KATO) ナックルカプラー(KATO) TNカプラー(トミックス)

このほかに電車で使われる密連型もあり、ここですべてをご紹介できないほど種類があります。初めての方にはわかりにくいので、車両に標準のアーノルドカプラーが装備されている限り、なるべくそのまま使うことをお勧めします。

KATOのカトーカプラー、ナックルカプラー、マグネ・マティックカプラーは相互に連結できますが、これらとトミックスのTNカプラーはそのまま連結することはできません。昔は全メーカーのカプラーがアーノルドカプラーで統一されていたのですが、現在は外観重視の要求から、各社とも独自のカプラーを開発するようになりました。 電車のように固定的な編成で使われるものは、他の車両と連結されることがないので、その車両専用のカプラーが使われることもよくあります。特に新幹線のカプラーは各社・各製品によって色々です。ただし、色々な車両と連結する可能性がある機関車や客車では、特殊なカプラーが装着されている場合でも、標準のアーノルドカプラーと交換できるような救済策が用意されているのが普通です。


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