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現代人は酸素が不足している

酸素が不足するとどういう影響があるのでしょうか

ブームだけではない酸素の必要性

異常気象が頻発し「地球温暖化」を切実に感じる今日この頃。ここで重要なのは、大気中のCO2が増加すると、その分「酸素が減ってしまう」とうことです。

実際、確かに酸素濃度が下がってきています。それだけが理由かはわかりませんが。70、80年代は約2%でしたが、5年前、代謝の実験のため室内の標準酸素濃度を測ったところ、約20.9%。ところが、今はどこで測っても20.6% ぐらい。ここ30年ぐらいで約1.5%も減少しているのです蛇足ですが、恐竜が生きていた時代(ジュラ紀、白亜紀)は酸素濃度が25%前後もあったと言われています。

酸素の大気に占める分圧が下がると当然、血中に溶け込む酸素量が減り、末端の組織まで酸素が行き届かなくなってしまいます。
なお、肺から取り入れた酸素は2つの方法で細胞に届けられます。ひとつが赤血球と結合して運ばれる「結合型酸素」。

そしてもうひとつが血液中の水成分(血しょう)に溶け込む「溶解型酸素」。結合型酸素は大気中の酸素濃度の影響を受けず、ほぼ100% 赤血球に取り込まれますが、溶解型酸素は圧力によって溶け込むため、酸素の濃度(分圧)が下がると体内への吸収量が減ってしまいます。

しかし、溶解型酸素は赤血球が通りにくい末梢の毛細血管もスムーズに通れる大事な酸素。どちらも人問に不可欠なものです。

酸素不足が活性酸素の原因になる

酸素と言えば、酸化力を増した毒性の強い「活性酸素(フリーラジカル)」が一時期非常に有名でしたが、今後は「酸素不足」の害が心配されるようになってしまいました。

酸素不足とフリーラジカルは密接な関係にあって、酸素が不足するとフリーラジカルが増加してしまう関係にあります。

細胞が低酸素状態になってそれが改善されたとき、フリーラジカルが大量に発生するのです。なので、しっかり酸素を取り入れている状態の方が、活性酸素が下がります。

激しいスポーツなど、酸素分圧が上がりすぎても体に負荷やストレスがかかって活性酸素が発生しますが、むしろ酸素不足の場合の活性酸素を心配した方がよいといえます。

今後、大気中の酸素濃度が下がり続ければ、ますます活性酸素が発生しやすくなります。酸素不足の害と活性酸素の害。二重に体によくない状態です。よくないと言えば、人間の脳は体重の約2%ぐらいの重量しかないのですが、酸素消費量は25で、酸素が行かなくなるとすぐに機能低下してしまいます。

3分間、まったく酸素の供給がなければ、不可逆的変化が始まってしまいます。さらに、10分間行かなければ、ほとんど全ての脳細胞がダメになってしまいます。酸欠に一番敏感な臓器が脳です。満員電車や混みあったエレベーターで頭がボーッとしてくるのは、ストレスだけでなく、酸素不足も大きく関係しているのです。

肥満は酸素不足が大きく影響している

酸素が減ると細胞の新陳代謝が悪くなるので、メタポリックにもなりやすくなります。末梢の毛細血管の中内は、狭くて赤血球が通りにくい構造です。1個がかなり変形して通っている状態なので慢性的な酸素不足が起きやすくなっています。

しかし、血しょうに溶けている溶解型酸素というのは、血流が通っていればすぐに到達できる。気圧をかけて溶解型酸素を増やす『o2カプセル』を使用した実験データによると、週2回ぐらい入っていると、太っている人はやせやすくなることがわかっています。

普通の人ややせている人がもっとやせていくのではなくて、肥滴の人が痩せやすくなるのです。

つまり、太っている人はやせに くい「低酸素」体質ということがいえます。太っている人の末梢の酸素状態は悪いのです。それが改善した状態、運動などにより供給状態を良くしてあげれば、太っている人はや せやすくなるのです。運動が必要な理由は、代謝だけではないのです。 なお、代謝が悪くなると低体温になります。低体温による免疫力の低下も気になるところです。

体温と免疫力は密接な関係があります。ただし、現代人のアレルギー増加がダイレクトに酸素濃度の低下と関係 しているとまでは言えませんが。

ただ、間違いなく低体温の人、35度台の人が 増えています。最近は、来院患者のほとんどが35 度台ですね。昔、直腸の温度 (深部体温)を測れば37度っていうのが普通でしたが、それが今、36度くらいに なってきています。なので、酸素とのはっきりした関係性はわかりませんが、 体温が落ちてきているので、免疫力は確実に落ちてきてます。

メタボになり やすく、病気にもなりやすいといえるでしょう。

運動不足の現代人には有酸素運動が必須

これから現代人がやっていかなければならないことは、なるべくしっかり酸素を体の中に取り入れることです。

本来、武道やヨガなども酸素を取り入れるためのよいきっかけになっていました。これらはは、呼吸法がすごく大切にされており、いかに末梢まで酸素を取り込んでいくか、それによって十分なリラックス状態を作り出せるかに大きく影響しているのです。言い換えれば、脳に酸素が十分行き渡った状態です。そして気をつけたいのが加齢にともなう酸素摂取量の低下です。

若いうちは、赤血球が酸素を取り込む能力が99~100% ですが、年齢が上がると約96 % まで下がります。当然、肺活量など肺の能力自体も下がってきます。呼吸の速さも下がる。それプラス、血流自体も下がってきます。

動脈硬化もそうですし、心臓の機能自体も低下します。1回の呼吸と拍出量で運ぶ酸素の量自体が下がるので、中枢は血管が太いからいいのですが、末梢の、最終的に酸素が行き渡っていく細胞レベルでは差が大きくなっていくのが一般的です。

年齢とともに気をつけたい酸素摂取量ですが酸素は、アンチエイジングのためにも有効です。アメリカのスポーツ医学の研究で、毎日約500キロカロリーの運動をしている人は、老化が遅くをるというデータがあります。500キロカロリーと言えば、体重約60kgの人が約1時間半走るほどのかなりの運動量です。スポーツすることで成長ホルモンの分泌がよくなるなど複合的な要因ですが、酸素もアンチエイジングの大きな要因になっているのです。十分に酸素を行き渡らせれば、老化を促進させるフリーラジカルの発生を予防できるのです。

なお呼吸は2つあり、それぞれ「外呼吸」「内呼吸」と呼ばれています。一般的な肺から体の中に酸素を取り入れる呼吸が外呼吸で、酸化された血液が末梢に行って細胞組織と酸素のやり取りをするのが内呼吸です。

内呼吸がうまくいかないと細胞がだんだんダメになります。 呼吸法では基本的に吸うことより吐くことが大切。水泳をはじめどんなスポーツでも言われますが、しつかり吐き切ったところから呼吸が始まる。

イメージ的には吸うことがメインですが、しっかり吐かないと吸えません。ヨガなどの呼吸法でも同様です。そして腹式呼吸が基本。お腹を膨らますわけですから、それだけ横隔膜が下がります。下がることで肺自体が膨らみ、容量を大きくすることができる。それを溜め、腹庄も使って一気に血液の中に送り込む。そういった方法で末梢への酸素供給量がよくなります。

腹庄、胸腔内圧がかかることで血しょう中へ溶け込む量が増える。それだけ末梢での酸素量も上がり、細胞への酸素供給が増えます。現代では呼吸法のほか、酸素カブセルや酸素ウォーターなど、最新科学を応用した酸素グッズがありますが、積極的に取り入れたほうがよいのでしょうか?これは、言うまでもなく取り入れるべきです。

一般の酸素カプセルの場合、気圧を上げているので30% ぐらいの酸素を吸っていることになります。つまり深呼吸をしているのと同じ状況になります。最後に、最近のヨガや酸素グッズのブームは、やはり酸素に対する人問の本能的な危機感の表れではないではないかと思っています人類は酸素が大事だということは古来から直感的に理解していたのです。そして現代の女性の問でヨガが流行っているのも、同じだと思います。酸素不足に限らず添加物ほか毒素の問題など、いろんな方面から体にいいものをなるべく取り入れていくことが、現代の健康への最大の近道となるはずです。

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