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運動不足により酸素摂取能力が低下

酸素ブームは「疲労回復効果」

数年前から、スポーツ選手の間では酸素ブームが巻き起こっていますが、その理由は、疲労回復効果を狙ったものです。そもそも「疲れ」とは、疲れを引き起こす物質が体内にたまった状態のことです。
激しい運動をすると、酸素が十分に行き渡らなかった部分が体のどこかにあり、細胞に疲労物質が蓄積され、必要な成分の入れ替わりが行われません。そこで酸素を体のすみずみまで行き渡らせることができれば、老廃物などが押し出され、疲れがとれるというイメージです。
例えば、疲労物質といわれる乳酸を、酸素を使って分解することで、「乳酸を消費していく」。これが普段私たちがいう「疲れがとれていく」ということです。

マラソン選手が長距離を走れる理由

酸素の役割はそれだけではありません。運動時のエネルギー源は、その運動の「強度」と継続する「時間」によって変化し、それは筋肉に関係しています。筋肉には3種類あり、ひとつは脂肪酸が酸素を使ってエネルギーを生み出す白筋。そして糖質も脂肪酸も用いることができるピンク筋。マラソンなど有酸素運動の場合、酸素を取り入れながら行うことで、「弱いエネルギー」ながらも長時間続けることが似できる赤筋を使った運動をし仰ます。
一方で短距離走などのような無酸素運動では、短時問で強いエネルギーを生み出す自筋を使います。マラソン選手は、上手に酸素を取り入れ赤筋を動かすことで長い時間走ることができるようになるのです。しかし、酸素が不足してくると、白筋を使うようになります。白筋は乳酸を発生させるので、疲れてしまいます。つまり、いかに酸素を取り込んで赤筋を動かすか、これが持久性のカギとなります。

運動不足の人は酸素を取り込みにくい

時代とともに、常生活のなかで歩く量が減っ てしまいました。その結果、 あまり赤筋を使わなくなって います。大量の酸素を吸う必 要がなくなり、呼吸の数も減 り、呼吸が浅くなってしまい ます。現代の生活ではそれほど酸素を必要としないと言えばわかりやすいでしょうか?
つまり、酸素がほんの ちょっとだけあればいいとい う体になります。結果として、酸素を使う能力が低 下してしまっているのです。 運動不足の生活を続ける分 には問題ありませんが、ちょ っと早歩きをしたり、急に運動した場合が困ります。これ まで脳にいっていたはずの酸 素を筋肉のほうに使ってしま います。すると脳が酸欠とな り、さまざまな不調を招く可 能性が出てくるのです。 日頃から有酸素運動をする などして、十分な酸素を取り 込み、酸素を使う能力を普段 から身につけることが必要です。

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