今日もぶつぶつ〜番外編〜「濃い夜」



3月10日番外編「脳神経外科体験記」

3月31日番外編「ビースト・メタルス病の治療」


2000年6月24日

6月23日午後6時半、とある駅に5人の若者(?)が集まりました。
5人は同じ会社の同僚です。
6月から新しく会社に入った真奈美さんと矢掛さんの歓迎会・・・なんてのは言いがかり(使用方法に誤り有り)で、単にビアガーデンへ行きたかった5人組です。
メンバーは次の通り。
まず、最年少の若子ちゃん(←一番年下だからと安易につけた仮名)。最近会社を辞めましたが、元気な子です。ビアガーデンも、彼女が提唱者でした。
それから、キラー君。なぜなら彼は、「僕達、今日ビアガーデン行くんです♪」ととてつもなく気に入られてる女性部長に話し、5000円カンパしてもらった年上キラー(?)だからです。(や、やっぱり安易?)
しかし、「なんで一万円もらって来れんのじゃあ〜!!」と責められてます。
それから、5月いっぱいで異動になったので、全く面識のない最年長タカさん。でも、若子ちゃんやキラー君とは顔見知りなので気楽な感じです。
そして、6月に入った真奈美さんと矢掛さん、こと私。
この5人、全員酒が強い模様です。まあ、飲むのは初めてですけどね。(そしてこれが後に悲劇を招く・・・)
天気予報では雨になるといっていたのに、午後から少しずつ晴れてきて、今は丁度良い明るさです。
屋上なので風も気持ち良いです。
そんな中、飲み会は和気藹々と始まりました。
和気藹々・・・ひたすらうどんを食いつづけるキラー君。白ワインを頼んだはいいが、ボトルのまま渡されて憮然としたまま飲み続けるタカさん。
なぜかそれを羨ましがり、赤ワインを頼んで見たらちゃんとグラスで出てきてがっかりしてしまった真奈美さん、腹いせに食い続けてます。「せっかく痩せたのに〜リバウンド〜。」と言いながら黒ビールばかり飲み続ける矢掛さん。
そんな中では一番バランス良く、ビールを飲んでは休憩サワーを繰り返していた若子ちゃん。
閉店時間になってもまだ盛りあがってた5人は、次はカラオケへ行こう!と言い出しました。
カラオケがまた、飲み放題です。
ビールやらワインやら、色々並んでいます。
おまけに若子ちゃんとキラー君ハイテンション・・・。誰も歌わないので私はひたすら歌ってました。
と、その内若子ちゃんが寝始めたのです。
「あらら、寝ちゃったよ^^;かなり飲んでたもんね〜♪」
最初は、みんな、若子ちゃんが寝ているのをほほえましく見ていました。
「静かになったね〜。」なんて笑いながら。
ところが、突然真奈美さんが真剣な表情で若子ちゃんの背中をさすり始めました。
「どうしたの?」
尋ねると、さっきまでのテンションはどこへやら、真奈美さんは、
「若子ちゃん、戻してる・・・。」
と言い始めました。
もう大慌てです。
起こそうとしてもぐったりしたままの若子ちゃんを、男性二人に抱えてもらい、トイレまで連れて行きました。
で、そのあと私と真奈美さんが支えて連れて行こうとすると、目が覚めたのか、突然若子ちゃんは歩き始め、トイレに入って鍵をかけてしまいます。
「よ、よかった、意識が戻ってんね。」
とほっとして二人で顔を見合わせた途端、中からドスン、という音が・・・。
ふと下を見ると、トイレのドアって下に少しだけ隙間があるんですが・・・手と、髪の毛が見えています。
「若子ちゃん、若子ちゃん!しっかりして!開けて!」
言ってももう後の祭り。手とか髪とか、微かには動くのですが、本当に微かです。
「どうしよう・・・。」
・・・どうしようもありません。
「隣のトイレから、壁を越えて入るしか・・・。」
あとで思うと、どうしてジーンズの真奈美さんが登らずに、タイトスカートの矢掛さんが壁をよじ登ったんでしょう・・・。
ふふふ・・・よじ登りましたとも・・・。
普通、壁とか越える時ってジャンプをして弾みをつけるじゃないですか。
ところがトイレって、貯水タンクの上に登ったら、もう頭が壁についてジャンプできないんです。
そんな状態で、どうやって首の高さくらいまである壁を乗り越えれば良いんでしょう?
・・・よじ登るしかないな・・・誰も来ないことを祈りながら、タイトスカートなのによじ登るしかない・・・。
よじのぼった後がまた大変。
壁を越えなきゃいけないし、ちゃんと若子ちゃんが倒れている方のトイレの貯水タンクに着地しなきゃいけないし・・・。
・・・というわけで、無事隣のトイレに入って倒れてる若子ちゃんを発見したものの、しばらくぐったり。辛うじて鍵は開けたものの、若子ちゃんはドアにもたれるようにして倒れているので、結局私一人で若子ちゃんをどかせなければなりません。
とりあえず無事に鍵が開き、水とタオルを持ってきた真奈美さんと二人で、若子ちゃんを座らせます。
で、一生懸命名前を呼ぶのに、若子ちゃんは無反応。
・・・本当にやばいって・・・。
「・・・これ、昏睡状態だよ・・・救急車呼ぼう・・・。」
というわけで、真奈美さん、再びフロントへ走る!
その間、私は一人で若子ちゃんの体を支えてなきゃ行けなかったわけですが・・・意識のない人間って、本当に重いです。
しかも、戻すんです・・・彼女の頭を腕で抱えるようにしたまま動けなかったから、もう、私の腕は・・・。
半そでだったのがせめてもの救いか・・・。
で、ここまで騒ぎになるとさすがに女子トイレだからと遠慮してはいられません。
キラー君やタカさんもやってきました。
とはいえ、トイレの便座に座らせたまま、私はさらにその奥だし、もうどうしようもない状態。で、とりあえずみんな動かないまま若子ちゃんを見つめるばかり。
みんなで動けないまま、待つこと多分5分くらい?
・・・ほかのお客さん、トイレを占拠しててごめんよ〜
で、やっと待ちわびた救急隊のおじさん達が2名、やってきました。
が、おじさん達、
「この子、何歳?」
「一気飲みとかしたの?」
「一体どれくらいのペースで飲んでたの?」
ってことを一人は私に、一人はキラー君に聞いています。
答えるから、先に救急車へ運んでくれ〜もう腕がかなりしびれてきえるんです、落としちゃったらどうするんですか〜と思いながらも仕方がないので質問タイム。
・・・でもね、一気とか、ちっともしてないんだけどね・・・。きついお酒は飲んでないし、食べながら飲んでたはずなのにね。
しかも、キラー君やタカさんの話では、若子ちゃんは普段はものすごくお酒が強い人だったらしい。
なのに何故昏睡してしまったのか・・・。
お酒って恐いです。改めてそう思いました。
なんとか若子ちゃんを運んでもらって、キラー君付き添い。
残りの三人、トイレ掃除・・・すっかり酔いも覚めて暗〜い気分で水を流していると、店員さんが
「もういいですよ、やっときます。」
と言ってくださいました。
店を出るまで「すいませんでした。」と平身低頭の三人・・・しかも外へ出るとどしゃぶり・・・。
おい・・・めっちゃへこむやん・・・。
呆然としていると、さらに真奈美さん、青ざめます。
「もう12時!電車がない!」
・・・真奈美さんの乗る電車はなくなっていました。
「・・・うちに泊まっていいよ。布団ないし、掃除するから30分ほど待ってもらうけど。」
ここまで来ればもういいや、って感じで、なぜか傘を2本持ち歩いてたタカさんに一本を借り、私と真奈美さんは帰途に着きました。
が、ここで終わりじゃありません。
せっかく貸してもらった傘は折り畳み、どしゃぶり相手に二人分の雨を防ぐにはちょっと無理があります。
そして、やっと家に帰りついた二人ですが、ここで私から真奈美さんに無情な宣告が!
「ごめん、掃除するから、30分ほど待っててくれる?」
・・・ごめんよ、真奈美さん・・・ずぶぬれなのにコンビ二まで行かせちゃって。ずぶ濡れなのに、冷房の効いたコンビニで、立ち読みなんかさせちゃって・・・。
しかし私も死に物狂いです。
泥棒が入ればものが崩れて分かる!というほど散らかった部屋を片付けなければなりません。
とりあえず、押入の中からこたつ布団を取り出して、かわりにそこら中のものを何もかも・・・えーっと、新聞、服、雑誌、ビデオテープにCDにラジカセのテープ、何だか分からない紙切れまで、あらゆるものを押入の中に放り込んで行くのです。
時刻はもう、真夜中の12時を回っている・・・。
でも、仕方ありません。掃除機だってかけなきゃ、えらいことになってます。
真夜中なのに汗だくになって掃除機をかける女・・・どんなに遠慮がちにかけてみても掃除機の音の大きさは変わりません。
やっと掃除機をかけ終っても放心状態が続きます。
しかも、汗まみれだわ、煙草臭いわ・・・
(真奈美さん、待たせてごめん!)
心の中でひたすら謝りつつ、シャワーだけ・・・浴びさせていただきました。
で、自分だけすっきりして真奈美さんを迎えに行く奴・・・。
しかし、そんな私に真奈美さんはヨーグルトを買ってくれました。
朝ご飯です。・・・なんて良い人なんだろう・・・。

さて、これで無事家にも着いたし1件落着♪
ほっとして、真奈美さんがアイロンで服を乾かしてる間、私はチャットでも♪と思っていると・・・。
真「ね、チャットってどんなん?」
矢「え〜っと、文字で会話みたいなのができるねん。」
真「へ〜面白そう。」
矢「じゃあ、やってみる?」
ってことで、行きつけのチャットを見てみると、うまい具合に知り合い二人。
「友達が初チャットするからよろしくね♪」
と断って、真奈美さん、さっそくチャット開始です。
多分きつねにつままれているであろう知り合い二人を相手に、滑り出しは(多分)順調です。
で、それを横で見学しつつ、なにげなくメールをチェックして見ましたとさ。
あれ〜今遊びに行ってるチャットの管理人さんから、入室禁止の予告状!
「月曜日には立ち退いてもらいます!」
って書かれてあって、しかも立ち退きは私を含めて4人。その内の一人は、今きつねにつままれながらチャットをしている人!
理由・・・?ふっ、そんなもん、私にも分からない・・・。
でもとりあえず、初チャット体験は終了。真奈美さん、きょとんとしています。
が、なかなか興味深そうにやってきた立ち退き宣告やら、私がチャットをやってる様子を見学しながらひとこと・・・。
いや〜チャットでもこういうのあるんやね〜。おもしろ〜。
ああ、面白がられている・・・。所詮、たかがチャットってことですって・・・^^;
とりあえず、明日も仕事。おまけにトイレの壁をよじ登っていい加減くたびれていた私は、寝ることにしました。
真奈美さんに布団はないと言いましたが、一応お客がきた時のためにこたつ布団があります。
それを敷いて、明日も仕事だし、さあ、寝よう!と思った時、突然真由美さんが笑い出しました。
「矢掛さん、寝る時まで水飲むの・・・?」
冷蔵庫から水の入ったボトルを取り出した私を見て笑っているのです。
でもその前に、チャットをしながらやっぱりボトルを一本開けてびっくりさせでいます。
さらにそれ以前に、会社では私が一人で麦茶を飲んでしまう、というので、水飲大魔人扱いされています。
あまりに申し訳ないので、私の朝一番の仕事は麦茶作りになってしまいました。
で、本人は遠慮がちに水を飲みつつ、麦茶は時々飲むだけのはずなのに、なぜかあっという間になくなってしまいます。

・・・水飲み大魔人・・・朝起きたら、腕が筋肉痛になっていた・・・ついでに、足に3箇所、あざが出来ていた・・・。
トイレの壁を乗り越えたからだ・・・(泣)

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