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できているものと同じような形のものをつくりたいと思うが、どうして型を取ったらいいか?

昨今では、少しカメラを離して(*)、各方向から、正確にデジカメで撮影すれば可能です。

それを等倍の大きさにプリントアウトすれば、それほど間違いのない型がとれるでしょう。

でも、ここでは本体にキズなどをつけることなく、設備もいらず、きわめて原始的な方法でつくることができます。

それでは、紙と鉛筆程度の道具で、しかも短時間で済み、簡単で誰もができる方法をご紹介しましょう。

できているものと同じような形のものをつくりたいと思うが、どうして型を取ったらいいか?

昨今では、少しカメラを離して(*)、各方向から、正確にデジカメで撮影すれば可能です。

それを等倍の大きさにプリントアウトすれば、それほど間違いのない型がとれるでしょう。

でも、ここでは本体にキズなどをつけることなく、設備もいらず、きわめて原始的な方法でつくることができます。

それでは、紙と鉛筆程度の道具で、しかも短時間で済み、簡単で誰もができる方法をご紹介しましょう。

  トレシングペーパー方式  
1. 型紙取り・準備するもの   P.1 現物を傷つけることなく型紙をつくる
2. 型紙からテンプレート P.2 内型の製作からブロック接着
3. 削り台をつくる P.3 内型の残材を流用、そして裏板接着まで
  段ボール方式(田中宏一氏の発案)  
○ 段ボールによる転写方式 '06 April 26追加 その方法はご本人の承諾済み、 こちらのページに掲載。 併せてご覧下さい!
  製 作  
現物からのコピー?製作  ヴィオラ編 U 紙からテンプレート 内型からブロック接着 2.ページ目
現物からのコピー?製作  ヴィオラ編 V 削り台は、内型を切り抜いた外側を利用 3.ページ目
現物からのコピー?製作  ヴィオラ編 W 完成後は、出身高校・美術部OB展に出品 4.ページ目5/20追加)

じつは私、地元アンサンブルでは、4年前からお手製のヴィオラで参加しています。

それは、アメリカ・オレゴン州のヘンリー・A・ストローベル氏著書による設計で、ボディ長397mmと小型。

その割に各バウツとも大きめでかなりふっくらしていて、内容積は大きいといえます。

ですから、C線などの低音は、チェロのShioちゃんからは『よく低音が鳴っているねェー』と褒めてもらってはいるのですが・・・、

なぜか、A線の高音部がイマイチ! 習作としてつくったものだけに、まだつくりやフィッティングの悪さもあろうかと思います。

それで、高音部がよく出ている先生(ヴァイオリン)のヴィオラを参考にして、また新しくつくろうかと考え中。

先生の楽器はベニス製のオールドで、ボディは390mmとさらに小型、ストラド型と、ターティス・モデルの中間型でしょうか?

やや細身で、アーチングもAカップ以下のぺちゃぱい(失礼!ややローアーチ)ですが、音はいいのです。

それで、正月休みに手持ちの材料でつくろうかと思い、先日のレッスンの際、型紙をとらせていただいた次第です。

なぜ、410mm程度の大きさにしないのかって、ヴィオラ専門の方たちは大きいものを好むでしょうが

ヴァイオリンが専門のボクにとっては、また、男として3/4サイズの小柄な身体(162.5cm)ですから、

持ちやすさや演奏、それに疲労度を考えると小型のほうがいいのです。

その、ひとつの方法としての実践例を<ここで紹介致します。

 * カメラのレンズについての注釈 

1mmも狂わせたくないと思う、こだわりのあたなのためのカメラ・テク

(*) カメラの欠点 : 正確な像を得るためには、なぜ、離して撮影する必要があるのでしょうか。

それは、レンズを通したら、
焦点から見て、放物線になったスクリーン面上 にしか正しい像が結ばれないという、カメラ特有のタル型収差や、「球面収差」と呼ばれている歪みが出るのです。

例えば、画面いっぱいに長方形の障子を写したとします。

すると、障子そのものは正確な矩形になっているはずなのですが、障子の枠や桟などが
タルがふくらんだように、外側にふくらんで写ってしまうのです。

本来、映像が映るスクリーンは、レンズの中心に対して放物線が理想の形。

放物線なら、レンズの中心からスクリーンまでがどの位置でも等距離になります。

でも、フィルムもデジカメのCCDも、完全な平面です。

説明図でお分かりのように、中心部の線Aと周辺部の線Cとでは、レンズから投影面までの距離にかなりの差が出ています。

図の曲線は放物線ですから、焦点距離はA=Cになりますが、そのCとBの違いは一目瞭然ですね。

望遠レンズより、広角レンズの方が歪みが大きく出るし、安いカメラほどそれが顕著に現れ、高級機器のレンズはかなり補正されています。

大型映画館のスクリーンは、画面サイズが1:2のシネマスコープの出現以来、真上から見たらゆるやかなアーチになっています。

これも同じような理屈から、どの場所でもピントよく写すためです。

そのことから、像が中心部に納まるように、少し離れて撮影する方が歪みが少ないのです。

今回は、多少アレンジするつもりでしたから、適度の厚さがある包装紙(クラフト紙)で、
あえて使い古したようなしわしわなものを使いました。


でも、ここでは収縮に対して安定しているし、半透明であり、初めての方でも使いやすいトレシングペーパーを使い、
楽器もリメイクして以来、愛用しているヴァイオリンで撮影しました。
    ◇ 型紙取り・ 準備するもの  




トレシングペーパー(ボディ本体をカバーする大きさ)、
製図用粘着テープ(メンディング・テープ)、
それに、2B〜4B程度の鉛筆、ボール紙、
ハサミ、適当なクッション材など。
  ・ トレペの下準備   
トレペは、中央で折り、上下2個所小さな窓を切り込んでおく。 中心線からも十文字、もしくは二重文字に切り込みを入れておく。
切り込んでおくと、アーチのふくらみを逃がせて、
より正確にとることができます。
   ・ 型取りは鉛筆一本   

楽器は、座布団か適当なクッションに乗せます。



まず最初、ヴァイオリンの上にトレペをのせ、刻んでおいた小窓とヴァイオリンとをセロテープを使ってボディ本体に仮止めする。

その際、ヴァイオリンのセンターとトレペのセンターの折り目を丁寧に合わせ、貼り付ける。
ご承知のように、裏板はどんな楽器でも比較的、正確につくる。

表板は、側板に裏板を貼った後、ワッシャーなどを使いできあがった側板を基準にして、均等にエッジ処理ができるよう、多少、修整してつくるから、その分、多少、不正確といえます。

鉛筆を使い、外形線に沿って写し、同様にエフ字孔も丁寧に写す。
    ・ テンプレートにすべく厚紙に転写    
トレペを、最初に折りたたんだ中心線に沿って、再び、裏返して折り曲げて中心にボール紙をはさみこむ。

ボール紙が分厚い場合、、折りたたむ中心線をその分だけ調整し、幅が狭くならないようする。
裏返えしたことで、鉛筆で型取りした面がボール紙の方に向く。

その上から、カーボン用紙を使った転写のように、丸いキャップのボールペンなどでこすり、下のボール紙に転写。
/
ご覧のようにきれいに転写できましたが、このためにも固いトレペや、柔らかい2Bや4Bの鉛筆がいいのです。

この転写した鉛筆の線は、写し取ったときのエッジ・ピークのもの。
つくるテンプレートはあくまで外形線、そのピークからエッジまでの幅、
およそ1.5〜2.0mm外側が外形線になります。

そのことを意識してボール紙を丁寧に切り抜きます。
このように、切り抜いて外形がとれたら、そのボール紙の写し取った本体・凸型部分は、そのまま外形のテンプレートになります。

凹型の方にはワッシャーなどを使い、一定幅(エッジの出+リブの板厚≒4〜5mm程度)、内側に線を引くと、それが内型の型になります。
これで、外形用と内型用のテンプレートの原型ができました。
スクロールなどは、今の時代に合わせ、デジカメの登場、
それを実寸サイズの大きさにプリントし、それから転写。

それから切り抜いてつくれば、それでOKです。
この写真は、お師匠さんのヴィオラですが、左の写真で、ペグ穴が埋め戻しされているオールドということがお分かりでしょう。
   ・ その他の測定    
あと、リブ巾にしても、ネック側、インナー部分、エンドピン側など何カ所かチェックします。

また、指板の長さや巾、ストップの位置、有効弦長などなども丁寧に計測しておきましょう。


アーチングの高さは、正確には上図のような台をつくり、そこにサンプルのボディを図のように設置、

三角定規と直定規さえあれば、 簡単に、いちばん高い、高さを計ることができます。

その他、アーチ部分の詳細などは、手持ちの標準的)アーチングゲージをあて、

その変化を見ることで、かなり正確に写し取ることができます。

原始的な方法ですが、意外に、正確に取れるものです。

ぜひ一度、お試しになってください。


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