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2005 D/USA 106 Min. 劇映画
出演者
Ioan Gruffudd
(Reed Richards - 天才科学者)
Jessica Alba
(Sue Storm - 科学者、ビクトルの恋人、リードの元恋人)
Chris Evans
(Johnny Storm - パイロット、スーの弟)
Michael Chiklis
(Ben Grimm - 3人の友人)
Julian McMahon
(Victor von Doom - 実業家)
Kerry Washington
(Alicia Masters)
Hamish Linklater (Leonard)
Laurie Holden
(Debbie McIlvane)
David Parker (Ernie)
Kevin McNulty
(Jimmy O'Hoolihan)
見た時期:2007年12月
D/USA/UK 2007 92 Min. 劇映画
出演者
Laurence Fishburne
(The Silver Surfer - 宇宙から来たサーファー)
Doug Jones
(Silver Surfer - 宇宙から来たサーファー)
Ioan Gruffudd
(Reed Richards - 天才科学者)
Jessica Alba
(Sue Storm - 科学者、ビクトルの恋人、リードの元恋人、再びリードの恋人に復帰)
Chris Evans
(Johnny Storm - パイロット、スーの弟)
Michael Chiklis
(Ben Grimm - 3人の友人)
Julian McMahon
(Victor von Doom - 実業家)
Kerry Washington
(Alicia Masters)
Andre Braugher
(Hager)
Zach Grenier
(Sherman/Rafke)
見た時期:2007年12月
今年最後の四半期、身近に急病人が出たりしてあたふたしました。それでクリスマスはゆっくり休養という事になり、映画三昧。ストレスの多い3ヶ月だったので、あまり深い哲学的な思考の必要無い作品を選びました。まずはファンタスティック・フォー。
こちらが選んでそうなったわけではないのですが、マーベル・コミックの映画化作品を結構たくさん見ました。「まだネタが残っていたのか」と言うのがこのファンタスティック・フォー。2年の間に2本製作されたようです。
私はマーベル・コミックの原作になる漫画は見ていません。ここからは全て映画のみで話をしています。
★ 登場人物のそもそもの関係
リードという天才科学者は商売が下手。ヴィクトルという男はやたら商売が上手で、リードに強引に収益の75%を渡すという契約を結ばせようとします。彼のかつての恋人スーザンはビクトルの会社に入っただけでなく、婚約まで。何でもビクトルに持って行かれてしまうようです。どがちゃかあってビクトル、リード、スーザン、スーザンの弟ジョニー、リードの友人ベンは宇宙へ飛び立ちます。何かの実験をしています。ところが予報より早くやって来た宇宙嵐に遭遇。放射能でもあったのか、強度の紫外線Cにやられたのか、とにかく5人は体に変調を来たします。
その結果ビクトルは鉄人に、リードはゴムのように伸び縮みする人間に、スーザンは透明人間に、ジョニーは火の玉に、ベンは岩になってしまいます。なぜかベンだけは物と呼ばれるので私は(早速)気の毒になりました。こうやって数人の違うタイプの登場人物を出しておくと、観客は中の1人に親近感を覚え、シリーズ化した時にまた見に来てもらえる、敵は虎視眈々と観客の財布を狙っています(笑)。
このうちリード、スーザン、ジョニー、ベンがティームとなり、その後のトラブルに立ち向かうという筋で、大した深みはありません。スパイ・キッズ・シリーズと Xメン・シリーズの間ぐらいの年齢層に合いそうな話で、Mr.インクレディブルのようなアニメにしても成立すると思います。ただ、ファンタスティック・フォー 超能力ユニットには売りとも言えるスタント・シーンがあり、この迫力をアニメで出すのは難しいかと思います。この日はアニメのTMNT(タートルズ)をDVD屋さんから借りようと予約までしたのに、前の借主がまだ戻していなかったので借りられず、その代わりとしてファンタスティック・フォーに決定。
ストーリーはご都合主義の連続で、普通の理屈は通らないと思って見るのが正解ですが、地面に落ちた婚約指輪を拾えないベンのシーンとか、悪の親玉に成長(!?)する嫌味な実業家ビクトルも実は銀行家には苦しめられているなど、時々ほろりとさせられたり、変に納得させられるシーンが登場します。
主人公の天才科学者は大天才でありながらビジネスと人間関係には弱い、心のやさしいベンは体の変調後、特に悪人でもない婚約者に驚かれて捨てられてしまうなど、キャラクターが完璧な人物にならないように配慮されています。物事は多少歪でないと全てが上手く行き過ぎて前に進みません。
★ 続編
2作目は時間が短くなったので規模縮小かと思いきや、スポンサーにイギリスも加わり、ゲストの主人公シルバー・サーファーには2人の有名人を使っています。声を担当するのがイベント・ホライゾン、マトリックスなどSFでも活躍するローレンス・フィッシュバーン、姿の方はダグ・ジョーンズ。ギレルモ・デル・トロのファンタジー映画の常連。私はダグ・ジョーンズのファンなので大喜び。
ストーリーの方はこれまた簡単で、邪悪な宇宙人に「言う事を聞かないとお前の故郷の星を破壊するぞ」と脅されて悪の手先となり、地球に穴を掘りに来るのがダグ・ジョーンズ。穴掘りは後の破壊の下準備。オープニングのシーンに他の星が破壊される様子が映ります。どがちゃかあって彼は意を決し、地球を救う側についてくれるため、危ういところで地球は助かるという話です。単純極まりないとは思いますが、どこかの国の様子を見ると何だか似ているなあと思ったりもします。原作は46年も前にできたので、現在の出来事と比較しても意味は無いかも知れません。
マーベル・コミックは近年次から次へと映画化され、興行的に成功しない作品もあります。両方のファンタスティック・フォーも私はさほど感激しませんでした。しかし1度ぐらい見てもいいかとも思います。他愛なく笑い、豪快なスタントを見てスカッとし、岩になってしまった男にほろりと涙を流すのも、クリスマス休暇にはいいかも知れません。
★ 原作者登場
時々自分の作品に登場する監督がいますが、原作者のスタン・リーにもそういう趣味があるようです。クレジットに出ている時やいない時がありますが、両方のファンタスティック・フォーで顔を見たような気がします。それでちょっと調べてみたらあちらこちらに顔を出していました。私が見た作品の中では、
・ ファンタスティック・フォー:銀河の危機
・ ファンタスティック・フォー 超能力ユニット
・ スパイダー・マン2
・ スパイダー・マン3
・ X−メン:ファイナルディシジョン
・ X−メン(1)
・ ハルク
に出ていました。お邪魔虫という出方でなく、チラッと顔を出すだけ。雑誌になった漫画に自分のサインをするようなものなのでしょう。
★ 灰汁が強くない
X−メンを見た時は超能力を持つ側の主張が図々しく思えていささか食傷気味だったのですが、ファンタスティック・フォーはその辺のテンションを落として、一般に受け入れられ易くなっています。自分の身に起きた事も悲劇としては扱わず、世の中に役立てるみたいにな、子供にもあまり「自分たちは特殊な人間なのだ」という印象を押しつけることなく話が進みます。変身後、良い事ばかりではなく、生活する上で色々困った事もあるのは想像に難くありませんが、それをユーモアも交えて表現しており、主人公がX−メンより陽気です。ファンタジーの話にあれこれ目くじら立てる必要はありませんが、私にはからっと、さらっとしたファンタスティック・フォーの方が好感が持てました。
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