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日記のフリindex

01.0701.09

日記のフリ 日記というよりは、気になったこと、興味のあることを忘れないようにメモしてる、ってほうが正しいので「フリ」。

日付ごとにアンカー付けています。e.g. http://www5a.biglobe.ne.jp/~nanatsu/diary0108.htm#20010801


2001年8月

その他

ドストエフスキー『悪霊』(上)
恩田陸『上と外』(6)
川上弘美『センセイの鞄』
デヴィッド・カッパーフィールド『ポータル』
ゲオルギー・ダネリア『不思議惑星・キン・ザ・ザ』@ユーロスペース
フランク・キャプラ『素晴らしき哉、人生!』
矢崎仁司『三月のライオン』
ウィルソン・イップ『OVER SUMMER(爆裂刑警)』@キネカ大森
フランク・キャプラ『スミス都へ行く』
マノエル・ド・オリヴェイラ『クレーヴの奥方』@シネセゾン渋谷
クシシュトフ・キェシロフスキ『デカローグ』第一話「ある運命に関する物語」
クシシュトフ・キェシロフスキ『デカローグ』第ニ話「ある選択に関する物語」
黒田美津子『Happy style A to Z』
ムスタファ・アルトゥノクラル『エレベーター』@俳優座トーキーナイト
ジョニー・トー『暗戦 デッド・エンド』
ジャン・ジャック・ベネックス『ディーバ』
ジョニー・トー『ザ・ミッション 非情の掟』@新宿武蔵野館
ロベール・ブレッソン『バルタザール どこへ行く』@アテネフランセ文化センター
後藤繁雄『彼女たちは小説を書く』


31(金)
TVで『タイタニック』をやるようなので、みてみた。CGが思ったよりちゃちい。明日の、船が沈んでしまう場面を映している予告をみてたら、こういう遭難もの(?)は胸が苦しくてかなわんと思った。水というのが余計いけない。

白くまはすっかり食べなくなってしまいましたが、かき氷バージョンより棒アイスバージョンのほうが好みです。棒アイスバージョンはミルクアイスの濃いやつのように食べられるのですが、かき氷バージョンは、練乳がちょっと甘いなあと私も思うので。

あれよりも甘いものはまだまだ私が知らないだけでほかにもたくさん存在するんだろうなあ、と昨日買ったエス・ワイルのお菓子を食べながら思いました。ババロワ・バニーユは、おおなんて真っ当な味のババロワ! の上に生クリームがのっている。ババロワ自体はあまり甘くないのですが、生クリームにこくがあるので全体でかなり甘さを感じます。クレーム・ド・オメールというプリン+生クリームのお菓子はプリンに牛乳のかわりに白ワインを使ってるという話で、箱の外にもお酒の香りが感じられるほどの強さです。カラメルは苦いけれどプリンと生クリームの甘さがそれを上回り、しかし、お酒の香りがぷんぷんするという、かなり濃い〜大人のお菓子といった風情でした。


30(木)
アテネフランセ文化センターへ、ロベール・ブレッソン『バルタザール どこへ行く』をみに行った。

最初のうちとぎれとぎれに居眠りしてしまいましたが、物語が動き出してからは眠ることもなくみました。

人間を描きつつも浮かび上がるのは「ロバの“人生”」。みおわったあとの気分は重いけど、そういうものだと思えるリアルさがある。映像的には手の動きを追うなめらかさが印象に残ってる。

「エス・ワイル」(千代田区神田小川町3-2)で甘いものを買ったほかは寄り道もせずあっさり帰宅した。

後藤繁雄『彼女たちは小説を書く』メタローグ,2001 を読み終わる。柳美里、吉本ばなな、赤坂真理、川上弘美、山田詠美、中上紀、江國香織、松浦理英子とのインタビュー。

人生の羅針盤」という占いでの「能力をベースにした人生傾向」、結果の最後の一文……。そうだったらいいけど正反対だよ!


29(水)
『ザ・ミッション 非情の掟』のプレミア上映をみに新宿武蔵野館へ。私の好きなン・ジャンユーが舞台挨拶に来ることになってたのではりきって行ったのですが立見とあいなりました。

映画はこの間みたときと、字幕が微妙に違ってました。最初と最後に「説明」が入っていたのです。「説明」なしのほうがむしろ過去も未来もなく今であるということ、そんな刹那的クールさがあっていいのになあと思いますが、副題に「非情の掟」と入れたくらいですから、そういうのを強調したかったのかも。

この映画には何度みても解けない部分がある。それは、謎というより解釈の余地といったほうがいいのかもしれない。観客に見せている部分と隠している部分があり、どこまで彼らのうちで了解があったのかがわからないようになっている。私たちがみてわかっている部分だけでも充分面白いのに、わからない部分がある楽しさが加わってるからさらに面白いんです。

一度目感想三度目感想

明日一日、最後の夏休みを取ります。映画みてこようかと思ってる。たっぷり寝すぎて「おもいッきりテレビ」を見ないようにしないと!


28(火)
毎日の日記の下にあるフォームやアンケートの回答をいただけるととても嬉しいのですが、私のページにたどりつくまでの経緯がドラマチックなのをいただきました。ご本人からの転載許可をいただいたので載せます。

驚くほど変な経由です。
今日のHEY3で、スクープなんちゃかっていうグループの曲を聴いた→
どっかで聴いた曲ににてると思った→
どうしてもどうしても思い出せず、なんども歌ってみた→
大江千里の曲だ!と10分位してからやっとわかった→
大江千里でヤフー検索した→
ディスコグラフィーで持っていたアルバム(今は実家にあり、手元になし)の曲名を
片っ端から見た→
1234に入っている「Rain」だとわかった→
オフィシャルページには歌詞は当然載っていないので大江千里 Rainでヤフー検索した→
で、ここまでやってきた
ふう、ながかった(^^;;

「なんども歌ってみた」っていうのがまたいいなあと思ったのです。私がHEY3をみていたら、よりびっくり感動してたかもしれない。今日頭の中で「Rain」を歌ってみたら結構歌えました。

『デカローグ』の二巻目(第三話・第四話)をみながら寝てしまってました。明日は早くて遅いので残念だけどいったん返却します。


27(月)
朝の満員電車の中でお化粧している人をみた。ファンデーションのケースを出して丹念に丹念にぬってぬってぬって……それがずーっと続いてる。さっきからもう10分は経ってるよこのままじゃ終点だよ! とハラハラしてたら今度は別のケースを取り出した。仕上げぬり? 本当に終点までぬっていました。きれいな肌してたので、普通それくらい時間かけないとだめなのかなあと錯覚したけど本当のところどうなのか。

牛乳が好きで喉が渇くと飲んでいたものの実はかなりカロリーがあるのだと知り、少し前に低脂肪乳を買って飲んでみたところ若干物足りないけどガンガン飲むには合ってるかもと思った。が、昨日は低脂肪乳が見当たらないので無脂肪乳を買ってしまった。これはきっとおいしくないだろうと思いつつ、カロリーのあまりの低さに惹かれたのだ。が、飲んでみたら本当においしくない。水で薄めた牛乳だよ! ガンガン飲むと悲しくなりそうな気がしました。次からは買うのやめます。

これも昨日の話。新宿高島屋で塩の量り売りをしてるというので食料品売場を歩いていたら、お米売場が。10種類くらいの銘柄が玄米で置いてあって、買ったらその場で精米してくれる。玄米のまま、五分づき、七分づき、白米、とできる。そういえばお米もなかったんだよなあと、つい試食をいただいたらそれがすごーくもちっとしてておいしい。ミルキークイーンという銘柄。七分づきにしてもらって買いました。今日、お弁当にして持っていったとき、冷めてももちもち感が続いてておいしいのがまた嬉しかった。

ミルキークイーンというのは、「スーパーライス計画」によって生まれた新しい銘柄らしいです。


26(日)
ジャン・ジャック・ベネックス『ディーバ』をみた。1981年か。20年前を感じつつもしゃれている。どこか物足りないところも、おしゃれさがカバーしている。

失敗したりついてなかったりが多すぎた日。まとめてやってこられたみたい。今日は我慢するのでまた当分見逃してくれい。


25(土)
隣の市で花火大会があるらしく、夕方ビニールシート一枚だけ持って川原沿いにずっと歩いてゆく。人がたくさん集まっているところへ6時20分頃着き、たぶん7時からだろうとシートをしいて座る。が、7時を過ぎても7時半になっても始まらない。人も増えて来、土手の上に場所を移動して退屈を我慢して待つ。周りにはバーベキューやスイカや食べ物があふれてるグループたちばかりでお腹が空いてくるも、小銭しか持ってこなくて出店のものが何も買えず。

8時に始まった。花火は音だなあと思った。ガラス越しに眺めたら良さは半減なのかもしれない。

ジョニー・トー『暗戦 デッド・エンド』をみた。複雑なストーリー展開にとまどいつつ加速度的に増してゆく高揚感。ラストがかっこいい映画ってやっぱりいい。ジョニー・トー最高。


24(金)
ムスタファ・アルトゥノクラル『エレベーター』@六本木 俳優座トーキーナイトをみにいった。

今日と来週の31日の19:00の回は、トルコのミネラルウォーターかラクというお酒のどちらかをもらえ、開演前にはベリーダンスショーがみられます。

ベリーダンスは群舞じゃなくって女性2人組が1人ずつ踊って最後に2人一緒に踊るという格好だったのですが、広い客席(300人収容)に観客もあんまりいない(30人くらい)中、曲が流れ(音声がしょぼい)、踊りが始まって、最初はなんだかいけないものを見ている気がしました。寒いの一歩手前っていうか。そのうちだんだんすごいなあと思えるようになってきました。さすがに色っぽい。

映画は、現代トルコの最先端を映像にちりばめてて、出てくる小道具がかなりスノッブ。

最後の最後でB級がC級になったね、私の中では。

主役のおねえさんはとっても色っぽくてエッチな感じ。喋るトルコ語もまったり。実生活で監督と付き合っているそうですが、監督エッチだなーと思いながらみるのは嫌いじゃないしオッケイです。

映像はスタイリッシュで頑張ってる。ただ頑張りすぎるのが見えて落ち着かない映像だと感じることも。この間みた『クレーヴの奥方』の素晴らしかった映像が比較対象に浮かんできちゃって、ああいうどっしり腰がすわった映像には程遠いと思った。

「ぴあ」の出口調査が来ていてアンケートに答えた。全体の点数は65点。「ストーリー」を5点評価で2点と言ったら「厳しいですね!」だって! わはは。「映像」「演出」には高めに点数つけました。ほかには「俳優(演技?)」「音楽」など。「次にみたいと思っている映画はなんですか?」「『ザ・ミッション』です!」

9/3発売の「ぴあ」に結果が載るそうです。他の人はどうだったんだろう。


23(木)
クシシュトフ・キェシロフスキ『デカローグ』(2)、ジャン・ジャック・ベネックス『ディーバ』、ジョニー・トー『暗戦 デッドエンド』を借りて帰る。

さっぱりしたいすっきりしたいという気持ちで部屋を眺めていると、持ち物すべてを捨てても全然構わない気さえしてくる。「本当に必要か?」と自問したときに、少し考えてしまうものが多すぎる。

今したいことが今できるのならば行動する。あせってるから。いつも「これは長くは続かない」って思ってる。だからこそ、静観してなにもしないときもあるけれど。

ところで、少し前に「江國香織著作リスト」を外しました。リストがあるからこそリンクをはってくださった方もいらっしゃると思うのですが、トップページにあるとおり、「はるのも外すのも、リンクはご自由に」ですのでよろしくお願いします。


22(水)
朝はわりと雨が強かったし夕方からますます激しくなりそうだったので、Tシャツとジーンズで会社へ行ってしまう。でも、窓越しの雨は昼過ぎには弱くなっていって、それと同時に友達からは会社から帰っていいです通達が出たというメールも入る。うちの会社は全然変わらずまったりしてた。

『「捨てる!」技術』を読んでから、まさかこれほど捨てる気になれるとは思わなかったというくらい捨てたい気分が盛り上がっている。本も雑誌もCDも処分する。「なくなれー」と思ったら一瞬でなくなれば楽なんだけど、ダンボール集めるところから始めなくちゃならない。まとめたり捨てたり売りに行ったり、そういう手間がかかるのもしょうがない。今まで簡単に家の中にほいほい入れてきたツケなんだと思う。

黒田美津子『Happy style A to Z』ギャップ出版,2000 を読んだ。インテリアやデザインのミニミニ用語事典といったところ。


21(火)
クシシュトフ・キェシロフスキ『デカローグ』第ニ話「ある選択に関する物語」をみた。

二者択一の結果の皮肉と、一番どん底状態だった人が一番幸せそうな顔をしていた皮肉。そして口外できない秘密は重い。

最近読んだ本は、川上弘美・山口マオ『椰子・椰子』(新潮文庫)、辰巳渚『「捨てる!」技術』『「暮らす!」技術』(宝島社新書)、大橋歩『くらしは楽しみ』(講談社文庫)『悪霊』は下巻の半分くらいまで、でも今は進めるの無理そう。

会社で見た新聞の広告。「パンダの広告、どれが好き?」新聞を取っていないので家に帰ってurlに飛ぶと同じものがありました。が好き。でも、この9つ並んでいる状態が一番好きだなあ。


19(日)
マノエル・ド・オリヴェイラ監督の映画はビデオ化していないようなので、『クレーヴの奥方』@シネセゾン渋谷をみにいった。

どこを切り取っても絵になる映像。

愛の言葉を結局一度も交わしていないのに、お互い愛を感じて追いつ追われつになる二人。アブルニョーザは恋愛の対象としてカトリーヌを見つめ、カトリーヌはアブルニョーザを愛しつつ彼から逃げた。が、カトリーヌが逃げていたのはアブルニョーザその人からではない。つまり、自分の中の良心・罪の意識と戦う彼女にとって愛するペドロ・アブルニョーザの存在は具現化された悪魔のようなものに思えたのではないか。

それにしても、一番不幸なのは、妻の他人への恋心を打ち明けられたカトリーヌの夫である。キリスト教的厳格さを備えた彼女にとって、夫への告白は「懺悔」のようなもの? 神父に懺悔をしても秘密は守られるし自分は楽になるけれど、夫は神父ではない。

クラシックとロックというシンプルな対比があらわすカトリーヌとアブルニョーザの世界の違いはわかりやすい。愛情のある/なしの言動を対比させるには、(不必要に思えた)フランソワも必要な存在だったのかも。

クシシュトフ・キェシロフスキ『デカローグ』第一話「ある運命に関する物語」をみる。

悲劇に遭遇してからの描写が長く、気が張りつめて息苦しくなる。「誰か」のせいにしたほうが断然楽であろう状況。人は祈るためではなく、責めるために神を持ち出すことができる。……思った以上に重苦しかった。


18(土)
フランク・キャプラ『スミス都へ行く』をみる。日本人の私でさえ感動してるんだから、アメリカ人がみたら泣くね。性善説ではあるが、善き人が負けそうになったり懲悪される場面が表現されないのは、逆にリアルで良い。終盤の大演説に興奮。歯切れの良い幕切れが良い。それにしても議長はよかった。

なんか……「映画ってほんとーにいいものですね!」て言いたくなる。


17(金)
秋の天気だと思った。カラッと晴れてて湿度がなく吹く風はひんやり。

ウィルソン・イップ『OVER SUMMER(爆裂刑警)』@キネカ大森をみに行った。お客さんが私を含めて4人しかいなかった……。

物足りない。ン・ジャンユーが病気である設定の必要性を感じなかった。「自分には時間がない。家族を持ちたい」に説得力を与えてはいるけど重要ではない。使い方が中途半端。少し頭のおかしいおばさんの意味は、泣かせるためではなく緊張感のためだったのはいいにせよ、「恐怖の食事会」にはユーモアが足りない。

つづいて、ゲオルギー・ダネリア『不思議惑星キン・ザ・ザ』@ユーロスペース月曜日にみたばかりだけど再度行った。金曜日だからかめちゃ混みで立見が出ていました。

テンポをのろく感じた。それから、面白いのは面白いんだけど一度知ってしまうと鮮度を失う面白さのような気もした。前回みたときとの時間の間隔が、あまりに短すぎたからかもしれない。

アサヒの「麦水」はおいしい。砂糖を入れて飲んでいた子供時代を思い出すほどに懐かしい味がする。自分で煮出した麦茶のが負けてると思った。


16(木)
新宿TSUTAYAに寄って、矢崎仁司『三月のライオン』、フランク・キャプラ『スミス都へ行く』、クシシュトフ・キェシロフスキ『デカローグ』を借りてきた。

高野フルーツパーラーでは、メロンパンの焼き上がり時間には行列ができる。ビデオを借りて戻ったらちょうど売っていて列が動いているところだった。とうとう、ついに、買ってしまった。並ぶときに、何個ですか? と聞かれ答えると、その枚数を書いた札を渡される。そして、それを売場の人に渡すとトレイに載せたメロンパンを渡してもらえるという仕組み。

矢崎仁司『三月のライオン』。記号的・象徴的。退屈だけど嫌いになれないところがある。隣にいても遠い愛、か?


15(水)
帰りに寄ったスーパーがいつもより混んでいて男の人が多いのです。奥さんと一緒だったり、一人で味噌持ってレジ並んでいたり。なるほどなあの光景でした。

DVDを借りて帰る。フランク・キャプラ『素晴らしき哉、人生!』。友人に恵まれ人望も厚いがことごとく運に見放されてる主人公が究めつけの絶望に見舞われる。

これほど優しく暖かく美しいものに触れるとどうしようもない。泣きに泣いた。最後ももちろんいいんだけど、自殺を思いとどまらせる方法に。「肯定された命・人生」ということが、いやらしくなく表現されていて素晴らしいと思った。


14(火)
はい、誘ってもらっておもむろにみに行きました。そして結果、とっても気に入った『不思議惑星キン・ザ・ザ』。昼休み同僚にさわりを話してみたところかなり好感触で、「みに行こうかなあ」とまで言ってくれる。社食から部へ戻るエレベーターの中で「クー」を披露してあげました。サービス。

誰かに何かをしてもらったのではなく状況や運命に感謝したいとき、宗教を持っていないのに「神さまありがとう」と思ったりする。誰に言っていいかわからないので「神さま」を持ち出しているのはわかってる。借り物の言葉として使ってるのだと。

帰り道、広場で花火をしているのを見た。花火には夏まっさかりのイメージはない。消えてゆく光に夏の終わりを感じる。8月の後半が似合うなあと思う。


13(月)
ゲオルギー・ダネリア『不思議惑星キン・ザ・ザ』@ユーロスペースをみにいく。

オープニングの気の抜けた歌ですでに吹き出してる人がいて、これから始まる笑いの予感に私も吹き出しそうになってしまう。

劇場窓口で「クー」をするかツァーク(鼻ピアス)をしてくると、オリジナルステッカーがもらえる。後ろの人が「クー」と言い、劇場の人も嬉しげな声で「ありがとうございます」と言うのが聞こえた。恥ずかしくってできないよって思ってたのが、映画をみおわったら“やっぱり「クー」と言って入らないとな!” に変わってた。

導入部が最高。きちんとベタなのが嬉しい。こうでなきゃね! 物語自体が破綻しているのかと思っていたらそうではなく、あちらの星での規律や価値観が地球人としてはおかしなことに映る、そういう笑い。正直、微妙に「旧ソ連」を感じたりもしましたが(もちろんマイナスという意味ではなく)、ゆるくてまったり、笑って楽しい作品でした。

リピーター多そうだった。


(10金)-12(日)
デヴィッド・カッパーフィールドの公演「ポータル」をみにいったり、久しぶりにオザケンを聴いたり、高校野球を見ながら居眠りしたり。

デヴィッド・カッパーフィールドのイリュージョンは、2階席だとやはり遠いし観客参加のチャンスも到底ありえない場所になっちゃうので、なるべくなら1階席、それも舞台の近くで見たほうが良いんだろうと思った。それにしても……すごかった。どういうことなのか。まったく。

車窓眺めながらオザケン聴いているとかなりせつなくなりました。それがいいことなのか悪いことなのかわかりません。

良く経験することで、電車に乗っている間に隣り合った駅で雨が降ってる/降ってない、というのがある。ずっと外を眺めていたはずなのに気付いたら雨。そのたびに境目はどこにあるんだろう? と考える。歩いていたら見つかるのか。


9(木)
Nさんに「『悪霊』は進んでる?」と聞かれて「う〜ん、下巻に入りましたけど……難しいです!」と答えたあと、「川上弘美の『センセイの鞄』を読んだけど良かったよ」と続けられ一瞬固まる。昨晩読み終わったときに、これはNさんとの会話にのぼらせられないな…と思っていたからです。

内容をご存知の方には、「なぜそういう気持ちになるのか」、なんとなくわかると思う。

それで、「読んだよ」と言われたときに「私も実は読んだんですよ!」と言うことができなかった。「なかなか良かったよ。難しいのの間に読めば? お貸ししましょうか?」と言われてますます困り、「え、あ、私も気になっていたので買って読みます!」なんて答えてしまった。

メモしておくものだね!(8/8) 過去の自分のメモって結構面白い。言ったことよりも、聞いたり読んだりしたことのほうが覚えていることが多いです。


8(水)
筑摩書房近刊案内に、9/15発売でピエール・バイヤール 大浦康介訳『(仮)アクロイドを殺したのは誰か』というのが載っている。これ、どうにも見覚えがあるし自分でどこかにメモをした記憶がある。それで試しにgoogleでピエール・バイヤールの検索をしてみたら自分のページがヒットした。

月報というアイテムに少し弱い。『編集室の床に落ちた顔』(国書刊行会)に付いていた月報を読んでいて、ピエール・バイヤール『誰がロジャー・アクロイドを殺したか』(仏・ミニュイ社 1998)というのを知る。”『アクロイド殺人事件』の真犯人は別にいたと主張する研究書”とのこと。邦訳が、いつかは知りませんが出るようなので、忘れないようここに書いておくことにする。(99.10.26)

会社の人に川上弘美『センセイの鞄』平凡社,2001 がとても良いと聞き買って帰って読む。

すっごくいい。晩夏の風と冬のひだまりを合わせたような作品。

多分ツキコさんにしてみれば、真面目なのにはぐらかされてるみたいな会話のやりとり。せつなさとともに、ぷは! と吹いてしまうおかしみもある。言葉の裏の気持ちを勝手に解釈したせいか、雷の夜にだだこねるところにはじわっときた。

誰かが心にいるとき、ハタからみたらストイックな振る舞いに映ろうが、ストイックにしたくてしてるんじゃなく、単に他の人が入る余地・余裕がないのだ。

さみしいから好きな人を思うのではなく、思ってるからさみしくなってまた思う、そんな気もする。


7(火)
薬がてきめん効いている感じ。

さすがに2度もキャンセルできず髪を切りに行く。通り道にカフェができてた。8/4にオープンしたばかりのようだった。CUBE ZEN:渋谷区神宮前5-2-14

神宮の花火とのことで浴衣姿の女の子をちらほら見かける。自分に似合う浴衣をちゃんと選んでるなあ。というか、浴衣が目に映るたびに「あの浴衣いいなあ〜」と気に入ってしまう。

『蝶の舌』の上映館がシネスイッチ銀座でなければみに行きたかった(シネスイッチの客層に2度ほど懲りてる)。関東だと他には関内アカデミー。


6(月)
良くならないので病院へ行く。薬を替えてくれた。

部屋の中にいて気付かない私に、花火はその存在をまず音で知らせてくれる。土曜日、遠くの花火よりもそのそばの月をきれいだなあと眺めてた。満月だった。


5(日)
映画をみに行こうと思っていたけど無理するのはやめにした。久しぶりに家から一歩も出ず、午後はほとんど寝て過ごす。

眠りの不思議さについて思う。薬を飲んで眠った場合、薬のせいで良くなったのか眠ったことによるのか実際良くわからない。ただ、薬がより効くためには睡眠が必要な気はする。眠ることで何かが変わるような感覚がある。


4(土)
今週買った本。料理関係の本を買うのは疲れているときみたいです。
大本幸雄『簡単ではない! 正しい料理のつくり方』日本放送出版協会,2001……野菜炒め、ハンバーグ、湯豆腐などごく身近な料理20品をそれぞれプロのシェフが作ったら?
『なす なす なす』日本放送出版協会,2001……なす、嫌いな人もいますね。食感がいや?
恩田陸『上と外』(6)幻冬舎文庫,2001/ドストエフスキー『悪霊』(下)新潮文庫

恩田陸『上と外』(6)、読み終わりました。


2(木)
あ、キェシロフスキって『トリコロール』の人かー。何色みたかも忘れてます。

髪の毛を切る予約を入れていたのが行けなくなってしまった。切りたてが一番楽しく翌朝は少し落ち込む。

「ねむけ、ふらつきが起こることがあります」という薬を飲んで「ふらつき」を楽しみにしていたけどよくわからない。

ドストエフスキー『悪霊』(上)を読み終わる。


1(水)
駅前の自転車置き場には3人くらいのおじいさんがいて、自転車を引き取りに行くと「おかえりなさい」と言ってくれる。夜の11時半に閉まる。その時間帯にそこの前を通ると、おじいさんたちの一日の終わりと私の一日の終わりが重なるように思える。


31(火)
買った化粧水に「テスター ご自由にお使いください」というシールがはってあるのに気付いた。またやってしまった。これで2度目。

先週末いきなり、ありとあらゆる不要なものを部屋から排除してしまいたい! という気持ちにとらわれる。気持ちが盛り上がりすぎて捨てるべきものを考えるとイライラし、昼すぎまで布団でごろごろ。とりあえず、1年以上着なかった服をリサイクルショップに持っていった。古いCDもさばいてしまいたい。本も雑誌も本当は。からっぽの部屋に住みたいな〜。

着てみたいものが似合わないのはせつない。鏡の中の自分を騙して買ってはみてもやっぱりしっくりこなくて着ないままだったり。でも、もうそろそろあきらめました。さとりました。こういう路線でいくしかないのでしょう。どういう路線?

秋物の服がもう並んでる。ダッフルさえ見かけた! 大好きなダッフル! 一度も着たことがないダッフル! 憧れすぎてるがゆえに買うことができない。本当に毎年言っていますがグレーのダッフルが欲しいです。どうかひとめぼれできるものがあらわれますように。迷うくらいなら買いません買えません。


29(日)
キューブリック『時計じかけのオレンジ』をみた。前半15分くらいでもうやめようかと思った。映像を隠し字幕だけをみられるよう、ずっと小さな紙を持って映画をみてた。前半と後半で「被害者」が変わっても、「被害者」に対する感情は何もわいてこず、ただただ暴力というものに対して私の意識は釘付けになってた。

好きか嫌いかで言ったら『2001年宇宙の旅』のほうが断然好き。でも、強い感情を起こさせるものはそれがなにであってもすごいと思ってる。なぜこんなに恐怖と嫌悪を感じるんだろう。吐き気がして食欲がなくなってしまった。

ほめ言葉として言いたい。「なんてクレイジー! なんていやな映画!」

「食後のアイス」のゆずソルベを食べた。

そうなんだよ。花火大会に行きたいって思えば行けばいいんだけど(興味)、人が多くて帰るの大変だろうなあ面倒、終了、って感じ。りんご食べたい(興味)、でも、むくの面倒だなーやめよう、とか。「面倒」って便利な言葉だよね。「興味」と「面倒」がよくせめぎあってる。


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01.0701.09