huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye




糖多令
            

            
        宋 劉過
安遠樓小集
安遠樓小集,侑觴歌板之姫黄其姓者,乞詞于龍洲道人,爲賦此唐多令。同柳阜之、劉去非、石民瞻、周嘉仲、陳孟參、孟容,時八月五日也。
蘆葉滿汀洲。
寒沙帶淺流。
二十年、重過南樓。
柳下繋舟猶未穩,
能幾日、又中秋。


黄鶴斷磯頭。
故人今在不。
舊江山、渾是新愁。
欲買桂花同載酒,
終不是、少年遊。


    **********************

          糖多令
          


蘆葉  汀洲に滿ち。
寒沙  淺流に帶ぶ。
二十年、 重ねて 南樓を過ぎる。
柳下に 舟を繋げど  猶ほ未だ穩かならず,
能く 幾日かすれば、  又た中秋。


黄鶴 斷磯の(ほとり)
故人  今 在りや(いな)や。

舊江山、 (すべ)
て是れ  新たなる愁ひ。
桂花(けいくゎ)を買ひ  載酒を同にせんと 欲すれど,
(つひ)
に 是れ、 少年の 遊とたがふ。


             ******************

◎ 私感訳註:

※劉過:南宋の詞人。南宋・紹興二十四年(1154年)〜開禧二年(1206年)。字は改之。号して龍洲道人。太和(現・江西省泰和)の人。兵事を喜んで語り、若くして各地を流離う。節義を重んじ、北方領土の奪回につとめた。世に廬陵の二布衣と称された。

※糖多令:『唐多令』と表すことが多い。詞牌の一。詳しくは「構成について」を参照。

※安遠樓小集,侑觴歌板之姫黄其性者,乞詞于龍洲道人,爲賦此唐多令。同柳阜之、劉去非、石民瞻、周嘉仲、陳孟參、孟容,時八月五日也:安遠樓で、小さな集いをしたが、お酌をしてくれた歌姫の黄という姓の者が、詞を 龍洲道人(=作者)に乞うたので、此の『唐多令』を賦した。同座する者に、柳阜之、劉去非、石民瞻、周嘉仲、陳孟參、孟容がいた。時に八月五日である。 ・安遠樓:湖北省・武昌にある建物。南楼ともいう。詞中では「南樓」の方が使われている。 ・小集:ささやかな集い。ささやかな宴。 ・侑觴:酒を勧める。 ・歌板:音楽のリズムをとる楽器。ここでは、歌姫を謂う。 ・乞詞:詞をねだる。 ・龍洲道人:劉過の号。 ・柳阜之、劉去非、石民瞻、周嘉仲、陳孟參、孟容:小宴に参加した人名。

※蘆葉滿汀洲:アシの葉が、砂州に満ちており。 ・蘆葉:(枯れかかってきた)アシの葉。 ・滿:いっぱいである。 ・汀洲:〔ていしう;ting1zhou1○○〕河の流れに接した砂州。中州。北宋・寇準の『江南春』に「波渺渺,柳依依。孤村芳草遠,斜日杏花飛。江南春盡離腸斷,蘋滿
汀洲人未歸。」とあり、同・寇準の『江南春』に「杳杳煙波隔千里,白蘋香散東風起。日落汀洲一望時,柔情不斷如春水。」とある。

※寒沙帶淺流:寒々とした河原には、ささやかな流れがある。 ・寒沙:寒々とした河原。 ・帶淺流:ささやかな流れがある。

※二十年、重過南樓:二十年(ぶりに)、南楼(=安遠楼)にふたたびやってきた。 ・二十年:二十年(ぶりに)。 ・重過:ふたたびやってきた。 ・南樓:小集をした安遠楼のこと。

※柳下繋舟猶未穩:柳の下に船を岸に繋げば、なおも(若い時のように)心が昂ぶってくる。 ・繋舟:船を岸に繋ぐ。 ・猶未:まだ…ない。なおいまだに…ない。 ・穩:おだやかな。落ち着いた。

※能幾日、又中秋:あと数日すれば、またもや中秋節だ。 ・能:よく。 ・幾日:いく日。どれだけ。何日。 ・又:もう。またもや。 ・中秋:陰暦八月十五日。中秋節。

※黄鶴斷磯頭:(武昌の西にある)黄鶴磯の断崖の上には。 *黄鶴磯の上には黄鶴楼がある。

※故人今在不:(李白の『黄鶴樓送孟浩然之廣陵』に「
故人西辭黄鶴樓,煙花三月下揚州。孤帆遠影碧空盡,惟見長江天際流。」というように)古くからの知人は、今もいるのだろうか。 ・故人:古くからの知人。古くからの友人。昔の友達。旧友。故知。また、死んだ人。ここは、前者の意。中唐・張謂の『同王徴君湘中有懷』に「八月洞庭秋,瀟湘水北流。還家萬里夢,爲客五更愁。不用開書帙,偏宜上酒樓。故人京洛滿,何日復同遊。」とあり、盛唐・王維の『送元二使安西』に「渭城朝雨浥輕塵,客舍柳色新。勸君更盡一杯酒,西出陽關無故人。」があり、盛唐・孟浩然の『過故人莊』「故人具鷄黍,邀我至田家。克村邊合,青山郭外斜。開筵面場圃,把酒話桑麻。待到重陽日,還來就菊花。」や盛唐・李白の『黄鶴樓送孟浩然之廣陵』に「故人西辭黄鶴樓,煙花三月下揚州。孤帆遠影碧空盡,惟見長江天際流。」とあり、中唐・劉長卿の『贈崔九載華』に「憐君一見一悲歌,歳歳無如老去何。白屋漸看秋草沒,雲莫道故人。」とあり、中唐・張謂の『送盧舉使河源』に「故人行役向邊州,匹馬今朝不少留。長路關山何日盡,滿堂絲竹爲君愁。」とある。 ・今在不:今は いるのか、どうか。「今在不」の「不」の用法は、「今在」「今在不在」の意で、疑問を表す表現。現代語で読む場合も、ここの場合の「不」〔ふ;bu4〕は、「否」〔ひ;fou3〕の音で読む。「不」字「否」と字の成立時期の相違からきている。ここの「不」字のところは、本来押韻するところでもある。それ故、ここの句「故人今在不」を「故人曾到否」として、「否」を平声で読む。このことは『詞譜』にもある。東晋の陶潜も『游斜川』で「開歳倏五日,吾生行歸休。念之動中懷,及辰爲茲游。氣和天惟澄,班坐依遠流。弱湍馳文魴,闥J矯鳴鴎。迥澤散游目,緬然睇曾丘。雖微九重秀,顧瞻無匹儔。提壺接賓侶,引滿更獻酬。未知從今去,當復如此不。中觴縱遙情,忘彼千載憂。且極今朝樂,明日非所求。」と同様の押韻をしている。

※舊江山、渾是新愁:昔ながらの(ふるさとの)山河は、(知人は皆いなくなって)すっかり新たな悲しみにつつまれている。 ・舊江山:昔ながらの(祖国の)山河。昔の(祖国の)山河。 ・渾是:すべてが…だ。すべて これ。 ・渾:〔こん;hun2○〕すべて。まったく。すっかり。 ・新愁:新たな愁い。(昔からの祖国の山河が異国・金の領土となって)新たな愁いに包まれていること。

※欲買桂花同載酒:(お月見の用意の)桂花を買って、酒席を設けるようとするが。 ・欲買:買おうとする。 ・桂花:モクセイの花。月に咲くという。 ・載酒:酒席を設ける。酒宴の用意をする。盛唐・崔國輔の『九日』に「江邊楓落菊花黄,少長登高一望ク。九日陶家雖載酒,三年楚客已霑裳。」とある。

※終不是、少年遊:もはや、若い時の宴とは異なったものとなった。 ・終不是:結局は…と違う。「終不似」ともする。“是”と“似”の音は時代とともに、極めて近くなってきている。 ・不是:…は…ではない。〔A不是B:AはBではない〕。 ・是:…は…である。これ。主語と述語の間にあって述語の前に附き、述語を明示する働きがある。〔A是B:AはBである〕。 ・少年遊:年若いときの行楽。






◎ 構成について

  双調六十字。上片と下片は同一様式だが、この作品では、下片の第2句は押韻されていない。韻式は「AAAA AAAA」。韻脚は「洲流樓秋 頭愁遊」で、詞韻第十二部平聲十一尤で独用。なお、「酒」は第十二部上声で異なり、元曲に似た雰囲気の押韻である。

   ○●●○○(韻)
   ○○●●○(韻)
   ●●○○(韻)
   ○○●●,
   ●,
   ●○○。(韻)
   


   ○●●○○(韻)
   ○○●●○(韻)
   ●●○○(韻)
   ○○●●,
   ●,
   ●○○。(韻)
   
2002.11.24
     12. 8
     12. 9
     12.10完
2003. 3.9MR
     11.13補
2012.11. 3
     11. 4

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