huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye





                    
七哀詩
           
三首之一
            
        後漢末 魏  王粲



西京亂無象,
豺虎方遘患。
復棄中國去,
委身適荊蠻。
親戚對我悲,
朋友相追攀。
出門無所見,
白骨蔽平原。
路有飢婦人,
抱子棄草間。
顧聞號泣聲,
揮涕獨不還。
未知身死處,
何能兩相完。
驅馬棄之去,
不忍聽此言。
南登霸陵岸,
迴首望長安。
悟彼下泉人,
喟然傷心肝。



    **********************

          七哀詩 三首之一
          

西京  亂れて 象
(かたち) 無く,
豺虎  方
(まさ)に 患(わづらひ)を遘(かま)へんとす。
復た 中國を 棄てて  去り,
身を委ねんに  荊蠻に 適
(ゆ)く。
親戚  我に對して 悲しみ,
朋友  相ひ追ひて攀
(とど)む。
門を出づれば  見る所 無く,
白骨  平原を蔽
(おほ)ふ。
路に飢ゑたる  婦人 有りて,
(いだ)ける子を  草間に棄つ。
顧りみて 號泣の聲を 聞き,
(なみだ)を揮(ぬぐ)ひ  獨(ひと)り 還(かへ)らず。
「未だ  身の 死す處を知らざれば,
何ぞ能
(よ)く  兩(ふた)つながら 相(あ)ひ完(まった)ふせん。」
馬を驅
(か)って  之(これ)を棄てて 去り,
(こ)の言  聽くに忍ばず。
南  霸陵の 岸に 登り,
(かうべ)を迴(めぐら)して  長安を 望む。
悟る  彼
(か)の 『下泉』の人を,
喟然として  心肝を 傷
(いた)ましむるを。

             ******************

◎ 私感訳註:
※七哀詩:これは『七哀詩』三首のうちの一首になる。「多くの哀しみの詩」の意。「七」は多数を表す。この時代、辞賦に「九…」「…九」と題されたものが多いが、これも基本的には同義。

※王粲:後漢末の人(177年〜217年)ではあるが、彼が生きた時代には、漢王朝は実質的には亡んでいたも同然の時代で、曹操と同時代、魏の人というのが正確になる。歴史年表からの区分では後漢末の人とはなるものの、文学史上では、漢魏六朝文学の精華である「建安七子」の第一人者で、「曹・王」という風に、三曹(曹操、曹丕、曹植親子)と併称される文学史上の大人物。曹操、曹丕宮廷文学を奨励し、曹丕によって王粲は大いに認められた。この時代彼らのためにできた語彙は「建安七子」「建安風骨」「建安体」など多い。王粲の字(あざな)は仲宣。山陽高平(現・山東省鄒縣)の人。この『七哀詩』三首の外に『登樓賦』が有名である。なお、「建安七子」と称されたのは、孔融、陳琳、王粲、徐幹、阮禹、應場、劉驕Aの七人。「建安七子」とは、「建安時代の文壇を飾った七人の士」(建安:『後漢書』卷九孝獻帝第九「建安元年春正月癸酉,郊祀上帝於安邑,大赦天下,改元建安。」とある。)の意。

※西京亂無象:長安の都は跡形もなく乱れ果て。 ・西京:長安。漢の長安は現・西安の北方、渭水との間にある。 ・無象:かたちもなくなった。・象:かたち、けはい、もよう「気象」の「象」。後年、杜甫が歌った「春望」の「
國破山河在,城春草木深。感時花濺涙,恨別鳥驚心。烽火連三月,家書抵萬金。白頭掻更短,渾欲不勝簪。」に同じ。この王粲作品の場合は黄巾の乱など、後漢末の戦乱を指す。

※豺虎方遘患:豺虎ともいうべき後漢末の梟雄が戦乱をかまえようとして。 ・豺虎:ヤマイヌやトラのように猛々しく悪い人の喩え。ここでは、黄巾の乱後、各地に発生し、争乱を起こしていた軍閥を指す。 ・方:まさに、ちょうど。・遘:=構。かまえる。 ・患:戦禍。

※復棄中國去:またも中原の地を捨てて、去って。 ・中國:中原。ここでは普通名詞に準ずるもの。

※委身適荊蠻:身を委ねる(ところとして)荊州に(疎開して)ゆく。 ・荊蛮:荊州のこと。作者は戦乱を避けるために荊州に疎開するが、荊州は赤壁の戦い(208年)の後、孫権に奪われるので、この詩はそれ以前のものになる。

※親戚對我悲:わたし(が荊州に疎開してゆくこと)に対して、親戚は嘆き悲しみ。 ・對:向かう。向かって。

※朋友相追攀:友人は追いかけてきて、すがってきて(引き留め)た。 ・相追:おいかけてきて。「相」は「追いかける」という動作が一方向に向かっているさまを表す。 ・攀:よじる、つかまりのぼる。すがりつく、引き留める、引き戻す。=攀援。ここは「攀援」の意。

※出門無所見:(長安の)城門も出れば、見るといったものはなにも無く。後世、唐・高適は『田家春望』で「
出門何所見,春色滿平蕪。可歎無知己,高陽一酒徒。」 と使う。

※白骨蔽平原:(ただ目に入るものは)白骨が平原をおおっているさまだ。

※路有飢婦人:路に餓えた婦人がいて。飢≒饑。餓える。

※抱子棄草間:赤子を抱えて、草むらに捨てている。

※顧聞號泣聲:(婦人は)ふり返って(赤子の)激しい泣き声を聞き。

※揮涕獨不還:涙を拭って、ひとりだけでは、戻ろうとしない。 *赤子を置いて独り身になって行こうとはしない。 ・涕:なみだ。 ・獨:ひとり。複数ではなく、単独で。 ・不還:かえらない。もどらない。また、かえろうとしない、もどろうとしない、意志の否定。

※未知身死處:(わたし自身の)身がどこで死ぬのか分からないのに。婦人自身が自分の身がどうなるかも分からないので如何ともし難いことをいう。

※何能兩相完:どうして両者(母子)ともにまっとうできようか。 ・何能:どうして…できようか。 ・兩相完:両者がまっとうすること。ここでの「兩」は、「母と子」ととるか、「母子と作者」ととるかで、意味がやや異なってくる。何如。いずれにせよ、「救い得ない」という意味になる。 ・完:まっとうする:ここでは、救うの意になる。

※驅馬棄之去:(作者のわたしは)馬を駆けさせて、この(母子を)見捨てて去ったが。

※不忍聽此言:この(母親の我が子に対する謝罪の)言葉を聴くに忍びなかった。 ・不忍:たえられない。がまんができない。 ・此言:母親が我が子を捨てるときに言った謝罪の言葉。母親が赤子と別れる時に言った言い訳の言葉。「未知身死處,何能兩相完。」のことになる。

※南登霸陵岸:南の方、霸陵の岸に登って。漢の文帝を想起することで政治、統治能力についての問いかけをしている。 ・霸陵:漢の文帝の墓のあるところ、地図上では現在の西安の東5キロメートル水(現・河)のほとりにある。作者は「南登霸陵岸,迴首望長安。」と、長安の南に霸陵があるように歌っているがこれは正確である。長安は時代によってずれている。現・西安と漢代の長安を比べれば、漢の長安は現・西安の遥か北方、渭水との間にある。蛇足だが唐代ではもっと南になり、現・西安の僅かな北方になり、市街地は重なってくる。

※迴首望長安:長安の方をふり返ってながめれば。

※悟彼下泉人:あの「下泉」で、優れた統治者の出ることを願って(死んでいった)人のことを深く心に思い起こす。 ・下泉:『詩經・曹風』にある篇「下泉」のこと。優れた統治者を願って「洌彼下泉,浸彼苞。愾我寤嘆,念彼周京。洌彼下泉,浸彼苞蕭,愾我寤嘆。念彼京周。洌彼下泉,浸彼苞蓍。愾我寤嘆,念彼京師。黍苗,陰雨膏之。四國有王,伯勞之。」と歌っている。その『毛詩』曹風下泉」序に「下泉,
也,曹人疾共公侵刻下民。不得其所。憂而思明王賢伯也。」とあり、王粲も「治」、「明王賢伯」を思っているということ。 ・「治」:平安裡に国が統治される。「明王賢伯」:英明な君主と賢明な重臣。優れた統治者。

※喟然傷心肝:ため息が出てきて、こころがいたんでくる。 ・喟然:ため息を吐(つ)く。 ・心肝:こころ。こころの深いところ。




◎ 構成について

  平韻一韻到底。韻式は「aaAAAAAAAA」、韻脚は「(患)(蠻)攀原間還完言安肝」で、平水韻で云うのもおかしいが、基本的には上平十四寒「安肝完間」。上平十三元「言」 等。次の平仄はこの作品のもの。


   ○○●○●,
   ○●○●●
。(韻)
   ●●○●●,
   ●○●○●。(韻)
   ○●●●○
   ○●○○○。(韻)
   ●○○●●,
   ●●●○○。(韻)
   ●●○●○,
   ●●●●○。(韻)
   ●○●●○,
   ○●●●○。(韻)
   ●○○●●,
   ○○●○○。(韻)
   ○●●○●,
   ●●○●○。(韻)
   ○○●○●,
   ○●○○。(韻)
   ●●●○○,
   ●○○○○。(韻)

2003. 2. 9
      2.10完
2004.12.23補
2006. 1. 7

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