曳杖危樓去。 斗垂天、滄波萬頃, 月流煙渚。 掃盡浮雲風不定, 未放扁舟夜渡。 宿雁落、寒蘆深處。 悵望關河空弔影, 正人間、鼻息鳴鼓。 誰伴我,醉中舞。 十年一夢揚州路。 倚高寒、愁生故國, 氣呑驕虜。 要斬樓蘭三尺劍, 遺恨琵琶舊語。 謾暗澀、銅華塵土。 喚取謫仙平章看, 過溪、尚許垂綸否。 風浩蕩, 欲飛舉。 |
賀新郎******************
杖を曳き 危樓に 去(ゆ)く。
斗は 天より垂れ、 滄波 萬頃,
月は 煙れる渚に 流(さ)す。
浮雲を 掃き盡す 風 定まらず,
未だ 扁舟 夜に渡るを 放たず。
宿雁は 落つ、 寒蘆の 深き處。
關河を 悵望して 空しく 弔影す,
正に 人間(じんかん)、 鼻息(いびき) 鼓(だこ)を 鳴らす。
誰か 我を 伴ひ, 醉中に 舞はん。
十年 一夢 揚州の路。
高寒に 倚れば、 愁ひは 故國に 生じ ,
氣 驕虜を 呑む。
斬るを 要す 樓蘭 三尺の劍にて,
恨みを遺(のこ)せり 琵琶の 舊語。
謾(みだ)りに 暗く澀し、 銅華 塵土。
喚(よ)び取る 謫仙 章を平して 看よ,
溪(てうけい)に 過し、 尚ほ 綸(いと)を 垂らすを 許すや 否や。
風 浩蕩として,
飛舉せんと 欲す。
2003.11. 3 11. 4 11. 5完 2019. 7.29補 |