山
唐 沈
期
北
山上列墳塋,
萬古千秋對洛城。
城中日夕歌鐘起,
山上唯聞松柏聲。
**********************
。
山
(ばうさん)
北
山上 墳塋
(ふんえい)
列
(つら)
なり,
萬古千秋 洛城に 對す。
城中 日夕 歌鐘 起こるも,
山上 唯だ聞く 松柏の聲。
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◎ 私感訳註:
※
山:〔ばうさん;mang2shan1○○〕後出の北
山〔ほくばうさん;bei3mang2shan1〕のこと。
嶺。芒山ともいう。洛陽のすぐ北にある。嘗て洛陽の貴人が亡くなった時ここに葬ったという。墓山。普通名詞が固有名詞に変わっていった好例。魏・阮籍の『詠懷詩』其十「昔年十四五,志尚好書詩。被褐懷珠玉,顏閔相與期。開軒臨四野,登高望所思。丘墓蔽山岡,萬代同一時。千秋萬歳後,榮名安所之。乃悟羨門子,
今自嗤。」
や、後漢・梁鴻の『五噫歌』「陟彼
北芒
兮,噫!顧覽帝京兮,噫!宮室崔嵬兮,噫!民之劬勞兮,噫!遼遼未央兮,噫!」
東晉・陶潛『擬古・九首』其四「迢迢百尺樓,分明望四荒。暮作歸雲宅,朝爲飛鳥堂。山河滿目中,平原獨茫茫。古時功名士,慷慨爭此場。一旦百歳後,相與還
北
。
松柏
爲人伐,高墳互低昂。頽基無遺主,遊魂在何方。榮華誠足貴,亦復可憐傷。」
、やや前人の劉希夷(劉廷芝)『公子行』「天津橋下陽春水,天津橋上繁華子。馬聲迴合青雲外,人影動搖鵠g裏。鵠g蕩漾玉爲砂,青雲離披錦作霞。可憐楊柳傷心樹,可憐桃李斷腸花。此日遨遊邀美女,此時歌舞入娼家。娼家美女鬱金香,飛去飛來公子傍。的的珠簾白日映,娥娥玉顏紅粉妝。花際裴回雙
蝶,池邊顧歩兩鴛鴦。傾國傾城漢武帝,爲雲爲雨楚襄王。古來容光人所羨,況復今日遙相見。願作輕羅著細腰,願爲明鏡分嬌面。與君相向轉相親,與君雙棲共一身。願作貞松千歳古,誰論芳槿一朝新。百年同謝西山日,
千秋萬古
北
塵。」
にも歌われている。
※北
山上列墳塋:北
山の上の(墓地)では墓が並んでおり。 ・列:並んでいる。 ・墳塋:〔ふんえい;fen2ying2○○〕墓。墓場。墓地。前出『詠懷詩』
でいえば「丘墓」。
※萬古千秋對洛城:永遠に洛陽城に向かっている。 ・萬古千秋:永遠。長大な時間。前出『詠懷詩』「丘墓蔽山岡,
萬代
同一時。千秋萬歳
後,榮名安所之。」
や前出『公子行』の「百年同謝西山日,
千秋萬古
北
塵。」
の意。 ・對:…に向かう。 ・洛城:洛陽の街。洛陽城。街は城郭で囲われている。
※城中日夕歌鐘起:街の中からは、朝夕に歌声や鐘の音が響いて来て。街の中からは、朝夕に賑やかな娯楽の音楽や生活の音、お寺の鐘のねが聞こえてくるが。 ・城中:街の中から。 ・日夕:朝夕。昼と夜。午後四時頃から日暮れまで。ここでは、昼夜の意で使っている。 ・歌鐘:歌声や鐘の音。浮き世の歓楽に耽る様子をいう。 ・起:おこる。
※山上唯聞松柏聲:ここの北
山の上では、(墓場の木である)マツやコノテガシワの枝を吹き抜ける風の音だけが聞こえてくる。 ・山上:ここでは、北
山の上。墓地では。 ・唯聞:…だけが聞こえる。 ・松柏:マツやコノテガシワの木。墓場に植えられた常緑の樹木。陶潜の詩『諸人共游周家墓柏下』「今日天氣佳,清吹與鳴彈。
感彼
柏
下人
,安得不爲歡。」
、や劉希夷の『白頭吟』(代悲白頭翁)「今年花落顏色改,明年花開復誰在。
已見
松柏
摧爲薪
,更聞桑田變成海。」
に墓場の樹木の意で出てくる。前出陶潛『擬古・九首』其四「
松柏
爲人伐」
も同様(紫字)。 ・聲:音。ここでは、枝を吹き抜ける風の音。松涛。松風。
◎ 構成について
韻式は「AAA」。韻脚は「塋城聲」で、平水韻下平八庚。次の平仄はこの作品のもの。
●○○●●○○,(韻)
●●○○●●○。(韻)
○○●●○○●,
○●○○○●○。(韻)
2003.11.11完
2005. 1. 3補
4.11
4.24
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