人行犬寒吠, 密雪迷村影。 欲扣酒家扉, 山橋一蓑冷。 |
密雪に行人を望む
人 行きて 犬 寒に吠 え,
密雪 村影 迷ふ。
酒家の扉 を扣 かんと欲す,
山橋 一蓑 冷かなり。
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◎ 私感訳註:
◎ 私感訳註:
※謝芳連:清代の人。字は皆人。別号は香祖山人。宜興の人。『画溪西堂稿』がある。
※密雪望行人:深い雪の中で、道を行く人を眺める。 *この詩に出てくる「人」は第三者の意ばかりではなく、作者の姿を投影したものであろう。 ・密雪:細かにしげく降る雪。 ・望:のぞむ。(遠くを)みわたす。また、敬服する。感心する。仰ぎ慕う。また、うらむ。 ・行人:〔かうじん;xing2ren2○○〕旅行者。旅人。道を行く人。清・王士モフ『再過露筋祠』に「翠猪セ璫尚儼然,湖雲祠樹碧于烟。行人繋纜月初墮,門外野風開白蓮。」とある。
※人行犬寒吠:人が行けば、犬が寒さに凍えながらもほえている(ので、そちらに村落があることはわかったが)。 ・犬寒吠:犬が寒さに凍えながらほえる意。 ・寒吠:寒さに凍えながらほえる意。
※密雪迷村影:細かにしげく降る雪は、村の形をわからなくしてしまった。
※欲扣酒家扉:(冷え込んできたので、)酒屋のとびらをたたきたいものだが。*晩唐・杜牧の『C明』に「C明時節雨紛紛,路上行人欲斷魂。借問酒家何處有,牧童遙指杏花村。」とある。 ・欲:…たい。…しようと思う。 ・扣:〔こう;kou4●〕たたく。打つ。≒叩。 ・酒家:酒屋。酒場。蛇足になるが、現代語では、「□□酒家」といった料理屋の意。 ・扉:〔ひ;fei1○〕とびら。開き戸。
※山橋一蓑冷:(その酒屋へ行った)冷たげな蓑(みの)(を着けた一人の人物)が山の中の橋(を渡ろうとしている)。 ・蓑〔さ;suo1○〕みの。萱、菅、藁等の茎や葉を編んで作った身に着ける雨具。ここでは蓑(みの)を身に着けた人物を含めて謂う。=簑。中唐・柳宗元の『江雪』に「千山鳥飛絶,萬徑人蹤滅。孤舟簑笠翁,獨釣寒江雪。」 宋・徐積の『漁歌子(漁父樂)』に「水曲山隈四五家,夕陽煙火隔蘆花。漁唱歇,醉眠斜,綸竿蓑笠是生涯。」 とあり、南宋・陸游は『鵲橋仙』で「一竿風月,一蓑煙雨,家在釣臺西住。賣魚生怕近城門,況肯到、紅塵深處。 潮生理櫂,潮平繋纜,潮落浩歌歸去。時人錯把比嚴光,我自是、無名漁父。」とある。
◎ 構成について
2014.2.17 2.18 |
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