Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye
                             

妒花
                                                  
                        明・唐寅

昨夜海棠初著雨,
數點輕盈嬌欲語。
佳人曉起出蘭房,
折來對鏡化紅妝。
問郞花好奴顏好

郞道不如花窈窕。
佳人聞語發嬌嗔,
不信死花勝活人。
將花揉碎擲郎前:
請郞今日伴花眠





    **********************


            花を(ねた)

昨夜 海棠(かいだう)  初めて雨を()け,
數點 輕盈(けいえい)  (けう)として語らんと欲す。
佳人 曉に起きて  蘭房を()で,
折り(きた)り 鏡に對して  紅妝(こうさう)(ほどこ)す。
郎に問ふ: 「花ぞ ()き  (わらは)の顏ぞ ()き?」
郎は ()ふ: 「花の窈窕(えうてう)たるに()かず」と。
佳人( か じん) (かた)るを聞きて  嬌嗔(けうしん)(はっ)し,
「信ぜず 死せし花の  ()くる人に (まさ)れるを。」
花を()って ()(くだ)きて  郎の前に(なげう)ち:
「郎に()ふ  今日 花を(ともな)ひて眠れかし!」



◎ 私感訳註:

※唐寅:明代の詩人。成化六年(1470年)~嘉靖二年(1523年)。字は伯虎。号して六如居士、桃花庵主。また自ら「江左第一風流才子」と名のったこともあった。呉県(現・江蘇省蘇州)の人。弘治戊午年(1498年)の挙人。政争に連坐した後、酒や花に逃れて世俗を蔑視した。詩は、口語を排除せず、俗になることを恐れなかった。明・徐禎卿と並んで「江南四才子」と呼ばれた。

※妒花:花を妬(ねた)む。 *「花」は海棠の花のことであり、また、少女を暗示しているのかも知れない。 ・妒:〔と;du4●〕妬(ねた)む。嫉妬する。=妬:〔と;du4●〕。

※昨夜海棠初著雨:昨夜、カイドウの花が、はじめて雨を体につけた。(天の恩恵を身に着けた)。 ・海棠:カイドウ。バラ科の落葉低木。四月頃淡紅色の五弁の花を咲かせる。なよなよとした美人の形容。 ・初著雨:はじめて雨を体につけた。 ・著:つける。つく。着る。体につける。

※数点軽盈嬌欲語:何点か、なよやかでなまめかしく語ろうとしている。 ・数点:何点か。また、軽くうなずく。また、指差しながら数える。 ・軽盈:しなやかである。なよやかである。 ・嬌欲語:なまめかしく語ろうとしている。 ・嬌:(女子や花などが)あでやかで美しい。美しくかわいい。たおやか。愛くるしい。いろっぽい。なまめかしい。

※佳人暁起出蘭房:(成人女性の)美人が朝になって、婦人の寝室から起きて出て来て。 ・佳人:美人。 ・蘭房:婦人の美しい寝室。また、皇妃の寝室。ここは、前者の意。=蘭閨、蘭室。

※折来対鏡化紅妝:(女性が)花を)手(た)折ってきて、鏡に向かって化粧や飾りをする。 ・折来:手(た)折ってきて。折ってきて。 ・対鏡:鏡に向かう。中唐・劉禹錫の『送春詞』に「昨來樓上迎春處,今日登樓又送歸。蘭蕊殘妝含露泣,柳條長袖向風揮。
佳人對鏡容顏改,楚客臨江心事違。萬古至今同此恨,無如一醉盡忘機。」とある。 ・化紅妝:(女性が)化粧や飾りをする。「化紅妝」は:「化・紅妝」で「化」は「(化粧を)する」、「紅妝」は:婦女の化粧、飾り。

※問郎花好奴顔好:(女性が:)あなた(=男性)にお尋(たず)ねするが、「花のほうがよいか、わたしの顔のほうがよいか(どちらの方がよいと思うか)?」。 *この句の「花好奴顔好」は、 疑問文の一種である「反復疑問文」。相反する事柄(肯定形と否定形(ここでは、「花・好」と「奴顔・好」と))を並べ、相手側に選ばせる形式の疑問文。「花好奴顔好」」 ・郎:あなた(=男性)。女性側から夫や恋人を呼ぶ言葉。 ・花好奴顔好:女性側の質問の言葉:「花のほうがよいか、わたしの顔のほうがよいか」の意。 ・奴顔:わたし(=女性)の顔。・奴顔:わたし(=女性)の顔色。 ・奴:わたくし。わらわ。若い女性の自称。自分を卑下するニュアンスが含まれるか。

※郎道不如花窈窕:男性は「花の美しさには及ばない(=花の方が美しいだろう)」と言う。 ・道:言う。 ・不如:…におよばない。しかず。 ・窈窕:〔えうてう;yao3tiao3●●〕(女性の様子の)奥ゆかしい。上品な。美しい。『詩經・周南』の『關雎』に「關關雎鳩,在河之洲。
窈窕淑女,君子好逑。  參差荇菜,左右流之。窈窕淑女,寤寐求之。求之不得,寤寐思服。悠哉悠哉,輾轉反側。  參差荇菜,左右采之。窈窕淑女,琴瑟友之。參差荇菜,左右芼之。窈窕淑女,鐘鼓樂之。」とあり、東晋・陶淵明の『歸去來兮辭』に「歸去來兮,請息交以絶遊。世與我而相遺,復駕言兮焉求。悅親戚之情話,樂琴書以消憂。農人告余以春及,將有事於西疇。或命巾車,或棹孤舟。窈窕以尋壑,亦崎嶇而經丘。木欣欣以向榮,泉涓涓而始流。羨萬物之得時,感吾生之行休。」とある。後者の義は、山水や宮殿の奥深いさま。

※佳人聞語発嬌嗔:美人は、(男性の)言うことを聞いて、なまめかしく怒りを現(あらわ)して。 ・聞語:(男性の)言うことを聞いて、の意。 ・発:現す。発する。(ある感情を)現す。「発嗔」(怒りを現す)、「発嬌嗔」(なまめかしく怒りを現す)。 ・嗔:〔しん;chen1○〕怒(いか)る。=瞋。

※不信死花勝活人:「(ウソ!)死んでいる花が生きている人に勝(まさ)るなんて、(あたしは)信じない。」 ・不信:信じない。 ・死花:死んだ花。「死」の対義語は後出の「活」。 ・勝:まさる。 ・活人:生きている人。「活」は:生きる。生存する。⇔死。

※将花揉砕擲郎前:花を揉(も)みつぶして、男性の前に投げつけて。 ・将:…を。…を以て。〔「將+名詞(賓語)+動詞」〕の構成。「將」は、賓語(目的語≒名詞(句)等)を動詞の前に押し出す働きをする。「以」や、口語の「把」に似た働きをする。中唐・孟郊の『再下第』に「一夕九起嗟,夢短不到家。兩度長安陌,
涙見花。」とある。 ・揉砕:〔じうさい;rou2sui4◎●〕もみつぶす。もみ砕く。 ・擲:〔てき;zhi4●〕投げる。投げつける。捨てる。なげうつ。

※請郎今日伴花眠:「あなた(=男性)、どうぞ何(なに)とぞ、今日、花をお供にして寝てくださいませんか。」 ・請:どうぞ。なにとぞ。相手に頼み勧める辞。また、請う。お願いする。頼む。動詞。ここは、前者の意。 ・請郎-:あなた(男性)どうぞ…ください。 ・伴:お供する。伴う。付き従う。お相手をする。また、連れ。伴侶。ここは、前者の意。 ・伴花眠:花をお供にして寝る。





◎ 構成について

韻式は「aaBBccDDEE」。韻脚は「雨語 房妝 好窕 嗔人 前眠」で、平水韻上声七雨(雨)・上声六語(語)、下平七陽(房妝)、上声十九皓(好)・上声十七篠(窕)、上平十一真(嗔人)、下平一先(前眠)。次の平仄はこの作品のもの。

●●●○○●●,(a韻)
●●○○○●●。(a韻)
○○●●●○○,(B韻)
●○●●●○○。(B韻)
●○○●○○●,(c韻)
○●●○○●●。(c韻)
○○○●●○○,(D韻)
●●●○◎●○。(D韻)
○○◎●●○○,(E韻)
●○○●●○○。(E韻)
2015.8. 7
     8. 8
     8. 9
     8.10
                               
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