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別院深深夏簟淸, 石榴開遍透簾明。 樹陰滿地日當午, 夢覺流鶯時一聲。 |
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夏意
別院 深深 として夏簟 清く,
石榴 開 くこと遍 く簾 を透 して明らかなり。
樹陰 地に滿ちて日 は午 に當 たり,
夢覺 むれば流鶯 時 に一聲 。
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◎ 私感訳註:
※蘇舜欽:北宋の詩人。1008年~1048年。字は子美。梓州銅山(現・四川省中江)の人。若くして蔭補により、任官。仁宗の景祐元年(1034年)の進士。後に、范仲淹に認められたが、反対派により弾劾され、蘇州に移住し、滄浪亭を造り、読書と作詩に没頭した。その詩は、雄志を述べる道をふさがれた感慨の述べて悲憤慷慨したものとなっている。
※夏意:夏のおもむき。夏のおもい。晩唐・杜牧の『即事』「小院無人雨長苔,滿庭修竹間疏槐。春愁兀兀成幽夢,又被流鶯喚醒來。」と趣が似ている。
※別院深深夏簟清:離(はな)れの建物は奥深く、夏物のたかむしろは、すがすがしく。 ・別院:別に建てた建物。離れ。 ・深深:ふかい。奥深い。奥深く。形容する語。「深」:深まり具合。動詞的な用法であり、「深深」とは、語感や意味の上で微妙な違いがある。北宋・欧陽脩の『蝶戀花』「庭院深深深幾許?楊柳堆煙,簾幕無重數。玉勒雕鞍遊冶處,樓高不見章臺路。 雨橫風狂三月暮,門掩黄昏,無計留春住。涙眼問花花不語。亂紅飛過秋千去。」
の第一句である。 ・簟:〔てん;dian4●〕竹の表皮や葦などを編んだ敷物。たかむしろ。むしろ。
※石榴開遍透簾明:ザクロの花は遍(あまね)く咲いて、簾(すだれ)を通してはっきりと見える。 ・石榴:〔せきりう;shi2liu2○○〕ザクロ。初夏に鮮紅色などの六弁花をつける。秋に球形の果実を結び、熟すと裂けて種子を現す。 ・開遍:あまねく開くの意。開くことあまねし。 ・透:とおして。すかして。 ・簾:すだれ。
※樹陰満地日当午:木蔭は地面一杯になって、太陽が真南にある正午で。 ・樹陰:木蔭。 ・満地:地面一杯に。 ・日当午:太陽が真南にある。 ・当午:〔たうご;dang1wu3○●〕(時刻で謂えば)正午、(太陽の位置で謂えば)真南。「午」は午(うま)の方角=南![]()
。清末・文廷式の『夜坐向曉』に「遙夜苦難明,他洲日方午。一聞翰音啼, 吾豈愁風雨。」
とある。
※夢覚流鶯時一声:夢から醒めた時、木から木へと飛び移って鳴くウグイスの鳴き声が、一声(聞こえた)。 ・夢覚:夢が醒める。 ・流鴬:〔りうあう;liu2ying1○○〕木から木へと飛び移って鳴くウグイス。また、鳴き声が流麗である。盛唐・李白の『春日醉起言志』に「處世若大夢,胡爲勞其生。所以終日醉,頽然臥前楹。覺來盼庭前,一鳥花間鳴。借問此何時,春風語流鶯。感之欲歎息,對酒還自傾。浩歌待明月,曲盡已忘情。」とあり、北宋・寇準の『春日登樓懷歸』に「高樓聊引望,杳杳一川平。野水無人渡,孤舟盡日橫。荒村生斷靄,深樹語流鶯。舊業遙淸渭,沈思忽自驚。」
とある。「流」:〔りう;liu2○〕あちこちと移る。劉言史『尋花』「遊春未足春將度,訪紫尋紅少在家。借問流鶯與飛蝶,更知何處有幽花。」
で、「飛蝶」とともに使い、「飛び移る…」の意で使われる。北宋・寇準の『夏日』に「離心杳杳思遲遲,深院無人柳自埀。日暮長廊聞燕語(語:名詞),輕寒微雨麥秋時。」
とある。
◎ 構成について
2015.6.10 6.11完 2016.5. 9補 |