Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye


     
                     柳永

望海潮



東南形勝,
三呉都會,
錢塘自古繁華。
煙柳畫橋,
風簾翠幕,
參差十萬人家。
雲樹繞堤沙。
怒濤卷霜雪,
天塹無涯。
市列珠璣,
戸盈羅綺競豪奢。


重湖疊巘清嘉。
有三秋桂子,
十里荷花。
羌管弄晴,
菱歌泛夜,
嬉嬉釣叟蓮娃。
千騎擁高牙。
乘醉聽簫鼓、吟賞煙霞。
異日圖將好景,
歸去鳳池誇。


******

望海潮
                 
東南の  形勝,
三呉の  都會,
錢塘  古
(いにし)へ 自(よ)り 繁華なり。
煙柳  畫橋,
風簾  翠幕,
參差
(しんし)たり  十萬の 人家。
雲樹   堤沙を 繞
(めぐ)る。
怒濤   霜雪を 卷き,
天塹  涯
(はて) 無し。
市は  珠璣を 列し,
戸は  羅綺を 盈
(み)たして  豪奢を 競ふ。


重なる湖 疊なづく巘は  清嘉なり。
三秋の  桂子,
十里の  荷花 有り。
羌管  晴れに 弄び,
菱歌  夜に 泛
(う)かぶ,
嬉嬉たり  釣叟 蓮娃。
千騎   高牙を 擁し、
醉ひに 乘じて   簫鼓を 聽き、 煙霞を 吟賞す。
異日   好景を 圖き將
(も)て,
鳳池に 歸去して  誇れかし。

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◎ 私感註釈


※望海潮:詞牌の一。詞の形式名。仙呂調に属する。この作品は、杭州の美を謳い上げている。

※東南形勝:中国東南にある地勢の優れている景勝地(の)。 *この作品は白居易『餘杭形勝』「
餘杭形勝四方無,州傍山縣枕湖。繞郭荷花三十里,拂城松樹一千株。夢兒亭古傳名謝,ヘ妓樓新道姓蘇。獨有使君年太老,風光不稱白髭鬚。」に基づいている。「東南」は、中国南部の杭州、唐代でいう余杭を指す。

※三呉都會:三呉地方の都会(である…)。 ・三呉:呉興、呉郡、會稽。江蘇、浙江一帯をいう。

※錢塘自古繁華:錢塘は昔から繁華なところである。 ・錢塘:銭塘江に面した都市。唐代の余杭。もっとも白居易は『憶江南』で、已に「江南憶,最憶是
杭州。」とうたっているが。現・浙江省杭州市。宋代、臨安といったところは、そのやや西に隣接している。

※煙柳畫橋:かすむが如く茂った柳に、色鮮やかな美しい橋。 *上片の杭州の表現は、市の西南にある山々の峰からの鳥瞰になっている。

※風簾翠幕:風を防ぐ簾や翠(みどり)の幕。 ・翠幕:みどり色のまく。婦人の部屋。

※參差十萬人家:十万もの人家がでこぼこと入り組んでいる。 ・參差:〔しんし;cen1ci1〕でこぼことしているさま。ここでは、錢塘を見渡して、何十万もの人家がでこぼこと入り組んださまをいう。

※雲樹繞堤沙:雲を衝くような高い木は、(カーブした)土手沿いに並んで繋がっており。 ・繞:ぐるぐるとめぐる。前出、白居易『余杭形勝』の「
郭荷花三十里,拂城松樹一千株。」に基づいている。

※怒濤卷霜雪:浙江潮の怒濤は、逆巻いて白く泡立って。 ・怒濤:浙江の潮のこと。銭塘江は、杭州湾→銭塘江→富春江と、その海岸と河口の形がラッパ状のため、激しく起こる逆流現象。白居易は『憶江南』で、「江南憶,最憶是
杭州。山寺月中尋桂子,郡亭枕上看潮頭。」また、清末の秋瑾は「黄河源溯浙江潮,衞我中華漢族豪。」

※天塹無涯:天然の塹壕、堀ともいうべき銭塘江が、涯てしなく続いている。 ・天塹:天然の塹壕。天然の要害。長江などの大河の比喩としても使われる。後世、毛沢東は、『調歌頭・游泳 』で「一橋飛架南北,
天塹變通途。」と使っている。

※市列珠璣:市場には宝石がたくさん陳列されていて。 ・市:市場。 ・列:ならべる。 ・珠璣:丸い宝玉や丸くない宝玉。多くの宝石類。 ・璣:〔き;ji1〕丸くない宝玉。

※戸盈羅綺競豪奢:店先には、いろいろな絹織物が、見事さを競い合っている。 ・戸:店。店舗。

※重湖疊巘清嘉:重なっている湖や山々は、すがすがしく麗しい。 ・巘:〔けん;yan3〕険しい山。峰。

※有三秋桂子:秋にはモクセイの花が咲き乱れ。 ・三秋:孟秋、仲秋、季秋にあたる、秋の全季節。 ・桂子:モクセイの花。江南の名物。秋に花が咲く。前出、『憶江南』の「山寺月中尋
桂子,郡亭枕上看潮頭。」に基づく。桂秋。「有三秋桂子,十里荷花」の「有」は、「三秋桂子」のみならず、「十里荷花」までの双方にかかる。「〔三秋桂子・十里荷花〕」になる。

※十里荷花:(ずっと見える限りの)彼方まで蓮の花(で、いっぱいだ)。前出の「繞郭
荷花三十里,拂城松樹一千株。」に基づく。

※羌管弄晴:笛の音が、晴れた空の下に漂い伝わってくる。 ・羌管:西域から伝わった笛の音。 ・弄晴:(笛の音が)晴れた空の下を漂い伝わってくる。「羌管 晴れを弄ぶ」と訓んでも、別段「羌管」が天候をもてあそんでいるのではないが、他動詞「弄」がくると使役形に訓むことが多く、それが一種の伝統ででもある。

※菱歌泛夜:ヒシの実を採取することを生業とする人たちの歌声は、夜間に響き渡り。「菱歌泛夜」は「羌管弄晴」の対句であり、「弄晴」に対して「泛夜」と表現している。

※嬉嬉釣叟蓮娃:たのしそうな漁師釣り人やハスの実採りの女性。 ・嬉嬉:たのしそうに。嬉々とした。 ・釣叟:釣り人。漁父。 ・蓮娃:ハスの実を採取することを生業とする女性。皇甫松の「採蓮子」にも「船動湖光秋(舉棹)。貪看年少信船流(年少)。無端隔水抛蓮子(舉棹),遙被人知半日羞(年少)。」と活写されている。「菱歌」「釣叟」「蓮娃」と、水郷の生活風景である。

※千騎擁高牙:多くの騎馬が牙旗を打ち立てて。杭州の太守孫何の威儀。儀仗。 ・高牙:牙旗のこと。天子や大将の立てる旗。旗の尖端に象牙の飾りがある。

※乘醉聽簫鼓、吟賞煙霞:ほろ酔いで、簫鼓の奏でる音楽を聴き、霞む風景を味わいながら。 ・煙霞:〔えんか;yan1xia2○○〕山水のよい景色。もややかすみ。朱放の『題竹林寺』「歳月人間促,
煙霞此地多。殷勤竹林寺,更得幾迴過。」、元・無名氏『漁歌子』に「一任孤舟正又斜,乾坤何路指生涯。抛歳月,煙霞,在處江山便是家。」と使う。

※異日圖將好景:他日この素晴らしい景色を画いて。 ・異日:他日。 ・圖將:画くことをもって。 ・動詞+將:〔古白話〕…もて。

※歸去鳳池誇:(「千騎擁高牙」の威儀の太守)が宮廷へ戻って、自慢なさるがよい。 ・鳳池:宮廷。

                  ***********





◎ 構成について

  双調。百七字 平韻一韻到底。韻式は「AAAAA AAAAAA」。韻脚は「華家沙涯奢 嘉花娃牙霞誇」で、詞韻第十部平声六麻(花霞家華沙牙嘉奢涯)。九佳(涯娃)。

   ○○●,
   ○○●,
   ●○○。(韻)
   ○●●○,
   ○●●,
   ●○○。(韻)

   ●●○○。
   ● ○●○●,

   ●○○。(韻)
   ○,
   ●●○○。(韻)


   ●○○。(韻)
   ● ○●●,
   ●○○。(韻)
   ○●●○,
   ○●●,
   ●○○。(韻)
   ●●○○。
    ○○●,
   ●○○。(韻)
   ●○○●,
   ●●○○。(韻)
  

2003.5.25
     5.26
     5.27
     5.28
     5.29完
2016.7.29補



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