可憐誰家婦, 縁流洗素足。 明月在雲間, 迢迢不可得。 |
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東陽谿中 贈答
憐む 可し 誰(た)が家の 婦(をんな)ぞ,
流れに 縁(そ)ひて 素(しろ)き足を 洗ふ。
明月 雲間に 在り,
迢迢(てうてう)として 得 可(べ)からず。
◎ 私感註釈 *****************
※可憐誰家婦:可愛らしいのは、どこの婦人だろうか。 ・可憐:愛すべき。可愛らしい。 ・誰家:どこの。 ・婦:おんな。
※縁流洗素足:渓流に沿った所で、白い足を洗っているのは。 ・縁流:谷川の流れに沿って。 ・洗:あらう。 ・素足:白い足。 ・素:白い。
※明月在雲間:澄みわたった月が、雲間にある(のと同様に)。 ・明月:澄みわたった月。 ・在:…にある。 ・雲間:雲の間。
※迢迢不可得:(その女性は、夜空の月と同様に)遥かに遠く高い存在なので、手にいれることができない。 ・迢迢:〔てうてう;tiao2tiao2〕遥か。遠い。高い。 ・不可得:得ることができない。
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◎ 構成について
韻式は「aa」。韻脚は「色識」で、平水韻でいえば入声十三職。次の平仄は、この作品のもの。
●○●●●,
○●○○●。(韻)
○○○●○,
○○●○●。(韻)
2004.2.24 |
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