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乗り物編タイトル
<文責:女王様1号>

※ 1ルーブル=4円弱(2004年7月当時) ※


◆ アエロフロート ◆

   ツアーではJALやウズベキスタン航空を使うものもあるけれど、やはり成田~モスクワ間を毎日往復しているのはアエロフロートのみ。 「サンクト・ペテルブルク建都300年」の昨年(2003年)には週1で成田~サンクト・ペテルブルク直行便もあったのだが、春頃直接AEROFLOT JAPAN(http://www.aeroflot-japan.com/)にメールで問い合わせてみたら、「今年は直行便は就航しません」とあっさり回答された。 日本からサンクト・ペテルブルクへの観光客を増やす狙いはないらしい(笑)。
 そんなわけで、帰りのサンクト・ペテルブルク→モスクワもアエロフロートの国内線に(モスクワ→サンクト・ペテルブルクの移動は寝台列車)。

 成田~モスクワ間は行きがボーイング767、帰りがボーイング777とごくフツーのジャンボジェット。 スチュワーデスがニコリともしない、という話も聞いていたが、実際には人それぞれで、かなりにこやかなおばちゃんスチュワーデスもいた
 機内アナウンスはロシア語・英語・日本語で行われ、「アーリガート、ゴゼマシタ」という挨拶を聞くたびに吹き出しそうになっていた女王様たちだったが、さらに免税品販売の案内では「コレカラ免税品ノ販売ヲ行ッテイタダキマス」というアナウンスがあり、「お客が売り子やるのかよ!」と思わずツッコミ。 多分、読み上げ用のアンチョコで「行います」と書かれるべきところが間違ってるんでしょうが…。
 機内食は予想を上回る美味しさ(もともと期待していなかったので嬉しい驚き)。特にデザートのケーキ類が甘過ぎなくてグー。 ヨーロッパの航空会社の機内食でも、頭痛がするほど甘いケーキなどに出会って一口でギブアップすることがあるが、アエロフロートのは酸味の利いたオレンジクリームだったりして、甘モノ嫌いな1号も問題なく食べられた。 何事にも原因を見つけたがる女王様たちは、モノ不足だった頃に砂糖を節約していた影響では?と考えてみたのだが、さて真相はいかに。 アエロフロートのTu-154M

 と、思ったより快適なアエロフロート最大の難点は機内の寒さと見た! 行きはなぜか離陸前に滑走路を移動している時が、帰りはシベリア上空飛行中、突然激寒状態に。 今回の旅行で最も寒かったのは、モスクワでもサンクト・ペテルブルクでもなく機内。 (^^; たとえ真夏であっても、機内持ち込み荷物に暖かいはおりモノは必需品です。
 しかし、アメニティ・キットの中に靴下が入っているので、足もとはこれでしのげる。 なお、このアメニティ・キットに入っているアイマスクには、「起こさないでください」「機内食の時に起こしてください」「免税品販売の時に起こしてください」というシールがセットでついており、このシールをアイマスクに貼って寝ろということらしい。 実際にやってる人は見かけなかったけど(笑)。
 爆睡している分には問題ないが、機内エンターテイメントの貧しさもちょっと改善してほしい。一応映画が上映されるのだが、イヤホンで聞けるのがロシア語 or 英語オンリー。 ナゾのロシアン・コメディ(赤の広場ロケあり)みたいな映画もやっていたけれど、内容がよくわからなかった。音楽チャンネルもあるにはあるが、何チャンネルがどのジャンルで何の曲を流す、というのが機内誌に書かれていない(と思う)。

 国際線はまずまずだということがわかったものの、さて国内線は? ロシアの国内線に関して囁かれるウワサについて、女王様たちの体験から検証してみると…

・離陸時に座席がバタバタと倒れる?
そんなことはありませんでした。ちょっと期待して見ていたのだが(笑)。ちなみに今回乗った国内線は、写真の「ツポレフ154M」という飛行機。

・パイロットが空軍出身なので操縦は上手い?
これに関しては知るよしもありませんが、写真からもわかるとおり、サンクト・ペテルブルク出発時に急激に天候が悪化してきたり、モスクワ上空もかなり厚い雷雲に覆われていたりしたのですが、めでたく無事離着陸できました。

・国内線は空港で荷物が荒らされる?
女王様たちは、日頃の行いの成果か(?)、荒らされずに済みました。復路の国内線の出発が1時間ほど遅れ、乗り継ぎの国際線もまた遅れたので、「ああっ、この間にも荷抜きが?!」と案じていたけれど、その形跡はまったくナシ。 むしろ、国内線のチェックイン時に、3号の赤いソフトスーツケース緑のチョークで思いっきり数字を書き込まれたことの方が大きな被害かも(笑)。 でも帰国後に2ちゃんねるのスレを見ていたら、我々とほぼ同時期にロシアに行ったツアーで1/4の人の荷物が荒らされていたそうだから、やはりラッキーだったんでしょう。
荷抜き対策で、ラッピングサービス(有料)というものがあるとガイドブックに書かれていたので、ネタとしてやってみよーかなーと思っていたのですが、ソレを発見したのがサンクト・ペテルブルクのカウンターでチェックインを済ませた後。 国内線チェックイン・カウンターの右手奥のところに、巨大サランラップを立てたような装置があり、スーツケースの上にビニールをクルクルと巻き付けていた。 値段は不明ですが、そんなにお高くはないハズなので、荷抜きが心配な人はゼヒ。気休めって感じもしますが。


◆ 赤い矢号 ◆

  赤い矢号外観  夜中、寝ている間にモスクワ~サンクト・ペテルブルク間を移動でき、朝から晩までフル活動な観光客(笑)には時間の節約になってウレシイ寝台列車。 現在では昼間に4時間半くらいで移動できるロシア版新幹線もあるのだが、ロシア人には両都市間の移動は寝台列車という考えが染みついているので、新幹線の方はあまり利用されていないとサンクト・ペテルブルクの現地ガイド・イリーナ2号も言っていた。
 そんな寝台列車の中でも最も有名なのが、今回女王様たちがモスクワ→サンクト・ペテルブルク移動で利用した赤い矢号(左上写真)。ロシア語で言うと「クラスナヤ・ストレーラ」。もちろん車体は赤い4人一室の2等寝台車と2人1室の1等寝台車があるのだが、今回は他人に気兼ねなく休むため、ちょっと割高な1等寝台をチョイスした。 一等寝台室内

 駅のホームで各車両ごとにいるおばちゃん車掌に切符を渡し、あらかじめ指定されている室内に入ってみる。1等とはいえ結構狭い(右上写真参照)。 ソファベッドの上に荷物を広げて着替えたりするときには、2人でうまく譲り合わないとぶつかる。スーツケースはソファベッドの下に収納可能。
 ソファベッドの上には枕2ヶ、枕カバー代わりの薄いタオル、そして「クラスナヤ・ストレーラ」の文字がデザインされた赤い洗顔タオル(新品ではなく使い回し)。寝るときに上に掛ける毛布のようなものはナシ。 テーブルの上には花が飾ってあったりして、一応おもてなし感も感じられる。
 そしてこの部屋、ドアを閉めると激暑! 窓は開かないし、ロシアなので当然エアコンなどという装置はない(暖房は入るのかもしれないが)。こりゃ掛けモノがないのも当然ね、と思っている間に23時55分の定刻通りモスクワを出発。
 だが、寝返り困難な幅のソファベッドに横たわっていると、列車の加速と共に今度はどんどん寒くなってきてブルブル状態に。 走りながらどこからか外気を取り入れているのだろうが、アエロフロートに続き、ロシアの乗り物は途中で寒くなるのがお約束なのか? ギブミー毛布! 慌てて荷物から出したカーディガンを羽織ったりして就寝。 それでも3号はここでバッチリ寝冷えしました。 (;_;) アエロフロートと違って気の利いたアメニティ・キットはないので、寝台車内でははおりモノに加えて靴下も必需品です。
 なお、途中に停車駅はないが、夢うつつの中で2回くらいしばらく停まっていたような覚えアリ。 朝食BOX外観&中味

 翌朝は6時半に起床。寝付いた頃はずっとうつらうつらしていて、なかなかよく眠れないわ~と思っているうちに爆睡していた模様(笑)。
 洗顔はトイレ内の「洗面台」で、というようなことをどこかで読んだ気がするが、洗面台といっても本当に手を洗うだけのモノで、これで顔を洗うのはちょっとキビシイ。 というわけで、メイク落としシートも必需品。ちなみにトイレは線路が見える方式なので、人家に近い駅出発直後&到着直前は使用禁止になる。
 朝食は料金に含まれているお弁当(左下写真、赤い矢号はこんな機関車ではない)。これは、昨夜おばちゃん車掌が切符を返しがてら、各個室に配っていったもの。 おばちゃん車掌は朝も「コーヒー or ティー?」と注文を取りに来たが、女王様たちは自前の粉末ほうじ茶持参だったので断った。この飲み物は料金に含まれているのかどうか不明。
グラスホルダー  お弁当ボックスを開けてみると、中はパン&バター・チーズ・スライスされたサラミ・小瓶に入ったイクラ・キットカット・フルーツヨーグルト・インスタントコーヒー&紅茶&砂糖&クリープと盛りだくさん(画像の上にマウスポインタを乗せてみてください)。 やっぱり、いきなり「イクラ」というのがロシアっぽさ炸裂である。
 食後にほうじ茶を飲もうと、1号は室内のテーブルに備え付けのグラスを持って、各車両の端にあるサモワール(ロシアン湯沸かし器)のところへ行ってみた。 が、少なくともこの車両にあったのはサモワールではなく、一昔前の会社の給湯室にありそうなゴツい給湯器だった。 イメージと違うけどまあいいか、とお湯を入れようとしたが、おばちゃん車掌に止められる。厚手のグラスだからお湯入れても大丈夫かと思ったんだけど、やっぱりダメ? と思ったら、おばちゃん車掌は車掌室の中にある戸棚から真鍮製(?)のグラスホルダー(右下写真参照)を出し、それにグラスをセットしてお湯を入れてくれた。見かけによらず(失礼)親切だ~。 (^^)

 こうして朝ご飯も食べ終わったところで、キッチリ定刻にサンクト・ペテルブルク着。所要約8時間。時間に関してはアエロフロートよりもはるかに正確でした。室内から鍵をかけられるので、荷抜きの確率も低いだろうし。 ロシア人とのコミュニケーションを楽しみたいという人なら2等寝台(二段ベッド×2)もいいかも。ただし、男女別とかはまったく考慮しないで割り振られるらしい。


◆ 地下鉄 ◆

   モスクワでもサンクト・ペテルブルクでも、観光客が1番利用しやすいのはやっぱり地下鉄でしょう。トラムやバスも使いこなせれば便利なんだろうけど、日本で出ているガイドブックレベルでは地下鉄までしか詳細な路線図が載っていないし。
 もちろん女王様たちも、観光初日から地下鉄乗りまくり。あまり混んだ時間帯に乗らなかったせいもあり、車内で怪しげな集団などに囲まれることもなかった。

 女王様たちが目にした範囲でのロシアン地下鉄の特徴(?)は、

・構内の表示はロシア語オンリー
英語表記はいっさいナシ。ロシアで地下鉄を乗りこなそうと思ったら、何はともあれキリル文字を読めることが必要条件です。
文字さえ読めれば、それぞれのホームにそっち方向の停車駅名が全部書いてあるし、複数の路線が乗り入れている駅でも「~駅への乗り換え(路線が異なると駅名も変わるパターンが多い)」という表示があるし、「町への出口」という表示の下には付近の建物や通りの名前が書いてあるし、案内自体は決して不親切ではないと思う。

モスクワ地下鉄1回券 ・改札を入ってから出るまで、距離や路線にかかわらず同一料金
1乗り分の料金は、モスクワは10ルーブル、サンクト・ペテルブルクは8ルーブルでした。どちらもガイドブックに書かれていたのより値上がり(それは地下鉄料金に限ったことではないが)。
1回券は、モスクワでは磁気テープが貼られた紙チケット(右写真参照)で、自動改札を通るときに手元に戻ってきたけれど、サンクト・ペテルブルクではジェトン(専用コイン)で、改札を入るときに回収されてしまう。

・駅の中が芸術的に装飾されている
特にモスクワ。改札ホールの天井やホームの壁に絵が描かれていたり、彫刻やブロンズ像が飾られていたり。ソビエト時代に作られた駅がほとんどなので、テーマは「労働!」「団結!」「収穫!」的なもの。 路線によって装飾スタイルが統一されているということはなさそうだった。詳細は下記の写真参照。
前述のとおり、改札から外に出なければ同一料金なので、時間があれば各駅でホームに降りて見比べてみるのも楽しそう。

・エスカレーターが深くて速い
冷戦時代にはシェルターとして想定されていた、という話もあるが、モスクワもサンクト・ペテルブルクも川の下を通さなければならないので深くなっている面もあると思う。
女王様たちが利用した中で1番長いエスカレーターは写真6のもの。スキー場のリフトのように、照明灯に下から1、2…とナンバーが書かれていて、1番上は33だった。照明灯間の距離は3mくらい。 照明灯はこの写真のようなトーチ型?の他、蛍光灯を縦にしたようなタイプもあったが、天井にはいっさい照明がないので薄暗かった
エスカレーターのところどころにスピーカーがあり(写真6の手前に写っている)、そこから構内放送が聞こえてくる。

・駅の建物がよくわからない
日本の地下鉄のように階段状の入口になっているところもあるけれど、たいていは外から見たらなんだかわからない地味な建物やデパート?の一角にあり、ドアも閉まっているため、地下鉄の「M」マーク(モスクワは、サンクト・ペテルブルクはに注意しないと見つけにくい。 閉鎖的になっているのは、冬場の寒さ対策か?
さらにその閉まっているドアが入口と出口で完全に分かれていて、間違って出口の方から中に入っても改札にたどりつけなくなっていたり。

・本数はかなり多い
1~2分に1本はやってくるので、慌てて駆け込んだりしなくても大丈夫。

・ホームドアがある駅も(サンクト・ペテルブルクのマヤコフスカヤ駅)
線路に面した側が天井から床まで全面壁になっていて、その中に頑丈そうなドアがある形なので、電車が来たかどうかはまったく見えず、音でしか判断できない。
そしていざホームドアが開いたら、停止した電車のドアの位置がかなりズレていて、出入りできる幅が半分くらいに狭くなっていたことがあった(笑)。

・車内に吊革ナシ
これはどちらの都市のどの路線のどの車両でもそうだった。ロシア人はデカいからそんなもの必要ない?
車内の照明は写真7のような丸型が多く(通常の蛍光灯型もあったが)、昔の銀座線のように駅の手前で必ず1回消える

・まだまだ拡張中
車内に貼られている路線図を見たらガイドブックの路線図には出ていない路線ができていたり、工事中(計画中?)の新路線も書かれていた。
既存の路線にも新駅ができていたりして、モスクワで1番最初に地下鉄(3号線)に乗ろうとしたときも終点の駅名が違っていたため、「これで合ってるのか?」としばし悩んでしまった(実際には、それまでの終点駅の先に新駅ができていた)。
最新の情報は、ガイドブックではなく、下の地下鉄フォトギャラリーのところにある公式サイトで確認する方が確実でしょう。
ってとこでしょうか。

◆ 地下鉄フォトギャラリー ◆

~ モスクワ編 ~ モスクワ地下鉄HP(http://www.metro.ru/)

プローシャチ・レヴォリューツィイ駅のタイル壁画 プローシャチ・レヴォリューツィイ駅ホームのブロンズ像
1) プローシャチ・レヴォリューツィイ駅の壁画 2) プローシャチ・レヴォリューツィイ駅ホームのブロンズ像
キエフスカヤ駅ホームの壁画 その1 キエフスカヤ駅ホームの壁画 その2
3) キエフスカヤ駅ホームの壁画 その1 4) キエフスカヤ駅ホームの壁画 その2
スモーレンスカヤ駅ホームの彫刻  
5) スモーレンスカヤ駅ホームの彫刻  

~ サンクト・ペテルブルク編 ~ サンクト・ペテルブルク地下鉄HP(http://www.kommet.spb.ru/)
プローシャチ・レーニナ駅のエスカレーター 1号線車内
6) プローシャチ・レーニナ駅のエスカレーター 7) 地下鉄1号線車内
プローシャチ・ヴァススターニヤ駅ホーム  
8) プローシャチ・ヴァススターニヤ駅ホーム  

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