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サンクト・ペテルブルク観光編タイトル
<文責:女王様1号>

※ 1ルーブル=4円弱、$1=約112円(2004年7月当時) ※


◆ 4日目前半 ◆
 
 7月28日、水曜日。赤い矢号での一夜が明け、車内で朝食を済ませた朝8時ちょっと前、ほぼ定刻にサンクト・ペテルブルク(の「モスクワ駅」)に到着。 ホームにいた送迎係のにーちゃんにバウチャーを見せ、駅外で待機していたタクシーまで連れて行ってもらう。ホテルまでは駅からクルマで20分程度だった。
 タクシーがホテルに着くと、運ちゃんが「この後、市内観光だよね。 9時半にロビー集合だよ。」と言う。…どうもこの「市内観光」という言葉が引っかかるのだが。 ここでも我々が頼んであるのは市内観光Aプラン=エルミタージュ美術館見学であって、いわゆるサンクト・ペテルブルク市内巡り(市内観光Bプラン)ではない。 しかし、モスクワ初日のこともあるし…。
ロストラの燈台柱  一抹以上の不安を感じながらも、とりあえず即座にチェックインできた部屋でシャワーを浴びたりしていると、9時半ちょっと前に現地ガイドさんから部屋にTELがかかってきたので急いでロビーへ。 サンクト・ペテルブルクの現地ガイドさんも若い女性で、やはり名前がイリーナ。なので、こちらはイリーナ2号と命名した。
 そして気に掛かっていた「市内観光」の件を聞いてみると、やっぱりエルミタージュ見学ではなくサンクト・ペテルブルク市内観光にされていたー! (-_-# これはもう、JICとインツーリストの間で市内観光A/Bプランに対する共通理解ができていないとしか思えない。
 またもやスケジュール表を見せつつ事情を説明すると、イリーナ2号も「エルミタージュ見学が入ってないからおかしいなーと思ってたんですよ~」と言って会社にTELしてくれた。が、すぐには日本と連絡がつきそうにない。
 結局イリーナ2号の意見に従って、自腹でチケットを購入してエルミタージュに入り(ガイドはしてもらえる)、帰国後にチケット代を返金してもらうことにした。 さらに、「今すぐエルミタージュに行くと開館直後で混んでますから、簡単に市内観光してからにしませんか?」という親切な提案も。 モスクワに続き、市内巡りも楽しめて1粒で2度美味しい…?(あくまでポジティブ・シンキング) 青銅の騎士像

 というわけで、ホテル前にある巡洋艦オーロラ号(10月革命の最初にエルミタージュに向けて発砲した巡洋艦で、現在は博物館。日露戦争時に日本海海戦にも参加)を車窓からチラ見しながら、急遽市内巡りに出発。 まずはさまざまな博物館が集まっているヴァシリエフスキーの岬へ。ここからは左前方にはペトロパブロフスク要塞が、右前方にはエルミタージュ美術館が見渡せる。突端にはロストラの燈台柱(右上写真)なるものが立っている。
 ここで、どういうキッカケかは忘れたが、バレエの話になったのである。日本の旅行会社を通して買うとバカ高いので、できれば現地でチケットを購入できないかと考えていた1号は、すかさずイリーナ2号に今夜のバレエチケットが取れないか聞いてみた。 イリーナ2号が会社にTELすると、「SWAN LAKE(つまり『白鳥の湖』)」@アレクサンドリンスキー劇場のチケットがあるという。席は平土間の前から5列目で$54.5。決して安くない金額だが、日本から買うのに比べれば半額くらい。 直接窓口に行けばもっと安いかもしれないが、確実に席があるかわからないし…と購入を決意。チケットはエルミタージュ見学終了頃に美術館まで届けてもらうことになった(手数料$1、自分でチケットオフィス?に取りに行けば不要。ホテルなどにも届けてくれるらしい)。

 ひょんなことから懸案事項を片づけて、さらに市内観光は続く。イサク聖堂は、外から見ると単にゴツくてデカいだけなのだが、「非常に素晴らしいので絶対に中も見てください!」とイリーナ2号に念を押される。
 次に立ち寄ったのは、青銅の騎士像(左上写真)。その正体はピョートル大帝。 日本で1番メジャーなロシア皇帝というとやはりエカテリーナ2世だろうと思うのだが、イリーナ2号の話しぶりを聞いていると、サンクト・ペテルブルクの人々はこの街を建設したピョートル大帝にかなり親しみを抱いている様子。 造船技術を自ら学ぶために身分を隠してスウェーデンに潜入していた、などというエピソードも好感度アップの元か? 青銅の騎士像より小さいが、船大工姿のピョートル大帝像(笑)というものもネヴァ川岸にある。
 さらに、グリバエードフ運河沿いにあるスパース・ナ・クラヴィー聖堂も遠くから見物。寒色系のネギ坊主屋根の教会である。 「イサク聖堂に比べれば中は大したことない(イリーナ2号談)」そうだが、こちらも明日自力観光の予定。 エルミタージュ外観

 そして11時過ぎに、いよいよエルミタージュ(http://www.hermitagemuseum.org/html_En/index.html)へ。エルミタージュとは「隠れ家」という意味。 皇帝が住んでいた「冬の宮殿」と、旧エルミタージュ・新エルミタージュ・小エルミタージュなど4つの建物が廊下で結ばれた建物で、ご覧の通り(左中写真)非常に横長くて、壁は微妙なシブ薄緑色をしている。 ガイドは行列に並ばずにチケットを買えるそうなので、イリーナ2号にお金を渡して買ってもらう。入場料350ルーブル+カメラチケット100ルーブル

 1階はまったく見ずに(原始文化などの展示らしい)、入口近くにある豪華な大使の階段(写真1、ここが1番混み合っている)を上って冬の宮殿の2階へ。 ピョートル大帝の間(ピョートル大帝夫妻の肖像画がある)、紋章の間(天井と床にまったく同じ模様が描かれている)、玉座の間(写真2)、パビリオンの間(写真3)などを見て回る。 パビリオンの間の見どころは、床のモザイクと孔雀時計(写真4、ねじ巻き式で動いて時を告げる…らしい)なのだが、残念ながら時計は週1回しか動かしてくれない模様。 また、パビリオンの間の外は空中庭園になっている。「空中」なんていうと空に浮かんでそうだが、単に小エルミタージュの建物の屋上が庭園になっているというだけのこと。

 さらに先へ進んで新エルミタージュに足を踏み入れると、そこはイタリア絵画エリア。ラファエロの回廊(写真5)と呼ばれる通路は全体が絵画で飾られているが、実はこの中にホンモノのラファエロの絵は1枚もない(笑)。
 写真6&7は「花を持つ聖母」「 リッタの聖母」by ダヴィンチ。左の方が若いときの作品(確か20代)、というのが何となくわかる。
 写真8が「聖家族」by ラファエロ(ホンモノ)。この絵は別名「ヒゲの無いヨセフ(という絵は珍しいらしい)」と言われているのだが、ヨセフが悲しそーな顔をしているのは、イエスが自分のタネじゃないのを知っているからだとか(爆)。
 イタリア絵画の次にここのフロアで場所を占めているのはオランダ絵画。写真9は「フローラ」by レンブラント

 新エルミタージュの3階は近現代の西欧絵画が見どころ。モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、ピカソなど豪華ラインナップの絵が同じ部屋の中にひしめき合っていたりする。
 ここでバレエチケットを届けてもらう時間となり、イリーナ2号がエルミタージュの入口まで戻ってチケットを引き取りに行っている間、女王様たちは部屋の中の椅子に腰を下ろして休憩。 時間つぶしにガイドブックを見ていると、3階の展示物に関して1つの疑問が。「マチスの大作『ダンス』は見逃すな」と書いてあって写真も載っているのだが、どうもその絵が見当たらない。マチスの他の絵はあったが…。
 チケットを持って戻ってきたイリーナ2号に聞いてみると、「『ダンス』は今、企画展で特別展示されているので、見ることはできますが、写真は撮れません」とのこと。 仕方ないので?代わり「ダンス」と対になってるっぽい「ミュージック」という絵(写真10)の前で写真を撮ってみた(「ダンス」もその企画展の部屋で見ることは見た)。

 ここまでかなり駆け足での見学だったが、それでも既に午後2時。エルミタージュを隅から隅までずずずい~っと見ようと思ったら、1週間くらい日参しないと無理だろう。 女王様たちのように時間がない場合は、事前に調査しておいてピンポイント爆撃するか、やはりガイド付きでないと、効率的に見て回るのは難しい。
 イリーナ2号と別れ、館内のカフェでピザ100ルーブル&スプライト50ルーブルの昼食にありついたときには、エルミタージュの前に市内巡りをしたことなどもう遠い昔のように感じた(笑)女王様たちだった。


◆ エルミタージュ美術館ギャラリー ◆

大使の階段 玉座の間 パビリオンの間 孔雀時計 ラファエロの回廊
1.大使の階段 2.玉座の間 3.パビリオンの間 4.孔雀時計 5.ラファエロの回廊
 
花を持つ聖母 by ダヴィンチ リッタの聖母 by ダヴィンチ 聖家族 by ラファエロ フローラ by レンブラント ミュージック by マチス
6.「花を持つ聖母」 7.「リッタの聖母」 8.「聖家族」 9.「フローラ」 10.「ミュージック」

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