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Terminator: Die Erlösung

McG

2009 USA/D/UK/I 115 Min. 劇映画

出演者

Christian Bale
(John Connor - 反乱軍のリーダー)

Sam Worthington
(Marcus Wright - 死刑囚)

Helena Bonham Carter
(Serena Kogan - 本人も病気の医師)

Moon Bloodgood
(Blair Williams - 反乱軍のパイロット)

Anton Yelchin
(Kyle Reese - ジョンの父親)

Jadagrace
(Star - 唖の少女)

Bryce Dallas Howard
(Kate Connor - ジョンの妻)

Common (Barnes)

Jane Alexander (Virginia)

Michael Ironside
(Ashdown - 反乱軍将軍)

Ivan G'Vera
(Losenko - 将軍)

Linda Hamilton
(Sarah Connor - ジョンの母親、声の出演)

見た時期:2009年5月

忙しくて書いている暇が無かった作品ですが、公開当日に見ました。直後から滅茶苦茶忙しくなり、記事にする暇がありませんでした。あの時出していれば最新情報になったのですが。

その代わり早々と情報が流れるのでここに「ネタバレあり」と記さなければ行けなかったかも知れません。一部ネタがばれます。

★ 州知事は活躍しない

ターミネーター 3の頃、主演予定のアーノルド・シュヴァルツェンエッガーがカリフォルニア州知事に当選してしまい、東国原知事と同じような立場になって、芸能活動はストップしてしまいました。東国原知事の方が後から当選したのですが、2人ともまじめに公務に励み、芸能活動は落選するまでお預けのような状態になっています。その上2人とも州民、県民の人気は上々なので再選される可能性があり、また国会からお呼びがかかる可能性もある・・・などと思っていたら、東国原知事の方は早速そういう話になっています。

シュヴァルツェンエッガーの方も現職大統領に外国出生疑惑の噂が流れるような時代なので、外国生まれの人でも貢献度が高ければ大統領になってもいいなんていう話が出ないとも限りません。そうなるとアーニー君もこの先も当分芸能活動などやっている暇が無さそう。カリフォルニアだけでも十分忙しい人ですし。

前回のターミネーターではT-800型で出ていたシュヴァルツェンエッガー氏ですが、今回はさすがに主演はやっていません。色々トリックを使って彼の顔だけはチラッと見られます。

★ 大人になったコナー君

ターミネーター 4は荒廃してしまった地球が舞台。これまで赤ん坊、少年、青年として扱われて来たジョン・コナーが中年の汚らしいおっさんになって出て来ます。

中年のコナーがこういう状態だろうという話は3作の会話に出て来ていましたが、それを具体的に映像化するとクリスチャン・ベイルの姿になるというわけです。

今超忙しいので詳しいストーリーは割愛しますが、コナーは3作で語られていた通り、反乱軍のリーダー的存在。地球のほとんどが核汚染され、町も破壊され尽くし、砂漠のような状態の大地に壊れた機械が放り出してあるような状態です。

★ 人間扱いは期待するだけ無駄

それでもまだ生存している人間を狩り出すためにロボットが毎日動員され、見つけると捕獲。人間は動物扱いです。捕まると生体実験の材料にされてしまうらしいので、逃げる方も必死。相手は金属製のロボットなので話し合いの余地もありません。機動性の高い乗り物でやって来て文字通り捕獲。

マトリックスの未来がいいか、ターミネーターの未来がいいか、比べるのも楽ではありません。

★ 脇に回った主役

クリスチャン・ベイルはちょっとエキセントリックな俳優ですが、使われ方がいいと作品は上手く出来上がるのではないかと思っています。今回はベイルの評判が比較的悪く、実はロボットだったというマークスを演じているサム・ワーシントンの方が評判がいいです。

私自身もそういう印象を受けましたが、「だからどうだ」と聞き返したいところです。ベイルは全部で3本契約したとのこと。となると1作目から彼があまり前に出ると後が続かない可能性があります。今回の彼の役目はこれまでの3作を見ている人に対して、「コナーは大きくなって今こんな事をやっているんだ」ということを示すことと、ゲストを立てることではないかと思ったりしました。そう考えるとベイルは邪魔にもならず、物足りないということも無く、こんなところでいいのではないかという気がしました。

サム・ワシントンはなかなかいい役を貰い、本人もできるだけその得な役を生かしています。ショーン・ビーンと似ているなと思いましたが、実際ショーン・ビーンと取り替えても大丈夫だったかも知れません。

★ せっかくいい材料が揃っていたのに

責任をベイルに押し付けるつもりはありませんが、せっかくいい材料が揃っていたのに全体は湿った花火のようでした。あと僅かなところでドラマになり得るところがドラマになっておらず、驚愕の事実もそれほどのインパクトが画面に出て来ません。

私が惜しいと思ったのはコーガン医師とライトの関係の使われ方。冒頭何やら取引があり、死刑囚として処刑される寸前のライトと癌の末期で既に顔にもその様子がありありと表われているコーガン医師の間で契約が結ばれます。「死後死体を利用してもいい」という契約なので、時が経ってライトが再生します。

現実の世界では顔を移植したりするような時代に入っていますから、何かを移植して、ライトのそっくりさんが未来に現われてもおかしくありません。しかし話はそういう風には進まずイノセンスの方向に進みます。イノセンスはなかなか深い面もあり、いい作品だと思いますが、ライトについてもそういう風に持って行くことが可能です。演じているワーシントンには十分それを演じる力があり、本人もその線に沿って深みのある演技をしようとの努力が見られます。それでも何かがちぐはぐで、せっかくのインパクトが欠如しています。色々な事実を伏せておいて、後で示すタイミングが悪いのではないかと思います。

もう1つ惜しいと思ったのは荒廃ぶりの描写。ターミネーター 4は最初から最後まで暗い、ただひたすら暗い作品です。なので見ているとだんだん嫌になって来ます。暗い荒廃した世界を描くのはいいですが、どこかでちょっと現代を映すとか、ほんの僅か慰めのあるシーンを出すとかして、観客が比較できるようにすればいいのにと思いました。ターミネーター 4はメリハリが無く、ずっと暗いままでした。

★ 時間がごちゃごちゃ

未来からロボットが送り込まれて来たり、過去から未来に死刑囚が送り込まれて来たりするので、時間がごちゃごちゃになります。

結婚しているジョン・コナー夫妻(前作の元同級生ニック・シュタールとクレア・デーンズ)は30代後半か40代ぐらいなのですが、1985年生まれのジョンの父親であるカイルはターミネーター 4では同じ時期に存在しながらまだ小学校ぐらいの年齢。1990年代などに少年、青年だったジョンが2018年あたりの未来では中年になっているのですが、その親父さんのカイルがまだ子供なのです。

カイルは(私たちから見ると)未来生まれで、反乱軍内ではジョンの部下。志願して、ジョンの母親に当たるサラがまだ若い女性の時代の過去に出かけます。そこでサラが妊娠してジョンが生まれるのですが、カイルは未来に戻れず死んでしまいます。ジョンはスカイネットにとって邪魔な存在になることがすでに誕生前から分かっているという人物。それならいっそジョンの誕生を阻止してしまえということで、スカイネットはサラの暗殺計画を練っていました。そのサラを護るためにカイルが反乱軍側から過去に送り込まれていました。

ジョンが生まれるためにはカイルとサラが同時に同じ場所にいることが必要。そのサラを生存させ続けるためには反乱軍側の誰かが未来から過去に行ってサラを殺そうとする要素を取り除かなければ行けないというややこしいストーリーです。しかも回を変えるごとに別な俳優が演じているので、見ているとごちゃごちゃになってしまいます。

そしてターミネーター1から3を見ずにいきなり4だけを見るとこれまた話がさっぱり分からないようなことになります。

普通ハリウッドではシリーズ物で中の1本だけを見てもそれなりに話が分かり、楽しめるものですが、ターミネーターはそういうわけには行きません。じゃ、ってんで1から3を見ると、4との差に驚きます。

ま、混乱を避けるためには1から順番に見るしかありません。で、すっかりマーケティングの戦術に乗せられるといった次第。

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