映画のページ
1999 USA 136 Min. 劇映画
出演者
Keanu Reeves
(Thomas A. Anderson/Neo - 会社員、ハッカー)
Laurence Fishburne
(Morpheus - マトリックス抵抗勢力)
Carrie-Anne Moss
(Trinity - マトリックス抵抗勢力)
Joe Pantoliano
(Reagan/Cypher - マトリックス抵抗勢力)
Marcus Chong
(Tank - マトリックス抵抗勢力)
Matt Doran
(Mouse - マトリックス抵抗勢力)
Belinda McClory
(Switch - マトリックス抵抗勢力)
Julian Arahanga
(Apoc - マトリックス抵抗勢力)
Anthony Ray Parker
(Dozer - マトリックス抵抗勢力)
Hugo Weaving
(Smith - 抵抗勢力を潰しにかかるエージェント)
Paul Goddard
(Brown - 抵抗勢力を潰しにかかるエージェント)
Robert Taylor
(Jones - 抵抗勢力を潰しにかかるエージェント)
Gloria Foster
(預言者)
Fiona Johnson
(赤い服の女性)
見た時期:1999年6月
映画のページ
2003 USA 138 Min. 劇映画
出演者
Keanu Reeves
(Thomas A. Anderson/Neo - 会社員、ハッカー)
Attila Davidhazy
(Thomas A. Anderson - 12才)
Montaño Rain
(Thomas A. Anderson - 8才)
Austin Galuppo
(Thomas A. Anderson - 4才)
Nicandro Thomas
(Thomas A. Anderson - 2才)
Laurence Fishburne
(Morpheus - マトリックス抵抗勢力)
Carrie-Anne Moss
(Trinity - マトリックス抵抗勢力)
Harry J. Lennix
(Lock - 抵抗勢力の司令官)
Jada Pinkett Smith
(Niobe - マトリックス抵抗勢力、モルフェウスの元恋人、現在ロックの恋人)
Anthony Wong
(Ghost - ホーバーのパイロット)
Harold Perrineau Jr.
(Link - マトリックス抵抗勢力)
Nona M. Gaye
(Zee - マトリックス抵抗勢力、リンクの恋人)
Alima Ashton-Sheibu
(リンクの姪 - マトリックス抵抗勢力)
Joshua Mbakwe
(マトリックス抵抗勢力、リンクの甥)
Hugo Weaving
(Smith - ネオを追うエージェント)
Daniel Bernhardt
(Johnson - ネオを追うエージェント)
David Kilde
(Jackson - ネオを追うエージェント)
Matt McColm
(Thompson - ネオを追うエージェント)
Adrian Rayment
(抵抗勢力を潰しにかかるエージェント)
Neil Rayment
(抵抗勢力を潰しにかかるエージェント)
Gloria Foster
(預言者)
Sing Ngai/Collin Chou
(Seraph - 預言者の護衛)
Helmut Bakaitis
(マトリックスの上位プログラム - マトリックスの設計と下位プログラムの管理担当)
Lambert Wilson
(Merovingian - マトリックスの下位プログラム、データーベース担当)
Monica Bellucci
(Persephone - マトリックスの下位プログラム、エンターテイメント担当)
Randall Duk Kim
(マトリックスの下位プログラム、暗号解読担当)
Nathaniel Lees
(Mifune - 抵抗勢力の戦士)
Tory Mussett
(レストランの美人)
見た時期:2004年4月
映画のページ
2003 USA 125 Min. 劇映画
出演者
Keanu Reeves
(Thomas A. Anderson/Neo - 会社員、ハッカー)
Laurence Fishburne
(Morpheus - マトリックス抵抗勢力)
Carrie-Anne Moss
(Trinity - マトリックス抵抗勢力)
Harry J. Lennix
(Lock - 抵抗勢力の司令官)
Jada Pinkett Smith
(Niobe - マトリックス抵抗勢力、モルフェウスの元恋人、現在ロックの恋人)
Anthony Wong
(Ghost - ホーバーのパイロット)
Harold Perrineau Jr.
(Link - マトリックス抵抗勢力)
Nona M. Gaye
(Zee - マトリックス抵抗勢力、リンクの恋人)
Nathaniel Lees
(Mifune - 抵抗勢力の戦士)
Hugo Weaving
(Smith - 抵抗勢力を潰しにかかるエージェント)
Kevin Michael Richardson
(Deus Ex Machina - マトリックス全体をカバーする最上プログラム)
Henry Blasingame
(Deus Ex Machina (声) - マトリックス全体をカバーする最上プログラム)
Helmut Bakaitis
(マトリックスの上位プログラム - マトリックスの設計と下位プログラムの管理担当)
Lambert Wilson
(Merovingian - マトリックスの下位プログラム、データーベース担当)
Monica Bellucci
(Persephone - マトリックスの下位プログラム、エンターテイメント担当)
Bruce Spence
(Trainman - マトリックスの下位プログラム、インターフェース担当)
Mary Alice
(預言者)
Sing Ngai/Collin Chou
(Seraph - 預言者の護衛)
見た時期:2004年4月 DVD
マトリックスを3本見ました。疲れました。
1本目はおもしろいと思いました。斬新なアイディアもあり、キアヌ・リーヴスが長年のスランプ から抜け、魅力を発揮し、フーゴ・ウィーヴィングも個性を発揮し、他の映画から真似をされたりパロディーが出て来たりと人気上昇。で、マトリックス リローデッド、マトリックス レボリューションズに期待していました。
ところが聞こえて来るのは悪い評判ばかり。プロモーションにスタッフ、キャストががんばっているにもかかわらず、巷からは「マトリックス リローデッドは気が緩んだのか、 おもしろくなかった、マトリックス レボリューションズに期待しよう」という声が聞こえ、マトリックス レボリューションズの時には「ロード・オブ・ザ・リングがどんどん良くなったのに、マトリックスはどんどん悪く なった」という話を聞きました。それで映画館に行くのは止め、DVD にしました。
DVD にはそれぞれ1枚スペシャルがついているのですが、時間切れで全部を見ることはできませんでした。急いで返さないと超過料金。マトリックス リローデッドとマトリックス レボリューションズでは話が複雑になり過ぎ、結局ストーリーを追う のが精一杯。私も巷の評判と同じく失望しました。
★ 適材適所 キアヌ・リーヴス
キアヌ・リーヴスはかなりがんばっています。彼の良いところは驚いた時には驚いた顔、戸惑った時には戸惑った顔が自然に見える点。彼は3作を通じて驚きっぱなしという役なのですから、この際じっくりと驚いていただきましょ う。新しい事態に直面するたびに驚き、迷い、悩み、やって見てうまく行く、しかし何事にも不安で、自信を持って堂々とという事ができない役です。そのあたりを良く理解して演じていました。パッションのイエス・キリストより上手に悩んでいました。それだけでなく、時々ユーモアのセンスも感じさせま す。台本に書いてあったから演じたというだけでなく、ふわっと軽いユーモアが出せる人なのだなあと思いました。これからはコメディー稼業に励んで、いずれ は《キアヌ・リーヴスはコメディーに向くか》のコーナーにも登場してもらいたいです。マトリクックスは極超大作で、本人が死んでも彼の名前が映画史上に残るような作品ですから、アンダーソン役にリーヴスが固定されてしまう危険はあります。その前に JM に出演したりと SF の準備もしてありましたからね。しかし私はリーヴスの SF、アクション以外の演技も見てみたいです。(後記: 超有名になる前、アホを売り物にしたコメディーに出演。その続編が2年後に作られ、その3年後にスピードで第1次ブレーク。その5年後にマトリックスで第2次ブレーク。コメディーの割合が減って行くのですが、最近宗旨替え、先祖帰りしたようで、アホ・コメディーの2つめの続編を作って、今度こそはラジー賞受賞を狙う様子。これまで6回ノミネートされていますが、まだ受賞には至っていません。 2012年記)
★ 2つのタイプのアクション
評判のアクションと言えば、長身を生かして宙返りしたり、手足をばたつかせてがんばっています。彼とキャリー・アン・モスはどちらかと言えばダンス 風の振り付け、フーゴ・ウィーヴィングとローレンス・フィッシュバーンは戦い風の振り付けになっていて、2通りの楽しみ方ができます。この戦いのシーンがマトリクックスで大評判になり、他の映画は真似をしまくっていました。真似をされるということは元ネタの方は大成功ということです。
★ ミステリアスなバーチャル世界、本当に起きた世界の事件
日常生活からいきなりバーチャルな世界に飛び込む羽目になるトーマスの運命というのもハラハラドキドキの演出で、ミステリー性が大いに発揮され、私 は続編に大きな期待を寄せていました。ですから話が続編でどんどん勝手な方向に行き、「お前は選ばれた奴だ」とそればかりを強調する演出に変わり、これは何かグルの絡んだイデオロギーか宗教映画なのかと目を白黒。しかしよく考えてみるとコンピューターのソフトが生存を賭けて戦わされているだけの話です。「ここで xxx でないと次のバージョンアップの時に入れてやらないぞ」という状況を作り上げ、「お前たちの運命は風前のともし火なのだ、従わなければ消されるのだ、従順になれ、条件に納得しろ」とメッセージを押し付けられる私たちはいい迷惑です。
マトリクックスができた後に911事件が起き、ヘリコプターがビルに衝突、呑み込まれて行くシーンが、アメリカの高層ビルに飛行機が本当に呑み込まれて行く事件とダブったり、その後の政治の動きの中で特定国の監視体制が強化され、寝覚めの悪いタイミングになりました。12年も前からパッションを企画し ていたメル・ギブソンと同じで、マトリクックスの草案の方がその後撮った他の劇映画より前から監督の頭にあったそうです。ですから2000年を過ぎたあたりで次々こういう事件が起きるとは想像もできなかったのでしょうが、何とも暗い世の中に暗い作品ができ上がってしまいました。マトリクックスに関してはそれだけでなく若者の 乱射事件まで起き、キアヌ・リーヴスは私生活で不幸に見舞われるなど、暗い影がつきまとっています。
★ 私は宗教に疎いのだ
欧米人にはキリスト教、ユダヤ教、ギリシャ神話などおなじみなので、ニオブ、モルフォイス、ネオなどの名前が並ぶとすぐ納得ですが、そういう話に縁 の無い日本人はゼロから勉強し始めなければなりません。それもかなり大変。アメリカ人が天照大神だの素戔嗚尊だの八岐大蛇などを題材に6時間40分もかけて大作を作るなどというのも変です。ですからまあ、彼らが自分たちに身近な題材をテーマにしたら、アメリカ映画を見る外国人は付き合うしかないでしょう。同じ宗教を良く知っているドイツ人もスッとそういう事を思い出すのが結構大変だったらしく、有名な映画雑誌は特集記事を組んで、そういう言葉の裏に隠されたエピソードや深い意味をリストアップし、解説していました。
★ 期待はずれの続編 1 - 普段優しい批評家まで
ドイツでは私と似たような順位で、マトリクックスが最高、その後は下り坂という評価をした人が多かったようで、マトリックス レボリューションズの公開にあたって一応ラジオなどでも宣伝していましたが、盛り上がりは日本の方が良かったかも知れません。ラジオの解説ではあからさまにマトリックス レボリューションズで失望したという意見を述べた批評家もいました。
★ 俳優のアンサンブル
俳優はかなり豪華ですが、超大スターは持って来ませんでした。しかしこの映画出演の後グレード・アップになった中程度に有名な俳優に加え、ウィル・スミスの奥方、マーヴィン・ゲイの娘、ヴァンサン・カッセルの奥方(というより最近は亭主がモニカ・ベルッチの亭主と呼ばれるようになった)イタリアの宝石ベルッチなど、なかなかいい人材を集めてあります。
事前に声をかけられた俳優にはユアン・マグレガー(ネオらしい)、チャウ・ユンファ(モルフェウスらしい)、ジェット・リー(どの役か?)、ウィル・スミス(ネオかモルフェウスか?)などがいたようなのですが、監督自身が元からキアヌ・リーブスを念頭に置いていたらしく、そこは正解でした。加えて、1人だけ目立つようなスターを避けたため、マトリックスではキャスティングには欠点が見当たりません。
マトリックスがあまりにも評判を取ってしまったため、続編ができるまでにギャラの問題が起きたり、亡くなった人が出たらしく、1部出演者交代があったことと、急に欧州から俳優が呼ばれ、続編は何となく整合性にブレが見えます。マトリックスのアンサンブルが良かった理由の1つはカナダやオーストラリアというハリウッド映画ではメインでない英語圏の国から人を呼んだことにもあったと思います。それに加え香港映画からスタント・コーディネーターを連れて来て新味を出したことが成功につながったと思います。1人だけ目立ちそうな俳優はほとんど自分の方から出演を断わっていたそうです。
★ 期待はずれの続編 2 - 人を増やしプロットかすむ 行き着く先は PC
ミステリアスに始まったマトリックスにはあまり演出の穴は見えませんでしたが、マトリックス リローデッドからはどんどん弱くなって行きます。出演者の人数が増えるに連れて内容が薄く なった感があります。私が1番がっかりしたのは変な評議会が登場し、スター・ウォーズになってしまったり、中央司令室などが出て来てスタートレックになってしまったりしたところ。マトリックスはああいう子供っぽい映画と一線を画していると思っていたのでずっこけてしまいました。
最初はなぜあんなに大勢の人間を出したのか訝りましたが、後に思いついたのが失業対策。中国版サンダル映画(歴史、戦記物)を見ていると、大勢のエキストラを雇って、賃金をばら撒いています。俳優は景気のいい時でも失業者の多い分野。なので大ヒットした作品の続編にチラッとでも顔を出す機会があれば、喜ぶ人も多いでしょう。それをさらに CG で倍増、三倍増したのかなと思ったりしました。
特殊撮影は良いシーンがあるかと思うと、急にたくさんの蛸ロボットが襲ってくるシーンが延々と続き、最後はあれほど科学が進歩した世界にもかかわらず、生身の人間が電動式に動く椅子に座って撃ちまくるという変な武器が登場。これで相手と互角に対戦できると思う方がアホではありませんか。腹を立てる私はもっとアホ。なぜマトリックスでは驚愕の人間バッテリー・カプセルなどユニークなシーンが続出したのに、最後ああいう風なアホらしい終わり方 をしたのでしょう。
最初人類を救うためにマトリックスと対決する青年トーマスとなっていたのが、回を重ねるごとに、「こいつもあいつもプログラム、本物の人間ではなかった」という風にエスカレートして行きます。このネタはもうブレード・ランナーで使ったので、止めておけば良かった。人間になついて、人間になりたがるプログラムという設定も鉄腕アトムから AI まで色々あります。マトリックスの劇的な目覚めのシーンを生かすにはネオは人間ということにしておいた方が良かったかも知れ ません。もし「こいつもあいつも自分もプログラムだった、あっと驚く為五郎」という風にするのでしたら、あまり戦闘シーンやチェースを長くせず、キーメーカーや預言者、設計者の話をもう少し突っ込んだ方が良かったかも知れません。
見終わってみると結局 PC の世界の話で、親プログラムが子プログラムをいくつか作り、それぞれの分野を管理させているという話、まあ日本でお馴染みの下請けですなあ、そこへファジー理論を越えて人間に近い判断をする変種が現われたので、プログラムの設計者が考え込んでしまった、バグを取り除き時期を見てバージョンアップしなければ・・・という話でした。その変種トーマスことネオは新種だからネオと呼ばれたのでしょうか。一生懸命宗教の事を考えて損した。
ブラウザーに飛び込んで来るビールスからハードディスクを守るために対ビールス・プログラムを開発。ビールスがどんどん巧妙になるため、設計者はビー ルスを常に観察し、それに対抗できるソフトを開発しなければならないという話と似たような展開になって来ます。先日ドイツから世界に迷惑をかけた高校生も似たような事を考えて、アンチ・ビールスを作る目的で先行するビールスを作ってみたのだそうです。28日後・・みたいササーっと短い時間に世界中野放しになってしまい、その日郵便局へお金下ろしに行ったら、全国津々浦々例外無しに郵便局のコンピューターがパンクしておりました。よく考えて見るとマトリックスの発想はこれとあまり変わらないではありませんか。ところで、ハンサムで長身のネオに対し、ずんぐり小柄で美男でないエージェント・スミスを登場させ、しつこくネオを追わせていたら、実はネオとスミスは一体だったというのもご愛嬌。ソフトに心理学を当てはめるんですかねえ。
大団円になるまでに預言者も、設計者も、スミスも、ネオも、トリニティーも他も全部プログラムだったとなると、血を流して懸命に戦って見せてもらってもアホらしくなってしまいます。そして、今回ネオが倒れると、次はバージョン 7 の登場。そうすればスミスもバージョンアップ。それを理解するために 101(2進法の5)という数字の意味やトリニティーが 3 で、モルフェウスが麻酔で、サイファーは暗号など色々勉強しなければ行けないんですかね。ああ、ばかばかしい。パンフレットを作った方々、ご苦労様でした。それに比べるとエージェントの方はスミス、ジョーンズ、ブラウン、ジョンソンなど実にスッキリした名前です。
★ 日本の豪華なパンフレット
ドイツの映画館には有料、無料を問わず日本で売っているような内容のパンフレットはありません。ジャーナリストを集めて一般公開の前に行われる試写会では日本のパンフに似た内容の物が無料で配られます。白い A4 の紙に書いただけの場合が多いですが、内容は日本のパンフに匹敵します。時々配給会社が気合を入れると、日本にそっくりな写真入りのパンフが配られますが、普通は写真は普通のはがき大の物が10枚前後付いて来ます。どうやらその写真は記者が記事を書く時に使っていいということらしいです。横着な記者はパンフに書いてある内容をそのまま流用。まじめな記者はそれに自分の見解を加えたりします。
日本ではすでに60年代から映画館で僅かなお金を払うと憧れの俳優の大きなカラー写真が付いて来る、まじめに丹精に作ったパンフが売られていました。恐らくはアメリカの制作会社から送られて来た資料を基に作るのでしょうが、あのパンフを買うのを楽しみに映画館に行く人は多かったと思います。後には日本の専門家の解説まで加わるようになり、PC の話の時には PC の話、武器がたくさん出てくる時には武器の専門家などが執筆。この時のために長年オタクをやって来たという人がここぞとばかりに詳しい説明をしてくれます。難を言えば、書けば書くほど活字が小さくなり、モダンにすればするほど黒い背景に白い文字になり、読み難くなる点。
ま、その話は横に置いて、パンフレットを見ておやっと思った点が1つ。日本版のリボリューションのパンフはまだ見ていないのですが、ドイツでポスターや看板を見ていて変な事に気づいたのです。キアヌ・リーヴスは男、ローレンス・フィッシュバーンも男、そしてキャリー・アン・モスは女ですが、3作目の宣伝の時は3人の顔が 変に細工してあって(フォトショップでやったのか?)、のっぺりとした中性的な顔になっていたのです。特に面構えが男っぽいフィッシュバーンの顎がふっくらのっぺりとして、色も白っぽくなっていて、まるでおしろいを塗ったおたふくのよう。リーヴスとモスも男女の境が分かりにくいような顔になっていました。日本ではどうだったんでしょう。
★ ネタをばらし過ぎた宣伝
予告、宣伝の方ですが、ちょっと公開前にワイヤーやコンピューターを使った撮影方法の種を明かし過ぎたように思います。あの解説ビデオはマトリックスの公開が始まりある程度観客が見終わってからの方が良かったのではないかと思うのです。ドイツではワイヤーを使って撮影しているシーンの紹介や技術系のスタッフがコンピューターを駆使しているシーンが早めに紹介されていました。ですから私のように先にそちらを見てから映画を見た人もかなりいたのではないかと思います。先に凄いアクション・シーンを見て「一体あれはどうなっているんだろう」という疑問が浮かんだところへ種明かしとした方が良かっ たのではないかと思います。
★ フランスに嫁に行ったイタリアの宝石
登場した女性の中で唯一モニカ・ベルッチが女性らしさを発揮。他の女性は皆筋肉の塊だったり、ファイト満々で、あまり女性らしさを感じなかったです。ネタを明かせば皆ソフト。だから肉体をあまりリアルに感じさせない役が多かったのかも知れません。ベルッチは出演時間がマトリックスよりは長かったパッションでそれほ ど見せ場がなかったのに比べ、ごく僅かしか登場しないマトリックスで素敵なインパクトを残しています。ファンになりそう。ネオの恋人であるはずのキャ リー・アン・モスはどうも低血圧気味の演出で、ひんやりしてしまいました。で、彼女のために自分の存在を賭ける気になるか・・・という疑問が残ってしまいます。
★ 男性陣の魅力
ほとんどのシーンで牧師のような衣裳のキアヌ・リーヴスですが、彼が魅力的に見えたのは冒頭背広を着て会社にいるシーン。あたふた逃げ出したら高所恐怖症だったというのもユーモラスで良かったです。メロヴィンガーを演じているランベール・ウィルソンがオーウェン・ウィルソンにそっくりなのがミステリアスで良かったです。同じ苗字ですが、血縁ではないようで、ランベール・ウィルソンはフランスの人。彼の台詞は気が利いています。上品な態度でひどく下品な台詞を言うシーンというのが映画にはたまにありますが、彼の台詞は上手く書けていて、それを彼は非常に上手く演じています。
★ 全体の感想
3本見終わって考えて見ると、筋はあまり好きになれない、アクションはもっぱらマトリックスで目を見張り、その後は続かなかった、ベルッチの衣装はすてきだった、本人も登場人物全体の中では1番魅力が出ていた、ストーリーのミステリー性はマトリックスが大いに期待を持たせ、残りの2本でその期待を見事に打ち砕いた、そして、最後に残った疑問はあれだけお金をかけて何をしたかったんだろうということ。
私はジョー・パントリアーノが好きなのですが、その彼はマトリックスに出ただけ。しかし悪役を上手に演じての退場。結局監督が2人もいながらマトリックスで大風呂敷を広げ、後始末ができなくなってしまったような印象でした。無論私の読みが浅く、マトリックス リローデッド、マトリックス レボリューションズの裏が読み切れなかったのかも知れません。何せ、3本連続で見たため、披露困憊。誰かもっと高級な解説をつけられる方がおられましたら、ぜひ書き込みを。
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