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参加作品
開催予定:2015年8月
無事終了しました。連日日本に負けないほどの猛暑な上、終わった翌日から仕事だったので、大事を取り、仕事以外の時は暫く休養していました。日本と違い、夜はある程度気温が下がるのですが、それでもドイツとしては呆れるような猛暑。ファンタ前から週3回スポーツに行き、暑さに対する抵抗力をつけるのに成功。滝のように汗をかきましたが、病気にはならずに済みました。去年の教訓を生かし、今年はファンタに入る前から徐々にトレーニングをしていました。
以下見た作品にコメントを入れておきました。
今年はファンタのレベルに達していない作品も入っていて、全体としてレベルが落ちていました。下にも書きましたが、いい人材がテレビの方に取られてしまい、あまりいい映画が作られなかったようです。ファンタの主催者もいい映画が映画祭に出なければベルリンに持って来られないといった趣旨の話をしていました。いい作品があってもファンタの時点に合わず、いきなり劇場公開になってしまったり、入手できるのがファンタが終了してからになってしまうなど、ちぐはぐなタイミングになってしまうこともあったのでしょう。
ファンタはあまり枠にとらわれず、時々特別企画が飛び込むことがあります。今年は冬に特別企画が行われます。週末なので、春のファンタのように8〜10本程度を上映するのではないかと思われます。私が出席できるかはまだ分かりませんが、できれば行きたいです。
いよいよ最終日を残すのみとなりました。今日は上映日に予定のバージョンが出なかったための再上映画加わり、予定の4本ではなく、5本上映されます。
偶然帰宅する時に、いつも開催され、今年は使われなかった映画館の従業員に出くわし、今年のファンタの話になりました。主催者側からも話が漏れ聞こえていましたが、この従業員も1年中国際映画祭も含めた映画を最前線で知っている人で、やはりこの1年あまりいい映画が作られていないと言う話をしていました。この意見は観客である私の仲間たちの間の意見とも一致します。
仕事熱心なこの従業員はその場で理由と考えられる話もしていました。映画界のいい人材がテレビ・シリーズに大量に流れ、テレビ・シリーズにいい物が出ていると言うのです。言われてみると毎年ゴールデン・グローブをチェックしていた私にも心当たりがあります。芸能界とすれば十分な制作費が貰えて、俳優にも十分ギャラが払えるのなら、仕事の場はテレビでも映画でもいいわけです。オスカーなど名のある賞を受賞した俳優がテレビに流れるのは落ちぶれた証拠とみなされる時代はずっと前のことで、近年はテレビについての考え方もガラっと変わっています。今年のファンタはこういった傾向の結果と言えるのかも知れません。
この従業員と直接口を利くようになってからはや10年。今年初めて顔をあわさないと思っていたら、この人の仕事明けと、私たちの帰宅が同じ時間になり、挨拶をする機会がありました。
全体の3分の2が終わるところです。今年は佳作が少ないという印象。「(契約しようと思っても)いい作品の数が少なかった」という話が主催者側からもれ聞こえましたが、噂なので本当なのかは確認できていません。
それでも中頃に入ってある程度満足の行く作品が出始めています。最初の3分の1では1日にせいぜい1本多少マシな作品が出ていましたが、3分の2に入ったあたりからは1日複数本出る日もありますし、とりあえずファンタに出してもおかしくないだろうという基礎的なレベルをクリアした作品が増えました。
最初の3分の1は1日5本上映で進み(過去は6本が普通)、3分の2のところでは 4本 + 再上映1本 = 5本 というプログラムの組み方をしています。この後も金曜日までこんな感じで、週末は再上映は無い・・・はずでしたが、手違いで間違ったバージョンが上映されたうちの1本が上映枠を1つ増やして再上映されます。
手違いは2度ありました。
フランス語が延々流れる Reality に英語の字幕がついておらず、私のようなフランス語に縁が無かった外国人や、ロシア語を外国語として取っていることの多い東出身の人にはチンプンカンプン。西ドイツ出身の人、壁が開いてから学校に行った若い世代の東の人はフランス語を第二外国語などで取っていることが多いので、何とか分かる人もいるのですが、非難轟々になり、再上映決定。
もう1つはドニー・イェンのスリラー。何と英語バージョンで上映。これも手違いで、使用したファイルにはオリジナル版と書かれていたそうです。ただ、「広東語でなかった」と不平を言ったのは私1人。なぜか今年のファンタの観客にアジア人の顔がほとんど無く、ちらほら見える顔は韓国顔。アジアの作品は鮮度が1年なので、わざわざ制作1年後に映画館に来なくても、DVD か何かでもう見ているのかも知れません。他の作品は本邦世界初上映なんて作品もあり、鮮度は高いです。日本人の私が広東語が聞けなかったと文句を言ったのが唯一の苦情だったらしく、こちらは再上映になりません。
全作品出揃いました。
今年は大幅な変化があります。
・ 開催期間が一昨年までより延長。去年のパターンを少し変えた形で、12日。
・ 1日枠は5つ。これまでは6つの年が続いていました。
・ 最終日が土曜日。開始は例年通り水曜日の夕方ですが、期間が8日から12日にのびた関係で、最終が土曜日。日曜日にゆっくり眠った上で、月曜日からまた平常の生活となります。参加者の平均年齢が高齢化しているので、職業人には助かります。
学生層の新規参加が期待されますが、通しのパスはかなりの高額。親の脛をかじっていない学生には厳しいです。
・ カテゴリー分類が簡略化。色々分けるのはほとんど止め、血の滴るコーナー(コンペ)と短編特集を除き、原則1本だけ選ばれる注目監督、注目作品など少数になりました。日本人監督が今年の注目監督に選ばれています。このページではアジアの作品は独自に特集として一箇所に集めました。
・ 使用館は1箇所、1ホールのみ。今年はソニー・センター側のシネ・スターとなりました。いくつかの契約条件でこちらに決めたようです。以前メインで使っていた館とシネ・スターはドイツ、ベルリンでも設備は良い方で、どちらでも見劣りはしません。日本人は非常口、避難通路などの事をつい考えてしまうので、その点だけが不安ですが、ドイツには地震はまず無いのであまり心配は要らないでしょう。
通しのパスを持っていると全作品が見られるというシステムは去年から始まりました。5本再上映画があります。なので全体の本数は短編コーナーを1枠と考えると57枠で52本。1本ミュンヘンで上映され、ベルリンに来ない作品があります。シャマランなので気にしない。
2013年までは参加作品は66本前後。見られる枠は48ほど。使用館2つで、15〜20本再上映をしていました。今年は再上映は5本。プログラムの組み方がガラッと変わったと言えます。1館の1ホールしか使わず、57枠取ってあり、うち5本が再上映なので、見られる本数は52本。2館でないので、見たくても見られない作品は無くなります。
今年の再上映は1枠目に来るので、日中仕事を休めない人でもぎりぎり2枠目から間に合いそうな時間になっています(ドイツは早朝から仕事が始まるので、16時頃に仕事が終わる人が多い)。
幸いなことにファンタには見て時間を無駄にしたと思えるほど酷い作品は滅多に来ません。なので見たくても見られない作品があると残念に思います。特にドイツで公開されそうもなく、DVD すら来ないような国の作品は是非見ようと毎年工夫していました。
今年を見ると参加作品が減って、こういうプログラムの組み方に変更したのは納得が行きます。世界情勢激変の結果、のんびり映画など作っている場合でない国が増えていますし、経済クラッシュで、映画に投資している場合ではない金持ちもいるので、無理して駄作もたくさん入れてこれまでのプログラムの枠を維持する必要はないと思うのです。
・ アーニーもコンテストに参加。アーノルド・シュヴァルツェンエッガー主演の作品もあまり有名でない作品に混じってコンテストの対象になっています。ターミネーターやエクスペンダブルズとは全然違うシリアスな乗りで演技しています。正統派の俳優として勝負。
オープニング作品が決まりました。現在27本。邦画はすでに3本紹介されています。台湾、香港、大陸中国、韓国、その他のアジアからはまだ出ていませんが、今年の春関係者に聞いたところ、何かしらの作品は来るようです。
邦画3本は私の独断でアジア特集のコーナーに入れて置きます。万一別なコーナーに振り分けられたら訂正します。
毎年60本以上、70本以下が参加することを考えると、現在全体の3分の1ほどの参加作品が発表されたことになります。
今年もまたファンタのシーズンになりました。今年もスタートを切るのはベルリン。過去長い間ベルリンが最終ラウンドだったため、近年はスタート都市にされてしまいました。なので私たちが最初に見て、他の都市に情報を送る役目を負っています。考えようによっては先入観無しに見られるとも言えます。通しのパスを買っても何本か見られなかった過去に比べ、去年からは全作品が見られるようにプログラムが組まれるので、秀作も駄作も全部見ることになります。なので他の都市からの情報が無くてもいいわけですが。
さて、最初の12本をご紹介します。すでにこの中に佳作があります。
カテゴリーはほとんど発表されていません。決まるまではABC順に一箇所にまとめておきます。
ナビは作品が出揃うまで機能不全です。悪しからず。
時間のできた時に急いで書いているので、文体が揃っていません。後で校正の時間があったら直します。こちらも悪しからず。
オープニング
特別上映
注目の作品
注目の監督
勝手に決めた - アジア特集
血の滴るコーナー (コンペ)
公式プログラム
短編特集
フィナーレ
参加予定作品
オープニング
劇場長編デビュー。1997年の英国の音楽界が舞台。レコード会社の新発掘、契約、制作担当者が主人公。音楽界の舞台裏で糸を引いている。パーティー、コカイン、売春婦三昧の日常生活。ロンドンという音楽の本場で華々しい職に就いているのに、いつ自分が仕事を失い、転落するか分からないので恐怖心も持っている。よく知っている同僚の方が、重役のポストに1歩近い。で、アメリカン・サイコの真似をして、そいつを殺してしまう。ところがフレッド・カサックの連鎖反応のように行かず、会社は他の会社から天才少年を引き抜いて来る。この邪魔男を排除しなければ・・・ってなわけで、カサックとは全然違う連鎖反応がおき始める。
当時の音楽界については私は疎いです。このあたりはうたむらさんの解説が必要。オアシスなんかについては全然知識がありません。原作は内容が現実に近過ぎたのか、なかなか出版社が見つからず、作家は苦労。
トレイラー: オープニングの画像はやや安めの高級アパートのシーンから。変な言い方ですが、最近急に金持ちになった人はアパートや家具の選び方が下手で、安っぽい印象を与えることがあります。出演者の名前の出し方などは工夫しています。
監督と原作者が来ます。
後記: 原作者とちょっと話をする機会がありました。イングランド人でなく、スコットランド人だったので分かり易い英語を話します。本人は自分はスコットランド人だから自分の英語は分かりにくいだろうと思ったらしく、ゆっくり話すと言っていました。実はドイツ人はスコットランドの英語の方がずっとよく理解できるので、その事を本人に伝えておきました。
作品は好き嫌いが分かれると思います。90年代の英国の音楽界という限られた社会の様子をできるだけそれらしく再現しているので、ダサく感じたり、感じ悪〜い人物がぞろぞろ出て来るので不快感を持つ人もいるでしょう。そういう時代、そういう社会だったのです。
モーリッツ・ブライプトロイが前半の一シーンに出て来るのですが、他の俳優全員を食ってしまう迷演技で、非常に存在感があります。この人どうやら私は子供の時に出演したテレビドラマを見たことがあるようです。親が有名な芸能人だったので子供の時から芸能界にいたようです。大人になってから出演したドイツの作品は何本か見ましたが、おおむね感じ悪い役です。本人もちゃんと分かって演じています。その経験がここで一気に爆発したようで、ここで国際的に大化けするかお知れません。これまであまり好きでなかったんだけれど、考えを変えようかな。
特別上映
監督はデビュー。初作でいきなりこんな濃い作品を作りました。 17世紀の物語が元ネタ。子供が欲しい女王、女狂いの王、娘などどうでもいい老王が繰り広げる人間の欲望の限界を超えようというエログロ話。美的に工夫を凝らしたエログロ映画。
トレイラー: カッセルの好きそうなデカダンス系作品。絵画を見ているような画面。
後記: 初日の睡眠時間2時間が祟って、大部分でブラックアウトが起きました。ちゃんと見ることのできた部分だけの感想ですが、撮影、コスチュームに大金をかけたなあと思わせます。童話風の話はグリム童話などの未修正版に似ているなあと思ったら、ここで原作として使われた17世紀までの言い伝えをまとめた本が、後にグリム、アンデルセン、ペローが似たような童話集を出す時のヒントになったそうです。
私が見た部分の話は非常に分かり易く、童話として機能しています。今日のようなディズニー的な童話はグリムの弟が修正した頃から後の傾向で、それまでは幼い子供に怖〜い話をして、世の中には危ないことがたくさんあるんだよという勉強に使われていたようです。
ミュンヘンで上映。
トレイラー: 映画館で上映されたトレイラーを見ると、シャマランらしくなく、おもしろそう。
注目の作品
監督デビュー。1974年にイタリアで作られた Cani arrabbiati 別名 Rabid Dogs のリメイク。元ネタだと4人のギャングが武装して製薬会社の給料を積んだ現金輸送車を襲撃。逃走中死者も出る。パニックになり駐車場で人質を取る。最近のイタリアはファンタでは不調。
トレイラー: 元ネタの筋通りの展開。
後記: 是非お薦めの作品。できればあまり予習せず、元ネタの作品も知らずに見た方がいいです。
注目の監督
ファンタお気に入りの日本人監督の1人。実際かなりの数の作品がファンタに出ています。
トレイラー: 話を解説で読んだだけでおもしろそうな感じがしました。予告を見て、これは絶対に逃せないと思っているところ。邦画3本の中で1番おもしろそう。三池の作品には当たりはずれがありますが、当たったら痛快。
後記: トレイラーを見た段階では3位渇き。 2位寄生獣1位極道大戦争と思ったのですが、1位と2位は同点か、逆転。でもおもしろかったです。台詞や演技だけでなく、その辺の張り紙にもユーモアがあふれています。
ただ、賛成しかねるのは古い仁義を知ったやくざの世界へのノスタルジーが至る所に感じられること。いくら仁義を守ってもこの人たちは犯罪者だという事は忘れず、あまり持ち上げないでいただきたいです。
アジア特集
元ネタは漫画。映画は前後編に分けて作られている。日本では両方とも公開済み。原作とは若干変えてあるとのこと。日英のタイトル通り人間の頭に取り付いて生きて行くパラサイトの話。
海から出現したパラサイトが人間を襲う。襲った後は脳に侵入。脳以外の場所にも取り付くことができる。まんまと脳を乗っ取ったパラサイトと、主人公のように脳でない場所を乗っ取ったパラサイトの間に対立が発生。それに起因する出来事がその後続く。いちいちエピソードを追っていると長くなるのでこの辺で。原作は1990年から1995年まで月刊誌に発表されていたのでかなり長い話のようです。
このファンタに後編も来るんだろうか。
トレイラー: なるほど漫画なら自由に描写できるなあと思える内容。実写だとアニメを使わざるを得ません。ややユーモアをまじえて深刻な問題を扱っています。台詞の言い方は日本人にはなじみ易いスタイルだけれど、外国人にそこがうまく伝わるかが勝負どころ。
後記: 邦画の中では2位と思っていたのですが、意外とおもしろく、1位に迫ります。学芸会風の演技がどうも好きになれないのですが、扱っているテーマが日本、世界情勢とぴったり合うのであははと笑っている場合ではないことと、主人公の少年の台詞がおもしろいことで点数アップ。
元ネタは推理小説。役所が諸悪の根源とは言わないまでも諸悪を生み出す役。解説を読んでいると、周囲がいい勝負の悪人ばかりなので目立たなくなる感じ。この種の展開が激しいプロットだと十分に外国に伝わるかが心配。
トレイラー: 解説など文字で紹介されている内容と比べると映画はちょっと軽い印象。ストーリーの重さを考えず、映像だけを見るとエンターテイメント性はありそうです。役所は以前の映画のイメージ打破を狙って汚らしい姿で登場しているように見えますが、やや演技が大げさ。他とのバランスは全体を見ないと何とも言えませんが。
後記: 日本の映画でありながら、主人公たちの行動を見ると違和感を感じます。それが小説家(芸術家)に許された自由なのだと思います。1つは主人公の一家の運命、もう1つは日本で行われる犯罪の実態を年代の差を通して描いています。加えて日本の警察が非常に腐敗していて、警察に訴えても役に立たないという実態。普段メディアで言われている「日本の警察は正直だ」とか「日本人は災害などでお互いに助け合う」という話と全く逆方向の描写になっています。アメリカでもハードボイルドなどですと、一般のアメリカの平凡な生活とは違う異常な生活を描いているので、渇き。もそういう風に解釈すればいいのでしょうが、やはり違和感が大きく、楽しくありませんでした。ハードボイルドというジャンルは日本人のメンタリティーに合っていないのかと改めて考えています。
日本では公開されていない様子。解説を読むとおもしろそう。井上さん、何か知ってる?紹介記事を読むと冒頭の雰囲気はランゴリアーズに似ています。
寄生獣とも似てどうやら前後編あるらしいです。
後記: 林雪が出演したのでそれだけで満足。作品としては優しい感じで、あまりファンタ向きではありません。雰囲気としては恋する惑星の方向。インパクトも今年はドニー・イェンの作品の方が強かったです。ただ感心したのはあの人や車の多い香港で全く人も車も動かないシーンを延々撮っていた点。早朝、物凄く早い時間に付近の交通を遮断して撮影したんだろうかなど、色々考えながら見ていました。
監督のデビュー作。カンヌ映画祭で評判が良かったと聞いています。サラリーマンがある日何を思ったか家族を殺害。本人は失踪。ところが会社の同僚もその後を追うように1人、また1人失踪して行く。この男に殺されているんだろうか、それとも何かの目的で人を集めているんだろうか。情報が無いのでそれ以上は不明。
後記: 今年のファンタにはもう1本似たような作品がありましたが、問題を解決しようという方向を目指した作品ではなく、苛められたという事を大声で叫ぶ段階で止まっています。その上この作品では真犯人が逃げおおせ、次の職場に向かうというショーダウンなので、何を目的に作った作品なのかが曖昧になっています。となると、彼女の職場で虐めに遭ったという状況設定も殺人が趣味の鬼となってしまい焦点がずれた感じです。
ドニー・イェンも割りと好きですが、最近はあまり本人のタイプに合わない役を演じることがあります。今回はどうなのでしょうか。この作品驚くような人がゲスト・出演しています。
手違いで英語版上映。文句を言ったのが私1人だったらしく、再上映は無し。
後記: 言語的には何の親戚関係も無い広東語ですが、半分居眠りしながら聞いていると、関西弁とそっくりなイントネーションなので私は親しみを持っています。頭の天辺から声を出すような発音ではなく、のんびりと低いトーンで話す広東語は感じがいいです。なので楽しみにしていたのですが、何と出演者は英語をしゃべっていたのですよ。
作品は痛快なアクション犯罪捜査劇。ドニー・イェンが生き生きしています。ついでに物凄く豪華なカメオ出演がずらり。エンターテイメント性最高。ここに出て来る中国人は牢屋の中でもきちんとした振る舞いで、昨今報道される中国人とかなりイメージが違います。
血の滴るコーナー (コンペ)
監督はいずれも長編デビュー。休暇で帰郷中の女性3人組。1人が叔父の家に行こうと言い出すが、実は叔父ではなく、以前その家でベビーシッターをしていた。その家に押し入るが、持ち主と出くわす。その人物が階段で転落し、死んだように見える。3人はすぐ警察に届けない。
トレイラー: 解説通りの内容。あほな事をした女3人が危なそうな男たちに襲われている様子。
後記: 例年のファンタなら中の中レベル。プロット、演出、演技、撮影など一応のレベルに達しています。主人公3人のキャラクターが図式的ではあるものの《善・悪・迷う》と別れていて、多数決をしようにも引き分けになってしまうところが話をおもしろくしています。
愉快なのはタイトル。大怪我をして床に横たわっているだけのおっさんがタイトルです。そこに体が横たわっていることが問題なのですよ。
友達を悪い方向に強引に引っ張って行こうとする主人公の女優に数年前イタリアで大事件を起こし、未だ最終決着がついていない氷の天使と言われる若い女性にそっくりのメイクをさせています。彼女の振る舞いも、観客に「あの事件の犯人とされている女性に似ている」というイメージを抱かせます。
監督は長編デビュー。撮影はベルリンとその周囲のブランデンブルク州。今年のベルリン映画祭で賞を取っている。
大学の論文を静かな環境で書けると期待して若い学生が森の家族の家に下宿。ところがその家の息子の家庭教師にさせられ騒動が起きるらしい。息子は普通の学校に通っていない・・・。
トレイラー: ドイツ語なので分かりやすかったです。最初のシーンだけの判断ですが、カメラは凝っている感じです。タイトルのブンカーは防空壕という意味。トレイラーを見ただけではなぜこういうタイトルをつけたのか分かりませんでした。
後記: 好みの問題で好きになれない作品。とは言うものの最低限必要な要素はきれいに揃っており、悪い点はつけられないレベルです。親子3人が元防空壕だったと思われる建物に住んでいることになっていて、入り口のシーンは確かに私も見たことのある防空壕とそっくり。そういう場所を見つけて撮影したのでしょう。日本の防空壕とは建て方が異なります。
内装はおそらくセットで撮影したのでしょうが、戦後ではあるものの大分前の調度品で統一してあります。インタビューでは息子役の俳優フリパンの衣装も話題になっていました。
筋は上に書いた通りですが、焦点は親子関係と息子の心情の変化、閉じ込められたに等しい状態になっている学生がここを去ろうとすることと、ショーダウン。
この種の話が好きになれないことを別にすると、息子役の俳優フリパンの力量が発揮されています。話してみたら、過去にはあまりいい役が来なかったとか。調べてみたら2006年にはクリッソス監督が中篇の主演に採用。2007年に別な監督で短編の主演。クレジットの順位も徐々に上昇・・・するかと思うとまた下降。ただ、テレビ・シリーズに出たりもしており、2010年まで順調。クレジットが下の方でも評価の高い作品に顔を出しています。2010年を最後に暫く姿を消し、2013年にまた短編の主演・・・というか出演者の少ない作品のトップにクレジットされています。そして2015年遂に長編の主演と言うか、1番重要な役を得ています。ドイツの俳優としては非常に小柄で、私とほとんど変わりません。なのでクルーニーやピットのような役は回って来ないと思いますが、非常に小柄で大ブレークした俳優を何人か知っているので、この主演を機に道が開けるのではと思います。
劇中親子を演じている女優(母親)と誕生日が同じ日で、息子役のフリパンの方が1年年上だそうです。学生役のブコフスキーは息フリパンよりたった4歳年下・・・という現実の年齢を無視して強引に話は進みます。それでも話が成立するシュールな世界です。
頭の中が病気としか思えない家族の中に飛び込んで来た論文を書くつもりの学生の災難という話ですが(親子3人際立って病気の迷演技)、上映後話してみると実生活のフリパンは全然違うタイプで、礼儀正しく、きちんと物を言う人でした。
数日前仲間内でオーストリーでさえあんなおもしろい映画を作れるのになぜドイツはだめなんだろうという話になり、私が(主演級の)俳優には時々いい人がいると言って数人の名前を挙げました。皆も賛成。Der Bunker を見てこれまでほとんど脇役、端役をやっていたすでに30歳代に入っている人でもこの程度の実力は備えていることが分かりました。となるとドイツの映画がぱっとしない理由は他にあると考えざるを得ません。日本の映画も何かが足りず世界に打って出るほどの力が無いという印象を持っていますが(マスコミの評価ではなく、ドイツのファンタの反応を見た範囲。ベルリンで600人前後)、ドイツの場合あと一押しか二押しでデンマークやスペインと競争ができるようになるのかなと希望的観測を持ち始めています。
監督は劇場長編デビュー。アーニーの役はティーン・エイジャーの娘を持つ父親。最初の映画祭でこけたので上映されないことになってしまった作品。内容、キャストなどに落ち度はなさそうなので、上映権の取引上のトラブルではないかとかんぐり中。
ゾンビを病気とみなして隔離する世界。娘が感染してしまったアーニー。感染ゾンビを隔離する法律ができている中、娘を救おうとする。
ファンタにアーニーが出るのはちょっとした驚きです。
トレイラー: 冒頭は28日後・・・や28週後・・・に似ている。物凄くまじめな作りで、主演がトミー・リー・ジョーンズだと言われても納得しそうな雰囲気。トレイラーに娘の台詞で「父ちゃん、これまでずっと私を守ってくれたから、今度は私が父ちゃんを守る番よ」があるので、なにか捻りがありそう。
後記: アーニーがこれまでのアクション・スターのイメージを広げ、別な分野もできるんだぞというところを見せるつもりだったとしたら、いい一歩を踏み出したと思います。これですぐオスカーという演技ではありませんが、こういう作品でもみっともなくならず、アーニーという名前を知らなくても、「年配の俳優が父親役をやっていた」ということで普通に通ります。大スターでこういう役をやれそうな人にもう1人トミー・リー・ジョーンズがいますが、彼も役の幅を広げるのに成功しました。アーニーの将来も明るいです。
監督は2人とも劇場長編デビュー。 ニナが交通事故死。残されたボーイフレンドは同僚に改めて恋をする。あの世でまだ成仏し切れていないニナは現世に戻って来る。
トレイラー: 血みどろのベッドに男1人、女2人が出て来るので「何じゃ、これは」と思いましたが、どうやら1人は幽霊のようです。
後記: 一応死に切っていないニナの幽霊話ですが、いくつかユニークな点があり、そこでプラスの点を稼いでいます。主演で幽霊のニナを演じた女優はよく脚本を読んで色々考えた末に演じた感じがします。
息子を失い、家庭崩壊に瀕している男が探偵の仕事に戻る。引き受けたのはある女性の監視。
トレイラー: デビューとは思えない出来。
後記: トレイラーにだまされます。とは言うものの、デビッド・リンチ・ファンには気に入られるかも知れません。こういう静かな進み方の物語が好きな人にはいい作品です。
監督は長編デビュー。
トレイラー: 長編デビューとは思えないぐらいの出来。ストーリーはフランスのテレビ・シリーズで毎回52分で描かれる事件をじっくり長編にしたような印象。
後記: 主演で姉を演じる女優は今年のファンタでは短編にも出演しています。彼女の得意分野で熱演。この人ちょっとエキセントリックな役を好むらしいです。
プロットは最初ちょっと頭のおかしい姉が妹を支配しようとしたり、男をアパートに閉じ込めて囲い込んだりする話のように見えるのですが、後半話がさらに発展して行きます。お薦めの作品です。
監督は長編デビュー。虐めを受けた少女が死ぬが、成仏できない。
トレイラー: ちょっと短絡なストーリーに見えるが、暴力満載。脚本を思いついた人に人を恨むような経験があったのか。
後記: 撮影など基本材料はきちんとしていましたが、テーマの料理の方向が間違っているのではと思わせる内容でした。物事の解決を狙った作品ではなく、愚痴を大声で叫ぶ作品でした。
監督は長編デビュー。
野外のパーティーを蜂が襲う。たったそれだけの筋で90分持たせられるかが勝負。登場人物は英語を話していますが、撮影は東ドイツ。私もこういう感じの所は知っています。紹介では上流階級のガーデン・パーティーとなっていますが、こういう形のパーティーはお金はさほどかかりません。
B 級でチープなホラー映画というジャンルがあり、そのファンには受けそう。
トレイラー: 30年ほど前こういうテーマの作品がありましたが、それを再生したいのかなと思いました。注目はクリフトン・コリンズ・ジュニア。
後記: このジャンルとしてはこれでいいと思います。チープな作りで、巨大な昆虫が人を殺して回ります。理論は横にどけて、襲う昆虫と逃げる人間の方に中心があり、このジャンルのファンにはぴったりです。私は特にこのジャンルのファンではありませんが、ある程度楽しめました。
関係者がゲストで来ていたので、クリフトン・コリンズ・ジュニア、別名ゴンザレスについてもちょっと聞くことができました。せっかくドイツに来たのに、ドイツの食事を楽しむ暇は無く、2週間ハンバーガーを食べていたそうです。
長編デビュー。2012年制作 The ABCs of Death の T Is for Turbo の長編化。
餓鬼版マッド・マックスだとの評判。T Is for Turbo は記憶に残らない作品でした。しかし何かいい面があるらしいです。ファンタではアメリカの公開に先駆けて上映。
トレイラー: なるほど餓鬼向き。でもファンタは18歳にならないと入場できないんです。
後記: 趣味が合わないので私向きではありませんでしたが、仲間内の評判は良かったです。
世界が崩壊した1997年後の生存を賭けた戦い。水争い。ソイレント・グリーンの方向の話。
公式プログラム
女優として自分の作品に頻繁に出演。ムランという名前の人が多く出演しているが、家族総出なのだろうか。メメント風の内容らしい。道路に面した食堂に現われた女性は記憶が怪しい。恋人が死んだため犯人を追っている様子ではあるが。
トレイラー: ちょっとスタイルを作り過ぎてくどい感じ。
後記: トレイラーに騙されます。この日のベストで、この日までの3に日間ではベストか2位。非常に気合の入った追跡物語で、記憶がわずかずつ戻って来る主人公に観客はついて回る設定です。最後まで見ると意外な話が飛び込んで来ますが、そこに至るさまざまな人物の動きも一つ一つを見ると平凡ですが、それをユニークな形で料理してあります。話の進行のテンポが速く退屈している暇はありません。
監督はいずれも長編デビューですが、この作品も短編集らしいです。主人公はいずれもスーパー・ヒーロー
トレイラー: 暴力満載、物凄くバカバカしい作り。こんなのを26本も作ったんだろうか。
後記: あまりのつまらなさに唖然。家で寝ていた方が良かった。
監督はミュージッシャン。長短合わせて数本の監督歴あり。
トレイラー: 悪魔に取り付かれた女性が通常の生活に戻ろうとするというプロットだそうですが、トレイラーを見ただけではさっぱり分かりませんでした。チープさが前面に出ています。
後記: 確かにチープに見えますが、問題の本質は別な所にあるので、気にしない、気にしない。観察力のある観客なら冒頭のシーンで何か引っかかるかも知れません。いずれにしろ最後まで見ると、ああ、やっぱりと思いますが、そこまで行かない段階では映画をたくさん見た人でないと真相に行き当たらないかも知れません。「悪魔に取り付かれた女性が通常の生活に戻ろうとするというプロット」は確かにその通りです。
監督は長編2作目。ブローリー演じる心理分析医が幽霊を見たという患者を扱う。自分の頭がおかしくなるリスクを犯しながら、患者の話をマジに受け取り、関与する。バックトラックは元々数学、コンピューター関係者の間で使われる言葉ですが、言葉通りに考えると(迷路に迷い込んだりした時の)帰り道のこと。
後記: 筋はインターネットで紹介されているより複雑で、推理小説ファンやスリラー・ファンの鑑賞に耐える。撮影や俳優の演技がもう少し冴えている方がいいとも言えるし、ああいうスタイルにしたのも監督の趣味だからまあ、いいやとも言える。
結婚間近の若い女性が虫に噛まれる。その後結婚を止めようかと考え始める。虫が噛んだ痕が悪化し始める。
トレイラー: ちょっとチープな感じのクラシックなホラー。
後記: トレイラーの印象ほどチープではありませんでした。この種のグロテスクなジャンルとしては抜きん出ているというほどではありませんが一定のレベルに達しています。演出の仕方がルール通りだったためか、私は始めの方で犯人を言い当ててしまいましたが、グロテスクなシーンは割りと出来が良かったので、退屈はしませんでした。今後いくらが食べられなくなりそうだけれど、これまでもあまり食べる機会が無かったので、いいか。
監督は長編デビュー。
2人のティーンエージャーが仲良くなり、メタル系のスターを目指そうという話に。ところが夢を実現する前に大昔の悪霊を呼び寄せてしまう。
母親と一緒に住めなくなった少年が叔父、叔母と同居することになり引っ越す。従兄のは彼を苛める。そんな中少年は友達3人と一緒にヘビメタ・バンドを結成。メンバーは地元の家に押し入るが、彼らのアイドルとも言えるミュージッシャンがそこに住んでいることを知る。その男から魔力を持った曲を渡され、演奏。しかしそれは悪魔を呼び出してしまい・・・さあ、困った。残酷シーン満載のコメディー。
トレイラー: ヘビメタ好き、スプラッター・ファン向き。
後記: 私はメタルもスプラッターもあまり関心が無いので、この作品ははずれ。関心があれば当たりです。監督はピーター・ジャクソンの援助を受けているらしく、確かに初期の頃のジャクソンのフレーバーはあります。ただ、全くお金の無い友達数人が週末に集まり、何年もかけて映画を作ったジャクソンの作品の方が親しみが持てました。デビュー作品からたっぷり予算をもらってしまうことが常にいい事なのかは考えもの。ジャクソンはあの頃の苦労がその後に凄く役立っているように思います。
原作はジェームズ・ワン。監督は長編2作目。
ルイジアナの刑事が担当した事件。3人の若者が幽霊屋敷と言われるぼろ屋敷で殺される。男1人が生き残る。事情聴取に刑事のガールフレンドでたまたま精神分析医をしている女性が協力。男によると男たちは降霊術をやっている最中に殺されたとの事。ほんまかいな。
トレイラー: まだ生きている6人が輪になって交霊術をやっているシーンと、その後の調査などのシーン。交霊術や悪魔は主としてキリスト教系の人が信じ易い話で、私たちにはなぜこんなに何度もこういうテーマで映画が作られるのかちょっと不思議です。しかし現にそれほどたくさんのシナリオが書かれ、映画化されるので、ちゃんと商売にはなっているのでしょう。
後記: マリア・ベロなどといういい女優を連れて来ており、警官役にきちんとした俳優も揃っているのに、プロットがはっきりせず、それぞれの役職に合った筋になっていなかった。警察関係者を演じている方が、CSI といい勝負のまじめさで取り組んでいる中、オカルトを出すとしたら、もう少し整合性を考えた台本を作ってもらいたかった。
監督は長編デビュー。
身近な人に取り付かれ、その人になりたいと思い込んだルームメートの話。自分に自信が無かったり、キャラクターが確立していない人が身近な人のようになりたいと思い込んだら怖い・・・。
トレイラー: ジェームズ・ワンが作ったと言われたら信じそうです。ファッション・モデルの社会を背景に、弱そうで自分というものが出来上がっていない少女が、自立していて強そうな少女を苛め抜くシーン満載。日本で実際に起きたいくつかの事件のパターンを映画として受けるように扇情的に作り直したような作品。
後記: トレイラーで大分損をしています。私は原則体力が持てば全部見ることにしていたので、だめな作品だろうと思いながら見に行きました。仲間のほとんどはパス。
インターネットに出ている紹介記事とも大分違います。見たらかなり優秀な作品だと分かりますが、宣伝や予告でここまでのレベルだと想像はつきません。
この日の4本の中では1位。キャラクターがやや図式的過ぎる感があるものの、観客が納得する展開である上、主演の女優が役を良く勉強した上で演じています。摂食障害で現在悩んでいる最中の方は、治ってから見た方がいいですが、作品としてはまじめに問題に取り組んでいるという印象でした。
監督が来ていましたが、インタビューで却って印象を悪くしました。作品を見ただけで帰宅すれば、いい印象がずっと残ったと思います。
人類は天候の変化と正体不明の生物(ゾンビ化)のために滅ぶ。わずかに残った人々が出会う。産業も何もが無くなり、生きて行くだけでも大変なのに、正体不明の生物は一旦絶滅の危機に瀕したものの、環境に適応して生き残ったのもいた。
トレイラー: いくつかの作品をパクっている。上手に消化している。
後記: 話の焦点は男2人と小学生ぐらいの少女の関係にあり、ゾンビは外から攻撃して来る敵というだけの位置付けです。仲間内では重大なプロットのミスがあるという意見が大半。おもしろい秘密が隠されていたのですが、そこへ話がうまく繋がっておらず、時間切れで放置されたような点があります。手際の悪い作り方。
私が「監督/脚本家が焦点を当てたいテーマが 2、3 あって、そこへ他の話をつぎはぎしたように見える」と言ったら賛成者続出。
監督はデビュー。声の出演は大豪華キャスト。ポーの物語の中から5つを選択。
インターネットの情報だと
・ アッシャー家の崩壊 (神経疾患を患う友人に招かれて人里離れた所にあるアッシャー家を訪れる。治療法の無い病気。ところが死んだはずの妹は棺をこじ開けようとしていた。死んではいなかった!)
・ ヴァルデマール氏の病症の真相 (死の直前にヴァルデマールに催眠術をかけたため、氏は眠ったまま死ぬ。ところが氏は催眠術がかかっていたため「正しく」死ぬ瞬間を逃し、目が覚めてしまう。氏はそれから何ヶ月も生と死の間で宙ぶらりん。)
・ 陥穽と振子 (異端審問の実況中継。)
・ 赤死病の仮面 (赤死病という死に至る伝染病が流行る。臣下と共に要塞に閉じこもり、パーティー三昧の王。ある日仮面舞踏会を開く。そこに紛れ込んでいた人物は赤死病の症状を描いた衣装を着ている。この病気の原因は重病の妹。友人を慰めたり話し相手になる。妹が死ぬと病気の友人も症状悪化。)
・ 告げ口心臓 (主人公が老人を殺すが、捜査の場でしらばくれていても幻聴が聞こえ、芝居がばれてしまう。)
の5話らしい。
コーマンは1964年、1989年に赤死病の仮面に、1961年に落とし穴と振り子
関わっている。
トレイラー: 雰囲気はそれらしく、まじめに作られています。出演者の中にもう死んでいるベラ・ルゴシも入っています。アーカイブから持って来たんだろうか。
後記: 凄く楽しみにしていた上、上映に間に合うように会社から飛んで行けたのですが、睡眠不足が祟ってブラックアウト。くやしい〜。DVD が出たら見直そうと思っています。
マリー・シェリー原作の現代版フランケンシュタイン。
ハイテクのラボで再生されたフランケンシュタインはイケメン男だったが、間もなくまた安楽死させられる。ところがちゃんと死なない。
トレイラー: ・・・を見る限り安っぽい作り。これまでに見たフランケンシュタイン物で1番良かったのはメル・ブルックス版。ケネス・ブラナーは高級そうな作りにしていますが、気合が入り過ぎておもしろくありませんでした。ブルックス版は何度見てもおもしろいです。
後記: 今時珍しい駄作。
フランス移民の判事が出身国の麻薬組織と戦う。相手は手ごわい大ボス。ファンタに来た作品に主演級で出ていた俳優の共演。マフィアと言うとイメージとしてすぐシチリアとなりますが、フランスならコルシカのようです。
私もシチリアに行った時ちょうど判事が爆弾で殺され、その時できた大穴をよけて空港から町に向かいました。その規模はビルの工事現場で地下室を作るために掘る穴ぐらいの大きさで、呆気に取られました。もう事件は起きてしまい、判事の命は戻って来ませんが、兵士が町中銃を持って警戒していました。マフィアと戦うということはこのぐらい深刻なんだと目の前の穴を見て思いました。
フランス版フレンチ・コネクションはかなりヘビー級の作品のようです。
トレイラー: 物凄くイモーショナルな作り。車、衣類、調度品などにかなり気を使って、70年代雰囲気を作っている。
後記: 気合の入った力作・大作です。出演者全員が作品の意味、時代背景などををよく理解して仕事にかかっています。主演に当たるのがアル・パシーノ vs ロバート・デニーロ的に対決するジョン・デュジャルダンとジル・ルルーシュ。2人は容姿が似ていて、2人の家族思いの人間が正義と悪という別々の世界で自分の立場でできる限りの事をしている様子が描かれます。2人は私生活では友人同士。相手を憎むという演技ではなく、相手を認めながら立場上戦い続けるという風になってました。
自動車のファンには必見の作品です。70年代、80年代の車がぞろぞろ出て来ます。あまり車が燃えたり大破するシーンが出て来なかったのは、撮影に使う車を壊すのがもったいなかったからかも知れません(笑)。
隕石が降って来て2人の女性が狂気に走るのだそうです・・・という説明をインターネットで見たのですが、ファンタの解説によると、ちょっと違います。
H は主人公を指すらしい。大きな像の頭が川に流れ着く。全4篇。2人の年の違う、ヘレンという名の女性の物語。1人は赤ん坊の人形と暮らしている。若い方のヘレンは妊娠中。しかし病院からよろしくない診断を受け取る。
トレイラー: 美的に狂っています。確かに隕石は落ちてくるようです。
後記: やはり前日2時間しか眠らず、早朝から仕事をしたため、中で10分ほどブラックアウト。で、4編ある話の1話の終わりと、2話の始めが欠けています。そのほかの部分を見ると全体のコンセプトが撮影前にきっちり考えてあり、統一の取れた作品です。非常に平凡な小さな町に超常現象が起き、平凡な人の自然な反応を淡々と描いています。助かった人の家族、助からなかった人の家族など非常に繊細な描き方です。私には気に入りましたが、賛否両論で気に入らないと言う人もいます。同じ静かな作品でも、Observance よりよかったと思います。
監督は長編デビュー 。
アイルランドの粉引きに使われていた家に引っ越して来た家族。そこには悪魔が・・・。ロンドンから来た理性的な男が地元の住民の警告を無視して、迷信と決め付ける。欧州人の大好きな森の中で起こる怖〜い話。
トレイラー: まじめな(=手堅い)作り。
後記: 酷い目に遭う主人公夫婦に同情心が起こらない作りになっていました。話をおもしろくする気味悪い要素は十分揃っていたのですが、主人公亭主のキャラクターが感じ悪くなっていて、むしろ主人公に警告に来る隣人に納得してしまいました。振り回された母子はいい迷惑。
2008年制作、2009年ファンタ参加の ON AIR オンエア 脳・内・感・染の監督。普段はテレビの仕事をしている。
ハロウィン。小さな保守的な町の17歳の少女が不本意に妊娠したことを知る。恋人の到着を待っていたら、おかしな様子の子供が来る。彼女はその頃から周囲の様子がまともに思えなくなり、恐怖心を抱く。正気を失って行く彼女。妊娠の生なのか、本当に周囲に異変が起きているのか・・・。
ON AIR オンエア 脳・内・感・染でも、誰/何が正常で、誰/何が異常なのか分からなくなる状況を低予算のセットで作り出したので、期待しています。
トレイラー: 家の中に猟銃を持った男と女が入って行く。何が起きているのかはトレイラーでは良く分からないけれど怖そう。
後記: ファンタらしくない駄作。ロバート・パトリックがもったいないです。前半がだらけているのと、複数のテーマがまとまり切れていないまま出て来るので、制作側のメッセージが不発に終わります。
2012年制作の作品がファンタに来ていますが、映画監督としては今一つ。色々な要素を取り入れた結果何を描きたいのかが不明確になっていました。本職はメイク。前の作品に出演した俳優を少し使っています。
トレイラー: 前の作品よりは良さそうな印象。今回はテーマに集中できたのでしょうか。主人公と思われる列車の車掌が、急に止まってしまった列車から乗客を連れて線路に降ります。時は満月の夜中。そこからいかにもホラーという展開で、何かに噛まれた人が出ます。実は犯人は狼男。どうやらそこからはサバイバル映画になるようです。
後記: 前作よりはジャンルにきちんとはまっていて、違和感がありませんでした。ミッドナイト・ミート・トレインとやや似た感じもありますが、こちらは殺人鬼ではなく狼男です。噛まれるとそれだけ人数が増えるので、列車に残っている人は気が気ではありません。
警察の腐敗を扱ったスリラー。監督が書いた作品。2010年のファンタに参加した前作 Tony で主演だったフェルディナンドが今回も主演。
トレイラー: 前作と違いユーモラスではない。どうやらロンドンに住むバルカン系外国人の犯罪と警察の腐敗を描いているらしい。英国は変な国で、大きな要になる所は英国の威信、覇権で抑えておきたいらしいが、詳細(一般人の生活)はどうでもいいらしく、白人の英国人ですら長く失業状態におかれ、生活がすさんでいた。外国人もほぼ入れ放題に入れ、3K仕事をやらせ、町の治安がどうのということはあまり意に介していないような状態が延々何十年も続いていた。その結果を映画化したような印象を受ける。
後記: マルセイユ・コネクションが良過ぎたのでややかすむが、まじめに作っている。主演俳優が渇き。の役所広司と体型や見た感じが似ている上、1人は辞め警、1人は汚職警官と少し共通している。ただ、こちらは犯罪社会の現実に焦点を当てている。佳作。
他人の人生を観察、研究し、果ては乗っ取ってしまうのが趣味の中年男の話。
後記: 枠の設定から考えるともっと怖い、猟奇殺人的な方向か、精神異常者の方向に行きそうで、トレイラーを見ていてもそんな印象を受けました。ところが意外な方向に進み、意外なショーダウンになります。気味悪い設定なのに主人公以下関係者は非常に人間的な行動を取り、ショーダウンも意外ではありますが、マイルド。きっちりした作りの作品なので、ファンタだ、スリラーだと考えずに見ても楽しめます。一般人にも向くかも知れません。
長編2作目。23世紀、地球は経済破綻。しかし他の星に移動する技術を開発していた。行った先には貧困は無く、人類はそこを植民地にしている。それで妊娠中の妻を持つ主人公もその星に向かう。しかし何か不都合が発生。主人公以外は死亡。地球からは救援隊が来る。ところが伝染病発生。仲間はお互いを殺し始める・・・。類似の作品のいいとこ取りをしたという感想を持つ人もいるようです。オリジナリティーには疑問がつくようですが、エンターテイメントとしてはちゃんと見ていられるようです。私は今でもサンシャインの多くのシーンが気に入っています。ストーリーが多少弱くても、宇宙船や付近の様子が広々していて、夢のような気分にしてくれました。それだけでもSFを見る価値はあるんだけれど。
トレイラー: なるほど色々な作品の寄せ集め的な印象を受けます。あとはストーリーがおもしろく語られているかが勝負。そこで勝てばいいのですよ。
後記: イベント・ホライゾンの失敗例。俳優が弱かったです。素材はこういう作品を作るのに十分。
この監督の初期の作品を2本見ましたが、結構いい出来です。
別れた妻に夕食に招待される男。前妻には新しい友達ができていたが、妙な雰囲気が漂う。
トレイラー: 見ましたが、トレイラーだけでは内容の深さが把握できません。
後記: 今年は力作が少ない印象の中、鼻の差ではなく、頭1つ前に出た作品。
撮影は家1軒を使っただけ。場所はロサンジェルスで、ハリウッドの近くの高台のような感じ。出演するのはカップルなど上のリストで全員と思われます。その家に以前住んでいた男と、現在も住んでいる女が以前は夫婦。子供が死に、夫婦仲が壊れ離婚して2、3年。それぞれ新しいパートナーがいます。再会パーティーとして、過去の友達が集まります。話はそこから疑惑が生まれる方向で発展。出演者に割り当てられた役のバランスが良く、観客も一緒に話に誘導されます。そして衝撃のショーダウンへ。ほとんど全て家の中の会話で進むところは去年の超低予算 SF、井上さんも書いていたランダム 存在の確率と同じ手法。金は使わず頭を使えですね。
クサマの4作品中3本見ましたが、3本の中では1番。
劇場長編デビュー
後記: 南アフリカからは時々驚きの完成度の高い作品が来ます。前回は全くスターが出ていませんでしたが、今回はスターも使っています。
これが長編デビューなんてご冗談でしょうというぐらい話が密で、かつアップテンポのアクション続き。プロットもおろそかにしておらず、最初は重装備の銀行強盗で始まり、最後は世界的な規模に発展しますが、手を抜いていないので、緊張は最後まで持ちます。アクション・ファンにも犯罪映画ファンにもお薦め。
友人2人。かつてドジをやって1人が暫く国を離れる。戻ってみると恋人を友達に取られている。かつてのようにまた犯罪に手を染めるが、かつてのようにまたドジをやる。町中を追いかけられているうちに死体の山・・・。
トレイラー: よく考えないで行動するとこうなるという例の列挙。
後記: チェックしていませんが、もしかして原作は漫画?時間の長さでなく、内容での分け方ですが、前半は無軌道な若者とその周辺の話。後半は漫画チックな展開で、理想主義を掲げて終わり。子供向きか。でもこんな映画ではあまり教育効果は期待できないです。
監督は長編デビュー。
トレイラー: トレイラーで作品の本質を描くのはちょっと難しい。
後記: 外は現在よりは前のしかし70年代よりは後に見える世界。近代的な病院、今よりはやや古いテレビ受像機などがある。場所はどこかの広々とした田舎で、少し行くと小さい町がある。 主人公の親子4人家族はしかしアーミッシュのような、電気製品の無い、古い生活スタイルを守っている。宗教的ではあるが、狂信的ではない。両親は子供が外の世界に触れることを厳しく禁じている。子供2人には場所を一瞬にして移動できる超能力が備わっている。母親にもその能力がある様子だが、普段の生活では使っていない。両親が作ったのか、外の人間が作ったのか分からないが4メートルを超える高い柵があり、外からは中が、中からは外が見えないようになっている。
説明不足の作品なので、想像、解釈するしかありませんが、両親が結婚した時に母親は超能力を封印したように見える。その後はずっとアーミッシュ的な手作り路線。親子の生活は農場や森があってそれで成立している。子供たちは親に禁じられている超能力を時々こっそり使っている。娘は外の世界を見たい。ある日母親が発作を起こして他界。父親は母親を埋葬し、娘をボートに乗せて川に流す。一種の捨て子。娘は無事町に流れ着き、警察や病院に保護されるが、社会生活の経験が無いので、危害を加えられると感じて保護された場所から脱出。その後ホームレスに出会ったり、いくつかの経験をした後、家に戻って来る。
家に残っていた息子は父親と対立。息子が超能力を持たない父親を腕に抱えたまま瞬間移動をしたため父親は死亡。父親を埋葬した後戻って来た娘と一緒に自宅を燃やす。
大邸宅の自宅を燃やすのは過去と決別するためなのかも知れませんが、では今後どうするのという問に何の言及もありません。娘は当然外の世界の経験を語るだろうから、ここにい続けた方がいいという結論になるだろうし、逆に今後子孫を増やすつもりなら結婚相手を見つけて来なければならない。
肝心なところは曖昧のまま終了。一般の人間以上の能力を持った人間を犠牲者、被害者と描く映画の傾向に疑問を持っています。主人公を超能力の持ち主として描くことで、他の人よりずば抜けて優れているんだという主張をする一方、一般の人の理解が無く、被害者になってしまうからやむなく戦うのだという展開が多く、一般の人がこのお父ちゃんのようにあっけなく死んでしまうんだということはあまり語られません。その意味では一般人のお父ちゃんと、超能力を持ってはいても封印しているお母ちゃんは、超能力者、非超能力者が調和して暮らしている例でした。ところが子供たちがそれを壊してしまう・・・一体この映画は何を言いたかったんだろう。
監督はデビュー。人里離れた農家を犬の群れが襲う。オーストラリアで人里離れるというのは欧州とはわけが違います。
トレイラー: 今年は色々なジャンルから満遍なくということのようで、これは動物ホラー。危険を感じて警察に連絡したものの、ちゃんと頭を使わないと皆食われてしまいます。多少の武器では役に立たない。家に閉じこもっても安全とは言えない・・・。
後記: 日本語に魚に関する単語が多いように、西洋語には動物に関する単語がたくさんあります。pack というのは狼などの群れを指します。動物の群れ方によって何種類か言葉があり、狼や野犬だと pack です。
群れという日本語の単語から言うほど集まる動物の数は多くなく、The Pack に出て来る獰猛な野犬も数匹です。数匹でも農家の夫婦、パトロールに来た警官を噛み殺すだけの力があり、親子4人の一家も自衛しなければならなくなります。
私はこの種の作品はあまり好きではないと言うか、関心がありませんが、The Pack は話をオカルトに持って行ったり、狼男にしたり、何かしらの伝染病や動物実験に持って行ったりせず、単に人里離れた田舎の農家を襲うという話にしています。そのすっきりしたところが気に入りました。
監督はデビュー。できたてのほやほや。悪魔のストップ・モーション・アクション・アニメ、オカルト、悪魔・魔女崇拝、ポルターガイスト、エクソシスムス、血とフラメンコと言って売り込みをかけている。フラメンコだけが独特。昔風のアニメと、最近のデジタル・アニメを組み合わせている。ベルリンにファンタのCMアニメを作った工房があるが、その人たちと似たエンターテイメント性が感じられる。
夫で有名な闘牛士を失った妻は深い鬱状態。彼女は世界的に有名なフラメンコ舞踏家。8歳の息子のダミアン(!)は反抗期な上に狂気を帯びている。医者も精神分医もお手上げ。考えあぐねた末神父レーニン(!)に助けを求める。その神父は教会から破門されている。
トレイラー: 色々な実写映画、アニメのいいとこ取りをして、上手に混ぜ合わせ、組み立てた感じ。トレイラーを見ているだけで笑いがこみ上げて来る。色々な映画のパクリ、失礼、オマージュ満載。
後記: この作品もとても楽しみにしていたのですが、睡眠不足が祟ってブラックアウト。DVD が出たら見ないと。頭が働いていた時に見た部分だけでも爆笑です。
安い作りのデビッド・リンチ風作品との触れ込み。
ホラー映画の企画をした男がプロデューサーから条件付で OK を貰う。狩に行った親子は猪を見つけるが・・・。テレビ司会者は全身に痒みを感じ・・・。
こういったエピソードがどういう風に絡むのか?
シャマランと同じで、癖のある監督。作品が気に入った人はずっとついて行くでしょうし、気に入らない人はどうしようもないです。
トレイラー: 最初から「この映画は実際には存在していません」と言われる。あまり見ようとは思いませんが、所々にチラッとおもしろいシーンがある。シュールさを目指しているようではある。撮影に使われている街角は他の作品とも共通していて親近感を覚える。
字幕不備の手違いがあり、最終日に再上映決定。
後記: 2度目見ましたが、やはりそれほど感心しませんでした。ただ、設定がどうなっているかは分かり、確かに独創的です。メメントなどのように時間軸に工夫をした作品はいくつか見ましたが、Réalité は現実、劇、劇中劇を所々ドッキングさせ、劇中劇の人物が現実の人物と直接電話で会話したりします。メビウスの帯のようにどこかでスーッと現実と非現実が繋がって行きます。なので私はその設定にはユニークさを感じました。ただ仲間のように大笑いするほどではありませんでした。
劇場長編2作目。若い女性が囚われていたが、やがて犯人と主格逆転する。
トレイラー: こういう事件をテーマにするのはいいが、興味本位の面だけを強調せず、なぜ犯人がこういう事をしたのか、被害者が解放後こんなにすぐエネルギーを発揮してやり返せるものなのかってな点はもう少しシリアスにやってもらいたいです。
後記: 駄作のコンテストをやるとしたら優勝です。何かしらテーマを思いつき、そこへ持って行くために途中をあれこれくっつけ、話の矛盾とか、観客の受け止め方を全然考えずに作ったという印象が拭えません。
後記: 物凄く印象の薄い作品でした。
監督は長編劇場デビュー。元々はガイ・ピアスとフーゴ・ウィーヴィングが共演するはずでしたが、ピアスは降板。結果として最終的なキャスティングでよかったとの評判です。2人の共演は見たいですが、この作品には向かなかったのかも知れません。
オーストラリアの田舎に越して来た一家。住み始めて暫くし、砂嵐が来た後、2人の子供が失踪。刑事も加わり捜索をしている間に、人間関係の裏側が見えて来るという話。
トレイラー: 女性がギャーギャーわめいているだけ。キッドマンはこの作品ではナオミ・ワッツにそっくりの様子をしています。ワッツは元々はキッドマンのスタントインができるほどキッドマンに似せていましたが、有名になって大分してからは、作品によっては自分の路線を作る時があります。そのワッツに今回のキッドマンは良く似ています。2人は有名になる前からの友人なので、お互いに相手の個性を自分に取り込んだ部分があるのかも知れません。
後記: トレイラーよりは良い印象で、家族、町の住人のドラマとしてはきれいにまとまっています。どの家族もどの住人も色々問題を抱えていて、親が知っている事、知らない事があります。そんな中砂嵐が来て、その後キッドマン、ファインズ夫妻の2人の子供が消えてしまいます。ちゃんと仕事をしてくれる保安官がいますが、保安官には色々経験があるので、子供たちが犯罪の被害に遭った線、砂嵐で事故っぽく行方不明になった線、自らの意思で家出をした線など複数の可能性を考え、最初から決め付けません。家族としては誰かに連れ去られたか、嵐で遭難したかしか考えられず、妻役のキッドマンはややヒステリックになり、最後は気がふれて全裸で町のメイン・ストリートを行進。このシーンが取ってつけたようで不自然でしたが、何か事情があってこのシーンを挿入したのでしょう。キッドマンは体のバランスが悪くて、全裸で見てもあまりきれいな感じがしません。ブリジッロ・バルドーやソフィア・ローレンの方が体の長さのバランスが取れていて、見ていると感じが良かったです。
当初はファインズの代わりにガイ・ピアスが考えられていたようですが、ファインズはうまく役にはまっています。ピアスを出すなら保安官の役がいいかも知れませんが、ウィーヴィングは適役でした。保安官役は1人しか要らないので、ピアスを出すとすれば夫役。となるとちょっと違和感が。全員オーストラリア人で固めたかったのでしょうが、役に合わない時は英国から人を連れてくるのが正解。キッドマンはあまり強いオーストラリア訛りを話しておらず、ちょっと残念。主要人物3人が皆ちょっとフレーバーの違う英語を話していたのがちょっと興醒めでした。
監督は長編デビュー。言語は英語とされているが、トレイラーではスペイン語を話している。
主人公の女性は不動産ブローカー。使われていないアパートで誕生日を迎える恋人とロマンティックな一夜を過ごそうと思った。ところが死体に躓く。このアパートの最後の間借り人だった。斧を持った殺人者はまだその辺をうろついている。
80年代のホラー映画のスタイル。
出演者の役名などを見ると、古い家を家主か管財人が処理する過程で起きた事件かなとかんぐっています。
トレイラー: ホラー映画の要素満載。加えてスペインにまだ残っている古い大きなアパートがいい効果を出している。長編デビューにしては手堅い作り。
後記: スペインの古いアパートは他の映画の方がうまく生かされて撮影されていた。女性の方が生きる意思が強く、男性の方が受動的に描かれているが、男女の役割を逆にしただけでは女性解放とは言えないいい例。
最近ファンタに参加した作品の監督。出演はこの人たちの大先輩の監督や裏方。ディア・ハンターのサベージも出演。私と暫く話し込んだマッキントッシュも出演。
トレイラー:
後記: 大勢の有名人が出演し、ハロウィンにからむいくつものストーリーを披露。結構期待していたのですが、今一つまとまりが悪く、パーティー気分になれませんでした。こういう企画は本の少し波長がずれると花開きません。
オーストリー映画はあまり知られていませんが、自前の映画、テレビ、舞台があり、ドイツの俳優と行き来があります。俳優人はオーストリーでは有名な人たちとのこと。洒落た、皮肉たっぷりな会話が売りのようです。
何百年も生き、あらゆる物を見、経験した吸血鬼ゲザ・フォン・コツヌム。現在は何を食べても味気無く、夫婦仲は冷えている。30年代のウィーンには幸いなことにジグムント・フロイトが開業していた。毎夜彼の診療所を訪れ、治療をしてもらっていた。そこでゲザはフロイトにかつての真実の恋について語る。しかしその女性はとっくに死んでいる。ところがある日ウェイターのルーシーの絵を見て、かつて恋をした女性だと思う。
トレイラー: オーストリーなので強いバイエルン訛りかと思ったら、ほぼ標準語なので、私でも理解できます。トレイラーを見ただけで笑ってしまいました。全編を見たらお腹の皮がよじれそう。
近いためか監督と主要俳優が来ます。
後記: 楽しみにしていたのですが、睡眠時間2時間で仕事をしてから映画館に行ったので、ブラックアウト。この作品はドイツ語なのでドイツでいずれ公開、DVD 発売が期待できます。ホールでの評判は良かったのですが、製作者、出演者のインタビューがやや良さを殺いだ感じはします。ただこの作品だけを見ると爆笑できそう。
短篇特集
ファンタは一応18歳未満お断わりとなっております。
ここに登場するノアは狂信的な男とされ、箱舟に世界のさまざまな動物を乗せます。予定よりずっと長い間箱舟に閉じこもっていたのですが、その間に動物たちが意外な側面を見せ、地上でも予想外の事が起こっていたという内容。
トレイラー: スケッチブックに絵を描いて、切り抜き、それを動かしながら撮影してアニメ化する手法。絵は印象に残りませんが、描写は成人映画。アップルを使った様子。
夫婦らしきカップル。女性は台所で肉料理を作っている。その間に男性は自分の皮膚を全部剥がしている。女性は夫が自分のためにやったので、大喜び。2人は幸せそうに彼女の作った料理を食べ、赤ワインを飲む。夫はしかし日常生活に支障を来たす。
私たちのように皮膚を失った経験のある人間にはすぐ分かるのですが、本当はこんな事はあり得ず、ファンタジー。とは言うものの大事故で例えは皮膚の65%に重症火傷を負っても治療はでき、それなりに日常生活に戻れますので、一見手の施しようが無いように見えても、必ず救助しましょう。最近の技術は驚くほど発達しています。
本編: 音無しで見たのですが、退屈。
主演女優はドイツで有名なコメディアンヌ。知り合いのコメディアンのグループで音楽を担当していた人の元の妻。離婚当時はドイツ中で大騒ぎになり、私たちは元ご主人に同情していました。ご主人はいい人で、子供の世話をするため派手な芸能活動はせず、なるべく家にいられるようにしていたようなのですが、奥さんは派手派手路線でした。彼女は今でもスター。
トレイラー: あまり金持ちでないドイツ人のアパートの台所のシーンから始まる。 ドイツ人が常食にしているソーセージを電子レンジから取り出し、かじる。この人の職業は警官。おもしろいかつまらないかはトレイラーでは判断がつきませんでした。トレイラーには中年男が1人出て来るだけ。
夜な夜な泣き叫ぶ乳飲み子を持つ若い夫婦。子供がうるさくて夫婦は大喧嘩。
トレイラー: うすいピンク色が全編に使われている。そして若夫婦に似つかわしくない鋭いナイフもピンク色。奥さんはアメリカの60年代を思わせる服装、髪型だが、めちゃくちゃに乱れている。1番恐ろしいのは奥さんの叫び声。
お父ちゃんのクレジット・カードを使ってショッピング・モールで買い物三昧の若い娘。地下駐車場に戻ってみると車が見つからない。その上近くに不審者がいる様子・・・。
トレイラー: きれいな若い女性が暴力犯罪の被害者になっているシーン。
短編3部作の3作目。
トレイラー: 若い女性が暴力犯罪の被害者になっているシーン。
死んだ恋人が、彼女の死後も恋人が浮気をしないよう見張りに来る。新しい恋人はすでにいる。
トレイラー: ベートーベンの第9が流れる中男女が登場するが、トレイラーだけでは内容は分からなかった。
フィナーレ
テレビの仕事の多い監督。ベーコンはファンタでは気に入られているスター。小さな町の保安官のパトカーを盗んだ10歳の少年2人。ベーコンが相手だと怖そう。
トレイラー: ケビン・ベーコンが良く考えて出演を決めたなという印象の作品。おもしろそうです。
後記: 今年のフィナーレとしてはまあいいでしょう。この役はケビン・ベーコン、マイケル・キートン、xxxxxxなどにぴったりです。
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は |
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(A - 英、葡
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(
La
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(O
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