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(その他の監督: Marwen Abdallah, Franck Allera, Simon Astier, Julius Berg, Chris Briant, Jean-Christophe Delpias, Julien Despaux, Vincent Jamain, Pascal Lahmani, Christophe Lamotte, Alexandre Laurent, Karim Ouaret)
F 2009- @52 Min. TV
レギュラー出演者
Odile Vuillemin
(Chloé Saint-Laurent / Chloé Fisher - 心理学教授、捜査協力者)
Guillaume Cramoisan
(Matthieu Pérac - 殺人課捜査班主任、クロエと反りが合わない)
Jean-Michel Martial
(Grégoire Lamarck - 捜査班の責任者、クロエをリクルートし、捜査に協力させる)
Vanessa Valence
(Frédérique Kancel - 捜査班の一員、クロエに対し不信感を持つ)
Raphael Ferret
(Hippolyte de Courtène - 捜査班のコンピューター要員)
Guillaume de Tonquédec
(Le Doc (ドクター) - 法医学者)
Didier Ferrari
(Le Doc (ドクター) - 法医学者)
たまに出る出演者
Laurence Cormerais
Delphine - マシューの妻)
Loïze Nouvel
(Emma - マシューの娘)
Jacques Fontanel
(Dr. Jost)
Guillaume de Tonquedec
(Le Doc (ドクター) - 法医学者)
Jéromine Chasseriaud
(Chloé、ティーン時代)
Didier Mérigou
(Michel Fisher - クロエの父親、若い頃)
Jacques Hansen
(Michel Fisher - クロエの父親)
Marie Kremer
(Louise Drancourt - クロエの腹違いの妹)
Stephane Coulon
(Adrien - ルイーズの夫)
Matteo Brocard
(Eliott - アドリエンの息子)
第2シーズン第11話の出演者
Philippe Duquesne
(Michel Rivière)
Marie-Heélène Viau
(Chantal Rivière)
Jean-Marie Lamour
(Père Fillaud)
Gaël Zaks
(Jonathan Saurier)
Stéphanie Reynaud
(Marie Saurier)
Anne-Sophie Girard
(オーガナイザー)
Sylvie Guichenuy (Gardienne)
Thierry Baumann
(Manuel Rambal)
Guillaume Carrier (Serge)
David Talbot (Eric)
Alex Skarbek (Xavier)
John Sehil
Jean-Louis Tilburg
第2シーズン第12話の出演者
Jean-Luc Lemoine
(Laurent Jamin)
Pascal Demolon
(Marc Thévenin)
Marie Béraud (Pauline)
Arielle Sémenoff
(Yvonne Martin)
Jean-Claude Bonnifait
(Pierre Martin)
Arek Gurunian (副市長)
Marisa Commandeur (看護婦)
Frédéric Buret
(匿名アル中自助会のメンバー)
John Sehil
見ている時期:2015年1月〜
★ マシューとクロエの関係
ちょっと近くなりかけたマシューとクロエの関係は、クロエの理性で近づき過ぎず、ちょっと近づき過ぎたフレディーとマシューの関係は平和的解決に至りました。
フランス語やドイツ語には日本的な敬語はありませんが、それに似た言語体系はあり、使う言葉によって敬語風に話すか、距離を縮めて話すかは一耳瞭然となります。
敬語系統の話し方をすると、相手の身分を考慮した上で尊敬の気持ちを表現できる一方、一定の距離を保つことにもなりますので、あまり近い関係にはなりません。過去には家族内でも TPO によって敬語を使うこともありました。
非敬語系の話し方をすると、1つには親しさ、距離の近さを表現できるので、家族、親友などの間で一般的に使われます。職種によりますが、同僚の間で敬語系の言葉を使うと水臭いと取られることもあります。
もう1つ、相手に対し尊敬の気持ちが無いことを明瞭にするために使う時があります。例えば今自分を襲っている最中の強盗に対して尊敬の気持ちは必要ないので、「こん畜生」という意味を込めて非敬語系を使います。喧嘩をする時もあからさまな争いでは非敬語系になることが多いです。皮肉たっぷりに上品にやる時は尊敬語でやる手もあります。
ドイツ語に翻訳されたマシューとクロエの会話では尊敬語を使っています。とは言え、番組が始まった頃の喧嘩腰はとっくに消え、信頼関係が生まれているので、親しいという意味で非敬語系の話し方をしてもおかしくないところまで来ていました。これはドイツ語だけかも知れませんが、よそよそしさを除くために敬語系を使いつつファースト・ネームで呼び合うという妥協策があり、マシューとクロエもそうなっていました。
★ マシューとフレディーの関係
一夜を共にしたマシューとフレディーの関係は次のような感じで平和的解決を見ています。フレディーは特にこの一夜の出来事にこだわるつもりの無い、さっぱりしたフリー・セックス・タイプでした。なので、マシューの側に彼女と関係を続けられる状況があれば時々付き合うでしょうし、夫婦仲が元に戻るなら1回切りというスタンスでした。
マシューは妻に不倫をされて傷ついた側ですが、自分が仕事に集中し過ぎて妻をないがしろにしていたのかも知れないという気持ちがちょっとあるらしく、また、子供のことも放り出したくないので、その後妻と難しい話し合いをし、元の鞘に収まるということで努力を始め、ついに再同居に至っていました。
あるパーティーで、警察のティームが集まり、そこでマシューの妻とフレディーも率直に話し合い、不倫問題でのわだかまりは解消します。
★ クロエの妹に不信感を持つマシュー
第1シーズンの頃、マシューはコンピューターで検索してもクロエの資料がブロックされているので不信感を持っていましたが、その問題がきっちり説明された後、今度は妹を探り始めました。
ここにはマシューのクロエに対する男女関係とは微妙に違う感情があり、クロエの身に何かあっては行けないという、父親的なグレゴワとも違う思いがこもっています。といったわけで、ちょっとおっちょこちょいのクロエは狂人のはずの父親ミシェルからも愛され、事件当時の担当刑事グレゴワからも父親のように愛され、喧嘩で始まったマシューからも兄妹に似た愛され方をしています。
前回書いたようにクロエに付きまとい過ぎるルイーズにマシューは不信感を抱いており、機会があるとマシューは直接ルイーズに対しても不信感を露わにしていました。特にマシューのアパートが何者かによって荒らされた後は完全に喧嘩腰。直接の実行犯がルイーズでないにしても、彼女が一枚噛んでいるとマシューは疑っています。
ところがクロエは長年孤独感を持っていたため、ルイーズの登場に喜び、彼女に対して不信感を抱くマシューの忠告は耳を素通り。
そのクロエもようやく嫌な感じを持つようになります。ルイーズはクロエの鍵のコピーを無断で作り、ある日クロエの留守中にクロエのアパートに入り込んでいたのです。間もなくルイーズは事実婚から法的な婚姻関係に切り替えることになっていて、結婚式の準備に忙しい時期でした。
女同士だということで衣装や、パーティーの席順など式に必要な事を何かとクロエに相談し、うれしそうだったルイーズですが、クロエは同時進行で大学では授業、警察では相談役として毎週違う事件を解決しなければならず、ルイーズだけに構っていることはできません。クロエは大学、警察、自由時間の間でうまくバランスを取っていました。
結婚式は2日後。ところがルイーズは徐々におかしくなり、ついに結婚式の衣装合わせをしながら、ヘアー・スタイルをクロエと同じにしてしまいます。こうなると心理学の専門家クロエは目を覚まさざるを得なくなります。
★ マシューの調査
クロエの時の調査に比べ、ルイーズの調査ははかどり、マシューは調査報告書を手にします。 グレゴワと相談しているうちにとんでもない事が分かって来ます。ルイーズとクロエには全く血縁関係がありませんでした。ルイーズは元々病院の看護士で、過去に勤めていた病院にはクロエの父親ミシェルが収容されており、ルイーズはミシェルを担当していたこともあったとのこと。
マシューはグレゴワと一緒にミシェルの収容されている病院に向かいます。強引にミシェルと面会し、ルイーズとの関係について詳しい証言を得ます。
その結果何と、マシューとグレゴワは刑務所病院からいとも簡単に手錠もかけずクロエの父親を連れ出し、ルイーズの結婚式場に向かいます。
★ さすがに皆引いてしまった
式場ではいよいよ式が行われ、ルイーズとアドリアンが夫婦として正式に認められるというのに、ルイーズはアドリアンの方を見ず、横に座っているクロエばかりを幸せそうに眺めます。そのルイーズの長かった髪はクロエと同じ赤毛に染められ、クロエと同じヘアー・スタイルにカットされています。式場の招待客もこの様子にドン引き。
すっかり自分をコピーされてしまったクロエは「これは深刻な精神的な疾患だ・・・ と正しく理解し始め、どうしたらいいのか真剣に考えています。
★ 狂ったルイーズ
親子関係があるのはクロエとミシェルのみ。ルイーズは看護人としてクロエの父親の世話をしているうちに、自分がクロエになりたいと思い始め、気が狂っているはずのミシェルにすら不信感を持たれ、ある日ついに2人の看護人と患者という関係が崩れます。周囲は逆の解釈をしていましたが、実はルイーズの頭の方がおかしかったのです。ルイーズが病院を辞めた時もルイーズがミシェルに襲われたように解釈され、病院側には不審感を抱かれず、ルイーズは次のステップに。
この後は放映されたシーンがあり、私たちも経過を知っていますが、ルイーズは計画的にクロエの生活に入り込み始めます。暫くの間は「孤独だった2人が母親の違う姉妹だと分かり、長い間のブランクを取り戻すべく近い関係を結ぶ」という説明でテレビの視聴者も、登場人物も納得。少しずつエスカレートしていましたが、第2シーズン最後の2話で異常性を帯びて来ます。
理解をやや難しくしているのは、クロエが狂った殺人者の父親を持つ女性ということになっているので、ちょうど今狂っているのがルイーズだとしても、クロエ自身が自分に対し不安感を持っていて、その気持ちを共有する(はずの)ルイーズに対する客観的な目が育たないという点。
ルイーズはクロエに対しては身分を偽って近づいていましたが、その事を証明できるのは病院関係者のみ。そのためマシューとグレゴワはミシェルを引っ張り出し、クロエに会わせようとします。で、3人は結婚式場に駆けつけたわけです。
式場ではすでにクロエとルイーズの間に揉め事が起き始めていました。新郎をほったらかしてルイーズがクロエにばかり付きまとったからです。無理やりクロエに引っ付いていたためクロエの持っていたグラスから赤いワインが純白のウェディング・ドレスにかかってしまい、ルイーズはトイレに駆け込みます。
ちょうどそこへマシュー、グレゴワ、ミシェルが到着。ルイーズとの揉め事でもちょっとショックを受けていたクロエは父親の姿を見て完全に精神的にノックアウトを食らいます。ミシェルはマシューやグレゴワに頼まれていたこともあり、クロエに何かを言うのですが、クロエの耳には入りません。おそらくは自分にはクロエの他に娘はいないと言ったのか、ルイーズは看護師だったと言ったのかではないかと思いますが、父親の言葉はこの日は分からずじまい。
マシューは間を置かずルイーズを追ってトイレに駆け込みます。そこで2人は正面から対決。ルイーズはクロエと揉めた後トイレで灰皿を鏡にぶつけたため、鏡が割れていました。マシューがルイーズを逮捕するために手錠を持って近づくと、ルイーズはガラスの破片でマシューの喉に切りつけます。
この週のメインの事件では瀕死の重傷を負った被害者が一命を取り留めるのですが、マシューにはそういう幸運は無かったようで、クロエが見守る中死ぬ最中。これで第2シーズンは終わり。
なのでルイーズが現場から逃走できたのか、ミシェルが何をクロエに言ったのかなど重要な事は分からずじまい。乞うご期待という形でたくさんの宿題を残して終わります。あっさり重要人物を死なせてしまう劇的なショーダウン。
★ コピーをする人
この番組ではルイーズが狂っているという設定になっていますが、狂人でなくてもこの30年の間に人の立ち居振る舞いから外見までコピーしようとする人が増えたように思います。
私は長年の間授業をする職業に就いていたこともあり、真似をされた経験が何度もあります。やっている本人にはほとんどの場合コピーしてやろうという意図(自覚)が無く、悪意もまずありません。それでも乾いた和紙に水が吸い込まれるようにサーっと真似されてしまいます。暫くすると私の目の前にもう1人の私が出来上がって行くので、気色悪いです。
私はこれを(相手側に変化が起こる)職業病と解釈することにし、仕事が終わったらきれいに忘れてしまうことに決めました。びっくりしたのはある男性に真似された時です。いつの間にか 内面的に私になり切っていたようです。私に出会う前はどんな生活をしていたんだろうと不思議ですが、あまり友人の多い人ではありませんでした。両親はかなりまともで、普通の人だった上、他の家族も聞いた限りではごく普通の若者のようでした。なのでクロエのように父親が・・・という話ではなく、突然変異的に同じ環境で育っても1人だけ別な展開になる例があるようです。
この人ほど極端でなくても、自分の内面を空にしてしまい、そこに他の人のキャラクターを入れようと待ち構えている人が増えているなあという気がしました。こういう人に比べるとエゴイストの方が付き合い易いです。
他の人の中に何か良い物を見つけ、それを取り入れるということは子供の頃学校で先生から「手本になる人を見つけろ」とか、「偉人の話に習え」などという形で教えられましたが、ここで私が言っているのは良い点、悪い点を選別せず、相手の生き方、姿形、立ち居振る舞いなどをできる限りコピーしてしまうタイプの人です。
別な形としては誰かがいい物を持っているとか、素敵な事をしていると思った時、自分も同じ幸せを味わいたいなあと思うことがあります。ただその時その人がやっている事を丸ごと真似しても、果たしてそれが自分に合うかは分かりません。マイケル・ジャクソンは子供の時ジェームズ・ブラウンの舞台を見て魅了され、自分もああなりたいと一生懸命コピーしたそうです。しかしルイーズと違って、ジャクソンは巧みなステップを踏むブラウンを見て、自分流に消化してから自分の舞台に取り入れています。この時点ではジャクソンはコピー屋さんではなかった、いい手本をヒントにして、自分の技術を高めたと言えます。
自分が上手くなろう、いい成績を上げようと思って(エゴ)、すでに上手くやっている人を見習う場合、自分(エゴ)という物があるので、あまり人生を見失うことはありません。真似は手段。ルイーズのような例ですと、クロエの真似をすること自体が目的になっています。ルイーズの解釈によるとクロエはミシェルに愛され、幸せな生活を送っている、自分もそのように幸せになりたいと願う、そのためにルイーズというエゴを捨て去り、クロエに成り切ってしまおうという論法です。
視聴者はもちろんクロエがそんなに幸せな毎日を送っているわけではない事を理解していますが、ルイーズから見るとそうは見えないので、コピーに走るわけです。では視聴者から見てルイーズはそんなに不幸なのかという疑問が浮かびます。病院勤務の看護士ですから、勤務地を変えても大抵失業することは無いでしょう。同じ資格で大金持ちの家のお抱え看護師になる道もあります。しかもアドリアンというパートナーを得、パリのかなりいいアパートに暮らしています(今時パリでこんなアパートを借りるのはほとんど不可能に近いです)。
外から見ていると不幸には見えないルイーズですが、思い通りに行かないと癇癪を起こし 、何をしですか分かりません。現在まではルイーズのこれまでの人生についてはほとんど説明がされていないので、どういう動機で彼女がこんな事をしでかしたのかは分かりません。
いずれにしろクロエは第2シーズンの最後にマシューの死に居合わせ、ちょっと心を許しかけたルイーズの素顔を見てしまい、まだ会うには心の準備ができていなかった父親が突然目の前に現われたため、壊滅的なショック状態。
正式に式を挙げた直後に放り出されたアドリアンはいい迷惑。妻になったばかりの女性が殺人犯。その上息子は前回ルイーズに利用されています。多くの宿題が残っているので、第3シーズンがキャンセルされることはありませんでした。私の知る限り、フランスでは現在第6シーズンに入っています。ドイツでそこまで放映してくれるかなあ。
第2シーズン
01 第3話
02 第4話
03 第5話
04 第6話
05 第11話
第3シーズン
06 第1話
07
08 第3話
09 第8話
10 第10話
11 第12話
12
第4シーズン
13 第3回
14 第7回
15 第6回
16 第8回
17 第10回
18 第12回
第5シーズン
19 第1回
20 第4回
21 第5回、第6回
22 第7回
23 第10回
24 第11回
25 第12回
第1シーズン
26 第1回
27 第2回
第6シーズン
28 第1回
29 第2回
30 第3回
31 第4回
32 第5回
33 第6回
34 第7回
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