URAtop厨房裏地下食料庫

illumination

 jaune
vert
blanc
rouge
bleu

 
 

 

イルミナシオン
illumanation
 

blanc




 


 
 
 
 
 

2
 
 
 
 
 
 

「それで、ビビはまだ心変わりせぬのか」
クロコダイルの執務室で、
ビビの話題が上がった。
「ええ、まだみたいです」
ミス・プリンセスはうやうやしく答える。
ミスター・プリンスは沈黙のままだ。

「まあ、もう少し生かしといてやるか」
クロコダイルはそう言うと、
もうその話題からは興味を失ってしまったようだった。

ゾロは扉のところでその会話を聞いた。

もう少し生かしといてやるか、だと。
つまり生きている。
体の底からふつふつと力が沸いてくる。
もう少しだ。
お前たちのところまで。

ゾロは扉のところで、
クロコダイルが通り過ぎるのを待った。
いつものようにただ待てばよい。
ミス・プリンセスがちらりとゾロを見てから通り過ぎた。
「先に行っていろ」
ミスター・プリンスもゾロの前を通り過ぎる。
?
妙に顔色が悪い。
どうしたってんだ。
後ろ姿を見送ってから、
クロコダイルの方を見ると、
ゾロの方にゆっくりと近づいてきた。

でけえ。
それにすげえ威圧感。
確かにコイツはただもんじゃねえ。
どんなド素人にだってコイツのもつ危険性は分かるだろう。
そう思った瞬間、
腕をぎりりと掴まれた。
「・・・ぐっ」
もの凄い握力で、
骨がきしみをあげる。
もう少し力を入れたら骨がくだけるというところで、
掴んだ指が離された。

「次はこちらの手でやる」
そう言って金属で出来た左手をかざす。

「お前の仕事はミスター・プリンスに触れることではなかろう」
一瞬何を言われたのか分からなかった。
いつ触れた?
そういや腕を掴んで引き寄せた。
・・・まさか、
あの時のことか・・・。

悪かったミスター・プリンスの顔色。
昨夜は静かだったように思ったが・・・。
いかれている。
それともミスター・プリンスが何か言ったのか。
毎夜の睦言。
度を越した執着。

まさか、
こんなところで、
クロコダイルの弱点が見つかるとは。

そう弱点だ。
必要以上の執着。
代わりのない人間の存在。
 
 
 
 
 



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