URAtop厨房裏地下食料庫

illumination

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bleu

 
 

 

イルミナシオン
illumanation
 

bleu





 


 
 
 
 

2
 
 
 
 
 

深夜、サンジはキッチンで最後の仕込みを終えた。
時計を見るといつの間にか12時を回っている。
サンジはしばらく椅子に座って、
静かにタバコをくゆらせた。

全て、終わった。
あのレインベースでの出来事は一瞬の幻だと思えばいい。

この船での日常は結構、忙しい。
大食漢の船長が常に食い物をねだるし、
油断をしたら食材が減るので、
見張りまでしないといけない。
ナミさんに納得してもらえるように動かねばならねえし。
にぎやかでバカバカしい毎日。
バカみてえだけど、
それもいい。

だが、することがなくなると秘していた記憶が溢れてくる。
バラティエでの思い出。
Mr.プリンスとしての思い出。
忘れられない飢餓の島。
ゼフのケリ。
何百回、何千回と蹴られた。
もう体が覚えている。
おかげで自分は色々なケリができるのだと思う。

・・・それから、
忘れられないクロコダイルとの情事。
一年近くクロコダイルに仕えた。
数え切れない位、抱かれた。
最後の方には自分からねだり、
腰を振った。
そうすることが当たり前だった日常。
慣れてしまえば何だって出来た。

体は快楽の味を覚えている。
サンジは飢えた体を抱きしめた。
男に飢えた体。
抱かれたい・・・。
それならばキッチンを出て、
ゾロの所へ行くといい。

でも心のどこかで拒んでいる。
アイツのオレを見る冷たい目。
クロコダイルの所に居た時と同じ刺すような視線。
容赦なく抱かれ、
放置される。
蔑みと欲情にまみれた視線。

何を考えてるのか分からねえ男。
いつも寝てるか修業してるかだ。
あいつは都合のいい道具を見つけたみたいだ。
好きな時にセックスできる生身の体。
オレの都合なんてお構いなしにゾロがその気になったら。
どこででもヤられる。

オレの体はクロコダイルに仕込まれてるから・・・。
イジられると勃つし、
入れられるともう駄目だ。
自分が使われてるってのは分かる。
でも気持ち良くなるとオレは駄目になる。
元々、そういう性格のところに、
仕込まれたもんだから、
もう好き勝手ヤられてる。
なのに、意識飛ばすくらい気持ちいい。

セックスなんて一日くらいシなくたってどってことねえ。
なのに、オレは夜になったら、
ゾロのところに行く。
同じだ。
クロコダイルの所に居た時と。

オレはクロコダイルから解放されたくてたまらなかった。
あの男が恐ろしかった。
あの男に翻弄される自分が恐ろしかった。

ゾロは・・・。
オレにとってゾロは何?

強制的に抱かれるのは嫌だ。
だけど自発的に抱かれるのも嫌だ。
もう何も考えたくねえ。

キッチンでヤられるのは嫌だ。
なら男部屋へ行けばいい。
ゾロが嫌なら一人でシたらいい。
どうすれば、いい。

オレは、どうすれば・・・。
 
 
 
 
 



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