|
|
|
|
|
イルミナシオン
bleu
|
9
サンジはふらふらした足取りで風呂場へ向かった。
何日かはチョッパーを抱いて気もちよく眠れた。
けど、今晩のゾロはとくにキツかった。
「食わせろよ」
そう言ってあたりまえのようにサンジを抱く。
体は待ちわびていたように、すんなりゾロを受け入れる。
どうでもいいんだ。
もう考えるのもメンドウだし。
ああ、だりい。
一刻も早く眠りたいが、
体に残る荒淫の後を洗い流したい。
オレはコックなんだから、
朝飯つくらなけりゃいけねえ。
それが出来ねえなら、
存在価値がねえ。
壁に手をつき、
重い体を引きずり、
やっと風呂場にたどりついた。
途端、
不意に風呂の明かりがつけられ、
まぶしさに視界を失う。
・・・ルフィ!!??
目の前にはルフィの姿。
「オレは海賊だからな。
欲しいものは奪うんだ」
そう言ってルフィは凶悪な笑みを浮かべた。
「今ならゾロは油断してる」
サンジは固まったまま動けなかった。
ゆっくりとルフィの唇が重なる。
どうして?
ちらりと浮かんだ思い。
ルフィとは、
こうなりたくなかったのに・・・。
引きちぎるようにシャツを脱がされる。
体のあちこちに残る情事の後。
サンジは目を閉じた。
きつい抱擁。
荒い息。
サンジの体を貫く楔。
それは熱くて、
サンジの脳まで焼き付くす。
キモチイイ。
やっぱり、こうされると、キモチイイ。
「サンジ、すげえいい。
やっぱりお前は最高だ!!!」
ルフィの声が聞こえる。
サンジは思わず目を開けた。
必死になってるルフィの顔。
それを見たら、
なぜだか涙が出た。
やがて、ルフィの性急な突き上げに、
なんだか分からなくなっていく。
頭の中をさまざまな光がよぎる。
チカチカと輝き消える明かり。
それは歓喜なのか、悲哀なのか。
サンジはそれら全てをただ感じていた。
眩しい、眩しい光。
落ちていく体。
落ちていく心。
やがて快楽の波に全てが飲み込まれていく。
快楽の園にたどりつくと、
そこには何もない。
ただ均等な歓喜のみが存在し、
苦痛も、
劣等感も、
渇望も、
全て彼方へ消える。
夢すらも消える。