URAtop厨房裏地下食料庫

illumination

 jaune
vert
blanc
rouge
bleu

 
 

 

イルミナシオン
illumanation
 

bleu




 


 
 
 
 

11
 
 
 

サンジは重いまぶたを開けた。
・・・・?
あれ、オレ何してたっけ。
朝か。
ここ、どこだ?
男部屋じゃねえぞ。
何でベッドにオレ寝てる?
・・・ルフィ・・・。
なんでこんなトコで寝てんだ、コイツ。
あれ・・・?
とにかく、メシだよな。

昨夜の記憶が抜け落ちている。
あれ、夕べ・・・、
オレどうしたっけ?

寝ているルフィに気づかれぬように、
そっと部屋を抜け出す。
そこに立っているゾロを見て、
サンジは体を強ばらせた。
 
 
 

ゾロは明らかに緊張するサンジの様子を睨むようにして見た。
どうして、コイツはこんなツラをオレにする。
だからオレはいつも酷くしてしまう。
ルフィとオレは似ている。
手に入れたいものは、
どんなものであっても手に入れる。
それが、どうしてコイツなのかは分からねえ。
いくら抱いても、
いくら乱れても、
やっぱりコイツを手に入れた気がしねえ。

男に慣れた体。
思った通り、
ルフィに抱かれても、
いい声を上げる。

コイツのためにルフィと全面衝突するのは避けたい。
ルフィはキャプテンの器だ。
あいつは本当に海賊王になるだろう。
オレはその夢に共鳴した。
それは生きる礎だ。

ルフィの船で、
ルフィが自分のコックに手を出す。
あたり前のことだ。
サンジは・・・、
それを黙って受け入れた。
コイツだって自分の立場くらいわきまえている。
共有されているのを誰よりも知っているのはサンジだ。
オレもルフィもサンジも、
トラブルを望んじゃいねえ。
だが、もう引き返せねえ。
 
 
 

「ゾロ」
不意に部屋の中から、
鋭いルフィの声がした。
鋭い目つきでルフィが起き上がる。

ルフィはサンジの方を見て、しししと笑った。
「サンジ、メシ!!!」
いつものルフィの口調に変わる。
サンジはあわてて、
キッチンに駆け込んだ。

ゾロにヤられるって覚悟したのに、
ルフィが・・・・。

タスケテクレタ。

そう思っている自分に気づいた瞬間、
ぽたりと涙が落ちた。

なんで。
オレ、淫乱だし、
ヤられるの好きなはずなのに。
この嫌なキモチは抱かれたら、
消えてしまう。
だから、誰とシたって一緒だ。

誰かになんとかしてもらおうなんて、
思っちゃいねえ。

守ってもらったりなんて、
そんなのいらねえ。
アイシテもらったりなんて、
そんなのいらねえ。
誰かに大切にしてもらうような人間じゃねえし、
誰かをアイせるような人間でもねえ。
それは、過ぎた望みだ。

生きてるだけで・・・。
ジジイに生かしてもらっただけで、
それはもうゼイタクなんだ。

だから、望んじゃいけねえんだ。
ユメみてえなことは。
誰かに、アイシテもらうとか。
 
 
 
 
 
 
 



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