★sand   storm★

ZORO ★SANJI
 
 
 
 

★1★
 

砂漠の地は眩しい。
来る日も、
来る日も、
ただ見えるのは乾いた土。

風にさらされて形を変えていく砂の群れ。
それはまるで生き物のよう。
砂に落ちた生はすべてが飲み込まれ、
あとかたもなく消えていく。

ルフィ達はレインベースを目ざして進む。
クロコダイルを倒すため。
それが海賊にふさわしいことなのかどうか。
そんなことはどうだっていい。
ただ「ぶっとばさねばならないから」行く。

海賊にはじめなどない。
終わりもない。
ただ進むだけ。
 
 
 

何日も誰にも会わない。
ルフィと、
ウソップと、
ゾロと、
サンジと、
ナミと、
ビビと、
チョッパー。
カルーとマツゲを入れても、これで全て。

騒々しいメンバーのおかげで退屈することはない。
ただ、歩いて、歩いて、ひたすら歩き続ける。

まったく、ひと暴れしてえもんだ。
ゾロは歩きながら思う。
ろくに修業もできねえし、
歩いてばかりだ。
まあ、これも修業だと思えばいい。

東の空を見上げると妙な暗雲が立っている。
「嵐がくるわ!!!
あの岩場まで急いで!!」
ナミの指令が飛ぶ。
砂漠の嵐は一刻一秒を争う。
安全な場所を確保できなかったものは、
砂に埋もれての死が待っている。

みな猛ダッシュをし、それぞれが安全な場所に隠れた。
ごうごうと砂の煙りが立ち、
光すら届かなくなる嵐。
まるで世界が突如、闇に覆われてしまったようだ。

ゾロはやや奥まったほら穴のような岩の中で嵐が通りすぎるのを待った。
いつ遭遇しても不快な嵐。
このまま闇に覆われてしまうのではないか。
意識を統一し、
精神を静める。

じっとしていると、
嵐ではない気配を感じた。

・・・誰かいる?

そう思った瞬間、
闇の中に光が浮かぶ。

薄暗い空間の中、
白い顔が浮かび上がる。

「・・・んだよ。
てめえいたのかよ」
「わりいかよ」
ゾロの言葉にサンジがふて腐れたように返す。

砂漠に来てから、
視界のはしを常に横切るサンジ。
ゴーイングメリー号の中では、
屋外にいることが多いゾロと、
屋内にいることが多いサンジは顔を会わさないこともよくある。

二人は無言のままだ。
やがてサンジのタバコの小さな明かりも消え、
再び闇で埋めつくされる。
吹き荒れる砂嵐が激しい音をたて続ける。
 
 
 
 
 

★1★2★3★45
厨房裏



リズムさんの80000リク、
「甘甘しあわせゾロサン」です。
続く・・・。