同伴犬(ベーハー) |
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脚側行進 実施要領図 |
BH(ベーハー)=Begleithundprufung |
BH(同伴犬訓練試験)は、人が犬を伴なって市街地や公園を通行する際に、安全かつ他人に迷惑をかける事なく行動できるように訓練されているかどうかを試験するのが目的です。 試験はセクションA「服従審査」とセクションB「往来における審査」の二つの試験とする。 <セクションA> 基本的な服従訓練を主として、特に脚側行進に重点をおいている。 <セクションB> 本来は一般の道路に出て行うのが良いが、競技会会場の仮定の道路で行い、犬が往来において起こり得る様々な状況の中、どのような態度を示すかという、全体的な印象が決定的な要因となる。 |
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訓練試験 | ||
(1) | BHを受験できるのは、生後15ヵ月1日以上の本会登録犬です。 ただし、本会(JKC)の非公認犬種・本会非公認団体登録犬・交雑犬であっても、マイクロチップ又はタトゥーを条件に受験できることとします。 |
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(2) | BH訓練委員資格者は、BH試験委員資格者のうちから選考される。 | |
(3) | 公開訓練試験とし、訓練競技会において実施します。 1.ブロック訓練競技会以上では必ず実施され、クラブ訓練競技会では任意となります。 2.公開訓練試験として取り扱われますので、他の試験と併せて5頭以上の申込みがあれば実施。 3.受験料は5400円です。 4.競技会のなかで時間を設けて実施される為、1時間10頭の枠内で行なうこととします。(10頭までで締め切りとなります。) 5.審査員長、または当日の審査員のうち、前項の資格者が試験委員を担当します。 |
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(4) | 試験の結果、不合格の場合は当該受験日から3ヵ月以上経過しなければ、再受験できません。 | |
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1.全般的な規約 | ||
この試験には全ての犬種および大きさの犬が参加できる。犬の年齢は生後9ヵ月1日以上でなければならない。審査終了後ただちに審査員から審査の講評と得点が発表される。セクションBに関しては、「可」または「不可」という評価のみが発表される。 合格となるには、セクションAにおいて満点の70%以上(42点以上)を得点し、かつセクションBにおいて審査員が3課目全て「可」と認めなければならない。 |
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2.セクションA:服従審査 | ||
全試験課目は基本姿勢(脚側停座)に始まり、基本姿勢で終了する。この場合、受験犬は右肩甲骨を指導手の左膝の位置に合わせた、落ち着きのある、集中した脚側停座を行わなければならない。 各試験課目を開始するに当たり、基本姿勢のやり直しは認められない。指導手は姿勢を正した状態で基本姿勢を行なう。体符の使用は禁止されており、使用した場合は、減点対象とする。 課目を行っている間は、犬の作業意欲を掻き立てる物品や、如何なる遊びに用いられる物品を携帯することは禁止されている。指導手の身体的障害に伴い、試験課目に設定されている一部分を正確に行うことが困難である場合、指導手は、その旨を試験開始前に試験委員に報告しなければならない。更に身体的な障害により、左脚側行進が不可能な場合は、実施要領を厳守した形で右側脚側での命令が認められる。 試験委員は、各課目開始時に指示を行うが、各ターン、方向変換、停止、歩度変更等は、試験委員の指示無しで、指導手自ら行わなければならない。ただし、必要に応じて指導手は、試験委員に対して課目順を確認することや、指示を出すように申し出ることは認められる。 一つの課目が終了した時に、犬を褒めることは許されている。ただし、次の課目を開始する前に、新たに指導手は、明確な基本姿勢(約3秒)を行わなければならない。 各試験課目間においても、犬は常に脚側位置を維持しなければならない。 |
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(1) | 紐付脚側行進 使用声符:「脚側行進」を促す一声符 | |
指導手は、犬に首輪又は胸部ハーネスを装着して基本姿勢をとる。尚、指導手による作業開始基本姿勢は、休止場所に向かうもう1頭の受験犬が「状況下の伏せ」を行う休止場所にて基本姿勢を行なった後に、行わなければならない。2頭による基本姿勢の後に試験が開始される。 紐付き状態にある犬は、指導手の「脚側行進」を促す声符にて嬉々とした態度で指導手と並歩する。この場合、首輪は引き締まらない方法で装着されている必要がある。 試験課目開始後、指導手は犬を伴い停止することなく常歩で50歩前進する。その後、左反転ターンをし、更に10〜15歩進んだ後に「脚側行進」を促す声符にて歩度変更を行い、10〜15歩に渡る速歩、続けて同距離に渡る緩歩を実施する。速歩から緩歩への減速歩数を用いてはならない。なお、二つの歩度速度は互いに明白に相違させる必要がある。続けて、指導手は脚側行進実施要領図に基づき、常歩にて右折2回、左折1回及び2回の反転ターンを行った後に停止(指示無し停座)を1回行う。この場合、犬は常に指導手の左膝位置に肩甲骨を合わせた状態で、指導手の前後又は脚側位置により側面に向かって、離れることなく行進しなければならない。 「停止」は、脚側行進実施要領図に基づき、2回目の反転ターン実行後に常歩行進中、最低1回実行される必要がある。「脚側行進」を促す声符の使用は、行進開始及び歩度変更実行時にのみ用いることが認められる。 指導手が停止した場合、犬は指導手による如何なる補助無しで、素早く停座に移る必要がある。この場合、指導手は場合によって離れた位置にて停座を行う犬の位置に向かうことなく、基本姿勢を行なう位置を一切変更してはならない。引き綱は常時、弛ませた状態で指導手の左手で保持される。 作業終盤、指導手は審査員指示にて犬を伴い最低要因4名により構成される群衆にて群衆内行進を行う。犬による指導手後方又は前方行進、脚側位置を側面に向かった離脱や各種方向変換実行時において犬による戸惑い等は、誤動作としてみなされる。 群衆内行進 指導手と犬によって実施される、構成員が動いている群衆を通過する脚側行進は紐付きの状態で実施される。群衆を通過中、犬を伴う指導手は群衆構成員一名を右回り、もう一名を左回りで(八の字)通過し、群衆要員脇で停止を一回行う必要がある。 試験委員の判断により、群衆内行進を再度行わせることは可能とする。続けて試験委員の指示により指導手は、犬を伴い群衆から離れた地点にて当試験課目作業終了の基本姿勢を行なう。群衆を離れて基本姿勢後に、犬を褒めることが認められる。 反転ターン(180度、半回転) 反転ターンについては、次の2つの方法が認められるが、試験中は何れかの方法一つに徹しなければならない。 1、犬は右向きに指導手後方を曲がりながら反転ターンを実行する。 2、犬はその場に於いて左向きに反転ターンを実行する。 |
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(2) | 紐無し脚側行進 使用声符:「脚側行進」を促す一声符 | |
試験委員の指示により、指導手は基本姿勢にて装着した引き綱うぃ取り外し、引き綱を襷掛けで肩にかけるか又はポケットにしまう。(共に犬と反対側面に) 試験課目開始後、基本姿勢より指導手は犬を伴い停止することなく常歩で約50歩前進する。その後、左反転ターンをし、更に10〜15歩進んだ後に「脚側行進」を促す声符にて歩度変換を行い、10〜15歩に渡る速歩、続けて同距離に渡る緩歩を実施した後、更に常歩で10〜15歩進み作業終了の基本姿勢を行う。速歩から緩歩への減速歩数を用いてはならない。なお、二つの歩度速度は互いに明白に相違させる必要がある。 |
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(3) | 常歩行進中の停座 使用声符:「脚側行進」・「停座」を促す各一声符 | |
基本姿勢より指導手の「脚側行進」を促す声符にて、犬は指導手と紐無し脚側行進で直進し、最低10〜15歩後、指導手は一旦停止し、犬に「停座」を促す声符にて犬を停座させる。なお、指導手は一旦停止せずに、動きに変化をつけたり、振り向くことなく、犬に「停座」を促す声符にて犬を停座させても良い。その後15歩前進し、即座に犬の方へと向き返る。試験委員の指示にて、指導手は犬の元へと戻り、犬の右側にて基本姿勢をとる。犬が命じられた停座以外の姿勢(伏臥又は立止)を行った場合、5点減点とする。 | ||
(4) | 常歩行進中の伏臥及び招呼 使用声符:「脚側行進」・「伏臥」・「招呼」・「基本姿勢」を促す各一声符 | |
基本姿勢より指導手の「脚側行進」を促す声符にて、犬は指導手と紐無し脚側行進で直進し、最低10〜15歩後、指導手は一旦停止し、犬に「伏臥」を促す声符にて犬を伏臥させる。なお、指導手は一旦停止せずに、動きに変化をつけたり、振り向くことなく、犬に「伏臥」を促す声符にて犬を停座させても良い。その後30歩前進し、即座に犬の方へと向き返る。試験委員の指示にて、指導手は犬を招呼する。この場合、犬は嬉々とした態度で、早い歩度にて指導手に接近し、指導手との間隔を詰めた正面停座をしなければならない。試験委員の指示にて、指導手の「基本姿勢」を促す声符にて犬は即座に基本姿勢を取らなければならない。犬が伏臥をせず、立止又は停座を行った場合、5点減点とする。 | ||
(5) | 状況下の休止 使用声符:「脚側行進」・「伏臥」・「停座」を促す各一声符 | |
他の犬による第一試験課目開始前に、指導手は事前に紐を外した犬を試験委員によって指示された休止場所にて、犬を基本姿勢より「伏臥」を促す声符で休止させる。その後、指導手は引き綱又は如何なる物品を残さず、犬に振り向くことなく、最低30歩離れた犬の視野内の地点まで進み、犬に背を向けた形で静止する。他の犬が第一から第四試験課目を終了するまで、休止中の犬は如何なる指導手補助なしで休止を継続しなければならない。試験委員の指示で指導手は犬の元に戻り、右側にて静止し、約3秒後、更なる試験委員の指示で指導手は「停座」を促す声符で犬は即座に基本姿勢をとらなければならない。 指導手による補助行為、落ち着きの無い犬の態度、犬による落ち着きの無い休止態度又は指導手が休止解除のため犬の元へ進む間に、犬が自発的に停座又は立止を行った場合、減点対象となる。休止場所から離脱せずに犬が立止又は停座を行った場合、当試験課目は部分評価される。尚、他の犬が第二試験課目終了前に、休止位置より3m以上離脱した場合、当試験課目の得点は0点とする。 他の犬が第二試験課目終了後に、休止位置より3m以上離脱した場合も部分評価される。指導手が犬の元へ歩みよる最中に、犬が休止場所を離れ指導手に向かった場合、最大3点までの減点とする。 |
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3.セクションB:交通に於ける審査 | ||
下記に説明されている各試験課目審査は、訓練練習会場外で行われ、市街地における、適切な周囲環境が使用される。試験委員と実行委員長は、各試験課目の具体的な実施場所(道路、路地、広場等)を決定する。当試験セクション実施により一般交通の妨げになってはならない。 当セクション構成の特性により、審査実行には十分な時間が計算される必要がある。 可能な限り多数受験犬審査(原則10頭)を重視した審査実行等により、当試験の本質的試験内容設定を疎かにしてはならない。 セクションB審査において点数制は採用されず、試験合否は受験犬の交通/公共の場における行動や態度の総合印象に基づき判断、決定される。 各試験課目は、試験実施参考内容として取り入れるべきであり、試験実施場所諸条件に合わせ、試験委員によって変更可能とする。必要に応じて試験委員は、受験犬が実施した作業を明白に判断の為、再度実施される又は変化した形で実施させる権限を持つ。 |
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(1) | 群衆との遭遇 | |
試験委員の指示で指導手は、紐付き状態にある犬を伴い指示された道路部分を歩行する。試験委員は、指導手と犬の後方、適切な距離を開けて受験ペアを追う。 犬は、常に指導手左膝に肩甲骨を合わせた位置にて、引き綱が弛んだ状態で指導手に従って行進する必要がある。 遭遇する歩行者や自転車通行人に対し、犬は無反応である必要がある。 歩行中、指導手が進む進路を走って横切る通行人役の要員と遭遇する。この状況に対し、犬は無反応である必要がある。 指導手と犬はそのまま前進し、最低6名で適度な間隔が取られている要員の群衆を通過する。通過途中、群衆要員の一名が指導手に話しかけ握手を求めてくる。指導手は、犬に指導手側面にて停座又は伏臥を命じ、犬は指導手と群衆要員の間で交わされる短い会話の間、落ち着いた状態で待機しなければならない。 |
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(2) | 自転車に乗った通行人との遭遇 | |
紐付き状態にある犬は、指導手とともに道路を進み、自転車のベルを鳴らしながら後方から接近してくる、要員が運転する自転車通行人に追い抜かれる。 その後、自転車に乗った要員は、指導手と距離を開けた前方地点にてUターンを行い、再度自転車ベルを鳴らしながら指導手と犬に向かってくる。そのまま、要員は受験ペアを通過するが、その際、要員と指導手の間に犬が位置する形が取られる必要がある。犬は自転車通行人に対し何ら反応を起こしてはならない。 |
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(3) | 自動車との遭遇 | |
指導手は紐付き状態にある犬を伴い、駐車されている自動車数台の脇を通過する。通過途中、自動車一台のエンジンが作動され、もう一台の扉が閉められる。 指導手と犬がそのまま前進し続ける途中、自動車が受験ペアの脇で停止し、運転手役の要員が自動車ウインドウを開けた後、指導手に道を尋ねてくる状況が設定される。会話中、指導手は、犬に指導手側面にて停座又は伏臥を命じ、犬は指導手と要員の間で交わされる短い会話の間、落ち着いた状態で待機し、当該試験課目実施中、犬は自動車や交通音に対し無反応である必要がある。 |
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(4) | ジュギング中の通行人やインライン・ローラースケーターとの遭遇 | |
紐付き状態にある犬は、指導手とともに静かな環境下にある道路を通行中、速度を変更せず後方から接近、追い越す最低2名のジョギング中の通行人と遭遇する。その後、更に前方から速度を一定に保ってジョギングしながら接近、通過する通行人と会う。ジョギング中の通行人が通過する際、犬は正確な脚側行進を実行することは要求されないが、犬は通行人に対し迷惑行為を実行してはならない。 ジョギング中の通行人と遭遇中、指導手は必要に応じて犬に対し停座又は伏臥を命じることが認められる。 ジョギングを行う通行人に代わりに、インラインスケートシューズを履いた通行人を起用した、当試験課目規定と同内容設定も実施可能とする。 |
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(5) | 他の犬との遭遇 | |
他の犬を伴う指導手が、正面と背後より犬を犬を通過した際、犬は通過する他の犬に対し、一切反応してはならない。他の犬が通過する際、指導手は犬に対し脚側行進を促す声符を使用することや、犬に対し一旦停座又は伏臥を命じることが認められる。 | ||
(6) | リードが固定状態にある、指導手によって一時的に取り残された、受験犬の交通に対する態度、他動物に対する態度 | |
試験委員の指示により、指導手は紐付き状態にある犬を伴い比較的通行量が多い道路を通行する。開始より短い道程を経て、指導手は更なる試験委員の指示により、犬のリードを柵、外壁の鉄製輪等に結び付け、犬の視野外にある商店や建物玄関等内へ移動する。 この際、一時的に取り残された犬は、立止、停座、伏臥の何れかの姿勢を取ることが認められる。指導手が不在中、犬と伴う通行人役要員が犬から約5歩離れた横を通過する。 この場合、取り残された受験犬は、他指導手や犬(温和な性格を持つ犬の起用が推奨される)に対し、攻撃的な態度(引き綱を強く引く、継続的な咆哮実施等)になること無く、落ち着いた態度で通過させる必要がある。審査員の指示により指導手は受験犬の元に戻る。 |
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【 注釈 】 各試験セクション課目を全犬に各試験実施会場にて受験させるか又は全犬に幾つかの試験課目のみ受験させるかの判断は、担当審査員の判断に委ねられる。 |