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相生市で今流行している病気

 水ぼうそう、おたふく、ウイルス性の胃腸炎が流行しています(12月)

 冬場は比較的水ぼうそうが流行しやすいですが、今年はとくに多いような印象です。おたふくかぜは、夏にも流行しましたが、ここに来て幼稚園や小学校低学年で流行っています。
 あと、乳幼児から大人まで、嘔吐と下痢に苦しんで、点滴を必要とする人が増えています。とくに子どもの場合は、脱水が心配なので、早めに点滴を受けてください。ロタウイルスによる胃腸炎もときどきあり、重症な場合は入院になることもあります。

 食中毒にご用心(8月)

 手足口病・ヘルパンギーナが大流行!!(7月)

 おたふくかぜ・溶連菌感染症・とびひについて(7月)

 マイコプラズマ肺炎もありました(7月)

 おたふくかぜが大流行!(6月)

 溶連菌感染症が流行っています!(6月)

 夏かぜにご用心!(6月)

最近のトピックス

 雪印の黄色ブドウ球菌事件(8月)

 温泉施設のレジオネラ感染事件(8月)

ワクチン関係の最新情報

 ポリオワクチンは秋から本格開始、幼児死亡と因果関係なし!(6月)

 子どもの受けたポリオワクチンで、父親がポリオを発症!日本で初めて証明される!!(6月)

 インフルエンザワクチン、今年の冬は大丈夫!(6月)

 インフルエンザワクチン、大人は1回接種でOK!(6月)

気になる感染症の最新情報

 肺結核

 寄生虫関係


相生市で今流行している病気(8月)

 食中毒にご用心

 雪印の黄色ブドウ球菌もそうですが、この季節はとくに食中毒に気をつけることはいうまでもありません。当院でも、下痢の患者さんすべてに、便の培養検査を行っているわけではありませんが、7月にはサルモネラ菌や病原性大腸菌が検出されています。そこで、食中毒のコーナーを新設することにしました。一度ご覧下さい。9月は、運動会や敬老会などの行事がありますので、とくにお弁当に気をつけてください。

 お弁当のリスク表:以下のものが特に危険です。

  生食用魚介類、食肉類(刺身、たたき等)
  卵料理
  おひたし、ごま和え、酢みそ和え 

1 生食用魚介類、食肉類(刺身、たたき等)はこの時期お弁当には使わないほうがよい。
2 夏場の鶏卵は、鶏が夏バテで餌の食べ方が悪く卵白が薄くなり、サルモネラ・エンテリテイデイス(SE)が増えている可能性があり、リスクが高くなる。
3 生食用鶏卵の期限、生産者の表示を確認し、出来るだけ新しい卵を使用すること。とくに、箱で仕入れるときは注意が必要。
4 卵に使用した器具、手指は良く洗浄、消毒する。2次汚染の防止に努める。
5 おひたし、ごま和え、酢みそ和えは、直接手で触れ2次汚染の危険があり、手指や器具を洗浄消毒し、低温で保管する。

 注意すべき食中毒細菌
  腸炎ビブリオ、サルモネラ、カンピロバクター

 敬老会の食中毒予防について(お願い)

1仕出し弁当を配達してもらう場合
(1)弁当,仕出し等は必ず涼しいところに保管してください。
(2)配達後は早めに食べ,絶対持ち帰らないようにしてください
(3)加熱していないものが入った弁当類はなるべく避けてください。

2炊き出し等を行う場合
 (1)食品取扱者は,十分に手洗い消毒をしてください。
(2)手に傷のある人,下痢をしている人は食品に触れないようにしてください。
(3)要冷蔵の原料は使用直前まで冷蔵庫等で冷蔵保管してください。
(4)調理食品は食べる直前に十分加熱できるものを選び,調理後すぐ食べるようにしてください。
(5)調理器具等は使用前に良く洗浄消毒をしてください。

異物混入に注意
(1)鍋等にはふたをしてほこりや異物等が入らないようにしてください。
 (2)食品を保管し,調理を行う場所には部外者を立ち入らせないようにしてください。
(3)飲食物を保管する場合は必ず誰かが留守番をし,不在にならないようにしてください。

 手足口病・ヘルパンギーナが大流行!!

 今年は、手足口病が大変流行しています。とくに初めは熱だけで、あとから発疹が出てくるケースが多く、はじめから診断がつかないこともありますので、注意してください。発疹は、手の平や足の裏にできると思っているお母さんも多いですが、肘や膝、大腿部、おしり、陰部にもよくみられます。年齢が低いほど症状が強く、熱も高い傾向にあります。ただ、親にも感染し、食事が取れなくなったお父さんもいました。
 またヘルパンギーナも多くなってきました。とくに今年気になったのが、はじめ高熱とのどの奥の水疱で、ヘルパンギーナと思っていたら、あとから手足口病のような発疹が出てきたり、はじめ手足口病の発疹が出たあとで、高熱が出て、ヘルパンギーナの症状が出てきたという例もありました。実際、ウイルスの種類によっては、ヘルパンギーナをおこすウイルスが、手足口病を起こすことは証明されています。さらに、ヘルパンギーナも手足口病も、原則的には鼻水や咳はないということになっていますが、同時にかぜ症状が見られた例もありました。
 当院を受診した手足口病の子どもさんで、いまのところ脳症を発症した例はありませんが、全国的にはこれから報告されてくると思われます。
 あと、保育園をどうするかという問題があります。手足口病のコーナーでも述べましたが、学校教育法では出席停止を唱っていません。ただ保育園では、より年齢が低い子どもさんがいるため、園の方が「来ないで下さい」というところもあるようです。まあ、心情的には理解できますが、理論的にはあまり意味がりません。そのような場合や3日ぐらい休めばいいでしょう。

 おたふくかぜ・溶連菌感染症・とびひについて

 おたふくかぜはピークは過ぎましたが、まだときどき見られます。成人発症で、髄膜炎を合併したケースもありますので、まだかかっていない大人の方は、抗体検査を受けた上で、ワクチン接種をお勧めします。とくに仕事上、子どもと接することが多い方は要注意です。
 溶連菌感染症は、思ったほど多くなかった印象です。当院で、急性扁桃腺炎の患者さん25人の検査を行ったところ、陽性者は7人でした。明らかに皮疹の出たケースはありませんでした。
 とびひは、例年に比べると少なかった感じです。ただ、一旦広がると塗り薬だけでは、無理なので必ず抗生物質を内服することです。当院では、ほとんど1週間以内に治っています。

 マイコプラズマ肺炎もありました

成人発症のマイコプラズマ肺炎が2例ありました。いまのところ子どもの発症は当院では見られていませんが、これから注意が必要です。発熱と痰を伴わない空咳がある場合は、できるだけ早く受診し、検査を受けましょう。

 おたふかぜが大流行!

 6月から、各幼稚園や学校で、おたふくかぜが流行しています。それに伴い、小児の軽い髄膜炎や、成人の睾丸炎も見られています。今のところ入院が必要な重篤な合併症はありませんが、注意をして下さい。また、ワクチンを接種した子どもはどうなるのかなどの、疑問が浮かび上がってきました。詳しくは、おたふくかぜのページ反復性耳下腺炎のページをご覧下さい。

 溶連菌感染症が流行っています

 同じく、この6月から、保育所、幼稚園、小学校で、かなり広がっています。skarlet feverのような激しいものは少なく、熱とのどの痛みが主な症状で、咳や鼻水は少ないようです。周囲で流行っている場合、兄弟がいる場合はできるだけ、早めに受診して、のどの検査を受けて下さい。以前は、溶連菌感染といえば、症状が激しく、感染力も強いことから恐れられていましたが、今はそれほど怖い病気ではありません。とにかく薬を言われたとおり、きっちり服用することが肝心です。詳しくは、溶連菌感染のページをご覧下さい。

 夏かぜにご用心!

 一口に夏かぜといっても、いろいろあります。6月の初め頃は、エンテロウイルスによると思われる、ウイルス性胃腸炎が流行っていました。これは、夏かぜのウイルスの一つで、消化器症状が中心になります。6月中旬ごろより、ヘルパンギーナが少し見られるようになりましたが、今のところ手足口病はあまり見られません。本来軽い病気を思われていた手足口病ですが、数年前に一度大流行し、死亡例が出て、最近見直されています。
 あと長引く咳を主症状とする、マイコプラズマ肺炎が少し見られます。以前は、このマイコプラズマ肺炎は、4年に1度、オリンピックの年に流行すると言われていましたが、最近は抗生物質の発達により、あまり流行性は見られなくなりました。しかし、今年はシドニーオリンピックの年です。咳が続く場合は、早めに受診しましょう。

最近のトピックス

 雪印の黄色ブドウ球菌事件

 今回の雪印乳業大阪工場の事件は、「パック詰め前に殺菌するから、マニアル通り洗浄しなくても大丈夫と思った」と雪印乳業大阪工場の従業員によるコメントが象徴しているように、黄色ブドウ球菌の知識不足がベースにあると思います。食中毒菌は巧みに人の盲点を突いてきます。殺菌されるくらいなら毒素を出 しておこうと考えたのでしょうか?
 次々に明るみに出るずさんな管理や会社の対応に確かに苛立ちを感じますが、私としてはあらためて毒素(エンテロトキシン)の強さを思い知ったというのが、もう一つの感想です。
 一般的には、黄色ブドウ球菌食中毒のほとんどは、加熱加工を受けていない食品によって引 き起こされます。 しかしながら、今回のように、時には加熱加工された食品でも、この疾病の典型的な症状を呈 します。沸騰させたヤギのミルク、料理済みソーセ ージ、ロブスター素焼きの缶詰など十分加熱され、細菌が死滅しているにもかかわらず、食中毒を引き起こした例が海外では報告されています。
 加熱により、エンテロトキシンはどうなるのでしょうか?食中毒をおこしているわけですから、毒素が完全にその力を失うことはなさそうです。調べてみると、どうも検査上は毒素力は弱まったように見えますが、実際はかえって熱により毒素力は強くなっている可能性もあるようです。以下にそのあたりのことを紹介します。
 「これまで、加熱によってエンテロトキシンの抗原活性が減少することから、血清学的検出法ではエンテロトキシンの量が少なく検出されるため、生理活性(いわゆる毒素力)も減少していると考えられてきた。しかし、生体外での血清学的検出法では、必ずしも生理活性の毒素が検出されるものではない。実際、アメリカでの研究結果によると、エンテロトキシンA は加熱によって生理活性が増加したと報告している。黄色ブドウ球菌エンテロトキシンは、加熱によって構造が変わる。しかし、熱で変性したエンテロトキシンは尿素で処理されると、もとの構造に戻る(再変性)。熱変性を受けたエンテロトキシンは抗原活性部位の構造が変化して血清が結合できないが、生理活性部位は構造が維持される。すなわち血清学的には検出されないが、生理活性は示す。そ して、尿素により再変性を受け元の構造に戻ると、抗原活性、生理活性ともに示すようなる。 」
 茨城のJCO臨界事故もそうですが、従業員教育の必要性を痛感します。そして、海外で生産された缶詰でも、同様の事故が起こっていることから、これは日本だけの問題として片付けてはいけないと思います。

 温泉施設のレジオネラ感染事件

 6月に茨城県の市立総合福祉センター「ふれあいの里石岡ひまわりの館」の入浴施設を利用した高齢者らがレジオネラ菌による肺炎に感染した事件は、最終的に43人が入院し、うち3人が死亡する結果となりました。今年になってレジオネラ菌感染による死亡者は静岡県内で2人おり、今回で5人ということになりました。
 入浴施設が循環式であり、レジオネラ菌がお湯の中で繁殖して、集団感染したと結論付けられました。レジオネラ菌汚染は、24時間風呂で最近話題になりましたが、日本で実際に入浴により肺炎となり、死亡例にいたったのは、今回のケースが始めてで、循環型の入浴施設は今後注意が必要となるでしょう。

ワクチン関係の最新情報

 ポリオワクチンは秋から本格開始、幼児死亡と因果関係なし!

 厚生省は7日、福岡県で集団予防接種を受けた幼児1人が死亡、1人が足の麻痺を起こしたため、一時的に使用を中止していたポリオワクチンについて、9月以降に本格的な集団接種を再開することを決めました。つまり「死亡との直接的な因果関係は認められず、ワクチンに問題はない」との結論です。
 使用が中止されているのは、今年2月以降に出荷された「ロット39」というワクチン。この日、福岡県で今年4月にこのワクチンの接種を受け、急性脳症で死亡した女児(3歳)と、下肢麻痺を起こした男児(1歳)の2症例について調査内容が報告されました。
 その結果、女児にはポリオに特徴的な「弛緩(しかん)性麻痺」が認められず、同じ日に接種を受けた他の子供に異常がないことなどから、ワクチンとの因果関係はないと判定されました。
 男児については「ワクチンとの因果関係は否定しきれない」とされましたが、440万人に1人の確率で起きる副作用とみられ、ワクチンの品質自体には問題がないと結論づけられました。
 「ロット39」の再開時期については、即時再開の意見も出たが、ポリオに似た症状を起こし、夏期に流行する手足口病などと混同されて余計な混乱を招きたくないとの厚生省の判断で今秋と決定されたようです。ただ、海外渡航の際などに個人的に受ける接種については、それ以前でも「ロット39」を使って構わないとしています。

 子どもの受けたポリオワクチンで、父親がポリオを発症!日本で初めて証明される!!

 宮崎県は3日、4月にポリオ(小児まひ)のワクチンの予防接種を受けた女児の父親(37)が、ポリオを発症したと発表しました。父親は5月中旬に四肢の麻痺や発熱などの症状が出て入院。6月2日に便からポリオウイルス3型が検出され、3日にポリオと診断されました。(父親に海外渡航歴はなく、予防接種歴は分かっていない。)
 ポリオは日本では根絶状態で、ワクチンに含まれる弱毒化ウイルスが女児の便に排出され感染源になった可能性があり、ワクチンのウイルスと父親から検出したウイルスが同じかどうか、遺伝子解析が行われました。
 その結果、両者は同一であるとわかり、ワクチンウイルスによる2次感染と断定されました。(自分の子供が感染源かどうかは、不明)。いずれにしても、ポリオは1993年以降国内で今回を含め、計6件発生していますが、はっきり確認されたのは初めて。逆にいえば、これまでの例も同様と予想され、一定の割合で今後も発症する可能性があります。
 問題は、この男性がポリオワクチンを受けていなかったのかどうかです。もし受けていたのなら、今後このタイプの2次感染をどのように防いでいくかが課題になります。今のところ、オムツを交換したあと、しっかり手を洗うぐらいしか、予防法はなさそうです。

 インフルエンザワクチン、今年の冬は大丈夫!

 昨シーズンは、全国的にインフルエンザワクチンが不足し、当院でもやりくりに大変苦労し、接種希望者全員にワクチンをうつことができませんでした。厚生省の発表によると、来シーズンの供給は十分確保されたとのことです。ご安心下さい。なお、ワクチンの予約は例年、10月ごろより開始します。子ども会会員の方には、10月ごろに案内の連絡をさせていただきます。

 インフルエンザワクチン、大人は1回接種でOK!

 昨シーズンのワクチン不足の際、これまでの報告から当院では、成人の方は1回接種を勧めてきました。今回、厚生省から正式に発表があり、大人は1回の接種でOKということになりました。もちろん2回受けていただいても結構です。


気になる感染症の最新情報(6月)

 肺結核

 寄生虫関係