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自称:音楽愛好家
 
第3章 Do It Yourself
1999/10/22 (金) 17:06

日曜の夜、6時頃、ぼんやりテレビを見ていた。
なんと、若い女性司会者が電動やすりで鉄製の椅子のさびを落としている。

「ハーイ、みなさんコンニチハ。今日もいろんなコツをお送りしますのでお見のがしなく!!」

もちろん、オランダ語だからそんな風に言っていたかは知る由も無いが、たぶん、そんなことを言ってるのだろう。

場面は変わって浴室の映像に切り替わった。

若い男が、トイレの便座を取り外し、浴槽を取り外し、洗面器を取り外し、おもむろにタイルを電動タイルはがし機ではがし始めた。家の改築のコツを教えているらしい・・・。

「普通、そんなことするか?!素人が・・・。」
そんなことを思っている僕を無視して、番組はどんどん進んでいく。

「ほら、電動ドリルの先のアダプターを換えれば、セメントを混ぜることも出来るんですよ!」

きっとこの若い男はそんなことを言ってるのだろう。得意げにブイブイとセメントを混ぜている。最後まで見ていると、床暖房ができる浴室に大変身というところで番組は終わった。

「道具さえ揃えばあなたも簡単にできます。ぜひTryして下さい。それではまた来週。ごきげんよう。」

そこまでするか??

しかし、このD.I.Yの番組は人気があるらしく、D.I.Y好きのオランダ人の心をくすぐるらしい。D.I.Yショップに行くと、専門的なツールがたくさんある。

みんなニコニコしながら買っていっている。オランダ人は何でも自分で作ってみるらしい。家具であろうが、改築であろうが・・・。男で自転車のパンク修理ができなければ、一人前と認めてもらえないらしい。

「衣、食、住」なんて言葉があるが、オランダ人は圧倒的に「住」の比率が高い。

みんなオウチが好きなのだ。

食べることより、着飾ることより、家が好き。仕事人間より、家を守る人のほうが重んじられる国。

だから、きっと効率よく仕事をこなし、定時に退社していくのだろう。無駄な会社の付き合いよりも、くつろげる我が家でゆっくり休もうというのが彼らのモットーであるらしい。

ふーん、人間っていろいろだ。

つづく

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