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自称:音楽愛好家
 
第16章 そりゃ怪我するって、あんた。
2000/01/03 (月) 23:16

CNNの映像などをご覧になって知ってる方も多いとは思いますが、ヨーロッパの人々は花火で新年を祝います。日本では「夏の花火」というのが風物詩で、新年を花火で祝うというのは何となく違うような気もするのですが、とにかく花火と爆竹を至る所で鳴らします。

12月に入ってから、顔がただれた人や、指が吹き飛んでしまった人が登場するTVコマーシャルが何回か流れていました。

「花火は気をつけましょう。あなたの人生を台無しにしてしまいます。」

そんな台詞が流れるのですが、「何を花火ごときで、おおげせな。」と思いながら見ていました。

12月31日、大晦日の夜、何かやってるかなと思い、会社の先輩と一緒に街に繰り出しました。ロッテルダムには大型スクリーンやコンサートなどは設置されておらず、パリやロンドンのように大賑わいというわけではありません。それでも市内の中心にあるエラスムス橋の歩道には2000人位の人が集まっており、カウントダウンを待っていました。

「ロッテルダムにも電光掲示板とか、大型スクリーンを設置して、みんなでカウントダウンしたらいいですよねぇ」

などと先輩に話し掛けながら、ジャンパーのチャックを上げ寒さをしのごうとした瞬間、いきなり3m位横から「ヒュー」と打ち上げ花火が上がりました。

一瞬何が起きたのかと思ってビビリましたが、まわりに居る人たちが爆竹やらロケット花火を打ち上げ始めました。最初は「おおー、新年になったんだ。花火綺麗だなぁ」とか思っていたのですが、そのうち一つの疑問が・・・。

「この花火って市販されてる?」

というのも、ロケット花火の棒が80cm位あって、打ち上げるとビルの15階くらいまで届いてしまうのです。日本のロケット花火なんて可愛いもんで、音も凄いし、飛距離も比べ物になりません。それを路上や橋の脇、ベランダからバンバン打ち上げてるのです。しかも素人が。

例のCMの台詞が頭をよぎりました。
「そりゃ、怪我もするわな」
遠くから見ていると湾岸戦争の映像のように花火が縦横無尽に空をかけぬけていて綺麗なのですが、あんなのが当たった日には、そりゃたまりません。

大晦日の夜、ロッテルダム市内では4件の火事が発生し、うち1件が全焼したそうです。どうやら花火が原因らしく、打ち上げた花火がアパートに入り込んだらしいです。

「あんた、そらあんな花火あげてたら火事になるわな。花火に気をつけましょう言う前に、そんな強力な花火を市販すんのやめた方がええんちゃう?」 (とエセ関西弁で突っ込みを入れながら)そんなことを思う2000年の幕開けでした。

みなさん、花火にはくれぐれも気をつけましょう。

つづく

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