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自称:音楽愛好家
 
第19章 オランダごみ事情
2000/01/31 (月) 0:51

ヨーロッパも国によって、だいぶゴミ事情が違うらしい。
フランスはワインの瓶だろうが、生ゴミだろうがゴミ箱に捨てると聞いたし、ドイツは紙おむつが燃えるゴミを増やす原因になっているとして布オムツを奨励しているという話だ。

ちょうど日本でも、東京都は分別ゴミが進んでいるけど、大阪府はあんまり進んでいないのと状況は似ているような気はする。

かくいうオランダは、ドイツほどではないが、まぁまぁゴミの分別が進んでいると思う。大きく分けて、瓶、紙、生ゴミ、粗大ゴミというような感じだ。厳密に言ったら、もっと細かく分かれているのかもしれないけれど、自分が把握している範囲は上の通りだ。

スーパーマーケットの駐車場等に、瓶と紙を入れる大きな回収箱が設置してある。
瓶は茶色の瓶、緑の瓶、透明な瓶というように回収箱が別れており、紙は普通紙とダンボールに別れている。

紙のリサイクルは徹底しているようで、オフィスから出る紙ゴミや新聞紙、チラシに至るまで、人々はきちんと区別して捨てに来る。公衆トイレのペーパータオルなどに「これはリサイクル紙です」という表示を見かけたりする。

水やジュースのペットボトルは「リファンダブル」である。
つまり、買う時に容器代として1ギルダーを請求され、飲み終わった容器を専用の機械に戻すと1ギルダー分のお買い物券がもらえる。このシステムのため、ほとんどの人はペットボトルの容器をゴミとして捨てない。

スーパーマーケットに行くと、飲み終わったペットボトル換金している人を良く見かける。ずいぶん前からこのシステムは行われているようで、「ペットボトルを戻すのがめんどくさい」という意見は聞いたことが無い。当たり前らしい。

一方、ソファ等の粗大ゴミはどうするかというと、市役所に電話をし、朝の7時までに玄関前に置いておけば無料で引き取ってくれるようだ。オランダでは高い税金をこのような所に回しているのだそうだ。また、テレビや冷蔵庫などの電化製品を買い直した場合は、お店が引き取りに来る。

これらの電化製品は買う時にリサイクル代金を上乗せされているので、回収された後はリサイクル場でプラスチック部品、金属部品などに分解してから処分されている。

オランダでは、自分が出すであろうゴミのために前もって代金を支払うことは当たり前のことになっている感じがする。

自分が出すゴミを責任持って処分する。自前で処分できないものに関しては、購入時に処分費を支払い、キチンと処分してもらう。他人任せにしないところが、日本より大人な考え方だと思う。

そんなオランダだが、一つ腑に落ちないことがある。

こちらに引っ越してきてから、缶ゴミをどうやって捨てたらよいのか分からず、しょうがないのでキッチンに溜め込んでいた。「きっと回収車かなんかが来て、持っていくんだろう」と思っていたが、あまりにも溜まりすぎたので、現地の人に「缶はどこに捨てたら良いの?」と聞くと、彼女はあっさりと

「ゴミ箱に捨てればいいじゃない。」

目から鱗が落ちる思いであった。これだけリサイクルが徹底している国なのに、
缶ゴミを生ゴミと一緒に捨てて良いなんて何か違うような気がする。

「金属は磁石にひっつくから、生ゴミと一緒に捨てても仕分けは出来るのよ」

そう言われればそうだが、缶ゴミも区別して回収したほうが、もっとしっかりしたリサイクルになるような気がするのは僕だけだろうか?

いまだに首をかしげながらビール缶をゴミ箱に捨てている今日この頃である。オランダ人の考えは奥が深い・・・。

つづく

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