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【地域づくり(その1)?】
平成18年度のブロック研修会のテーマを「地域づくり」と設定するつもりです。特に,さまざまな地域実践活動に対して,社会教育委員が果たすべきことは何かを皆で考える機会にしたいと思っています。具体的な活動それ自体は地域の団体が中心となって行われているので,委員が主体になる必要はほとんどありません。委員には全体的な動きの進展に気配りすることが求められています。具体的な活動のさらなる進展と拡大を図る実行計画を提示することが担うべき課題となります。そこで,研究課題として「地域づくり活動の点検と評価」を提案する予定です。評価があってこそ,実行計画が具体化できると考えるからです。
評価に対しては,指標が不可欠です。チェックポイントと言ったほうが分かりやすいかもしれません。同時に,その指標が評価対象の構成要素と密接に関係しているという推察も可能です。つまり,指標を明らかにすることで,対象のイメージが具体化できるということです。一つの案を考えておくことにします。
〜地域づくり活動の点検と評価の指標〜
1.地域は誰がつくるか?
・住民の皆が:「共有」システムの構築(各層の組織化など)
・実践目標:「知り合う」
・問題事例:若者や男性の参加が極端に少ない。
2.地域は何処でつくるか?
・住民の暮らしの場で:「共助」システムの稼働(課題の選出など)
・実践目標:「助け合う」
・問題事例:小地域活動が低迷し,また支援協力が不足している。
3.地域は何時つくるか?
・住民の出会いに:「共感」システムの連結(情報の受発信など)
・実践目標:「触れ合う」
・問題事例:期日の偏在が起こり,また非日常活動に片寄っている。
4.地域は何をつくるか?
・住民の普遍価値を:「共存」システムの確認(生きがいの抽出など)
・実践目標:「与え合う」
・問題事例:受益者意識が強く,役員拒否が一般化している。
5.地域は何故つくるか?
・住民の将来のため:「共生」システムの持続(幼老共生の推進など)
・実践目標:「期し合う」
・問題事例:単年度計画に終始し,中長期展望が見られない。
6.地域はどうつくるか?
・住民の分担により:「共同」システムの統合(活動の連携など)
・実践目標:「学び合う」
・問題事例:類似行事が重複したまま,共同開催に至らない。
漫然と地域を眺めていても,地域づくりは進展しません。めざす地域とはどのようなものか,その要素を把握して,バランスよく連携していけば,自然にしっかりした地域がつくられていくはずです。
例えば,地域活動の指導者から「住民の意識改革が必要である」という問題提起がありますが,どのような意識が問題であるのか,改革できる方策にはどのようなことが考えられるのか,試してみたら結果はどうであったのか,そこまで踏み込んだ分析作業がなければ,次の実践にはつながりません。このようなプロセスが点検と評価に相当します。
(本考察の次の段階は,後日上程します)。
(2006年04月09日)
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