中辺路(滝尻〜近露) | 中辺路(発心門〜本宮大社) | 本宮大社 | 大日越(大斎原〜湯峯温泉) |
速玉大社・神倉山(ゴトブキ岩) | 大門坂・那智大社・那智大滝 |
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「那智山周辺案内図」看板より |
旅の三日目の午後、速玉大社からバスで那智駅へ、大門坂(だいもんざか)へのバスの待合せ時間(40分)で浜の宮王子と隣接の補陀洛山寺(ふだらくさんじ)を訪ね、大門坂バス停から熊野那智大社、青岸渡寺(せいがんとじ)、那智大滝を散策した。 このコースは、個人的には一昨年前に、補陀洛山寺から大門坂までの古道を含めてのんびりと歩いたところで、尼御前供養塔、市野々王子付近の村風景、大門坂直前の二の瀬橋などが好ましかった。 今回の旅では、中辺路(小栗街道)の最終行程として、大門坂と熊野那智大社参拝に焦点を合せた。 熊野那智は、裸形上人の滝修行や「日本霊異記」での永興禅師の説話にもあるように、山林斗藪(さんりんとそう)を旨とする修験者の里であった。 那智大社の祭神・夫須美神(結神)は、速玉神と合祀されて速玉神社に古代から祀られていて、三山確立時に那智の主祭神として祀られた。鎌倉・室町時代以後の那智大社は、修験者・山伏・熊野比丘尼の基地でもあった。 |
12:31 那智駅に着く。 駅からすぐの浜ノ宮王子、補陀洛山寺を見る。 |
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12:43 浜ノ宮王子から入る。「渚の森ご案内」立札がある。”境内の森を「渚の森」という。「紀路前遺書記」「紀路歌枕抄」にもあり昔の面影はないが、古来和歌によく読まれた名勝の森 ◎「林中に一つの祠あり、若宮と名づく」(熊野遥覧記;寛政期) ◎「この社は白河院法皇の御陵云々」(紀南郷尊記;元禄期) ◎「神武天皇頓宮跡」の碑は、神武天皇祭の興隆とともに大正期にこれを建て、囲いをしたものである。” | ||
浜の宮王子 | 12:53 王子の左奥に、補陀洛山寺(世界文化遺産)。 | |
補陀洛山寺 ”補陀洛”とは”観音浄土”のことを云い、那智の浜から補陀洛渡海と称する”死出の旅”が行われた。 | 渡海船が復元され境内に展示されている。 境内には、渡海上人と熊野灘で入水した平惟盛の墓などもある。 | |
13:10 那智駅から熊野交通バス(那智大社行き)で大門坂まで行く。 | ||
13:25 ”世界遺産に登録されている大門坂は、”身近に歩ける熊野古道と喧伝されている。 | 13:28 南方熊楠(1867〜1941)は和歌山出身の細菌学者、民俗学者、博物学者として知られる明治期の逸材である。 | |
右に「下馬」の石碑を見て鳥居をくぐり、「振ケ瀬橋」で俗界から聖界にはいる。参詣曼荼羅に参詣する女人が描かれているところ。橋を渡るには渡り料が必要だった。 | 13:30 大門茶屋で昔の衣装が有料で借り写真を撮る人もいるようだ。 | |
13:31 夫婦杉は樹齢800年。 | すぐに多富気王子跡がある。 | |
13:34 杉木立と石段道が約640mつづく。 |
13:37 13:44 那智の滝が樹間に見える。 |
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13:44 この辺りにも十一文関所があった。十一文取ったという。 | 13:47 さらに少し登る。 | |
13:50 大門跡は広場。「右巡礼道」の標識で表参道へ。左上に上がる道は見晴台に通じていて、元は「御幸道」であったという。 阿倍晴明が花山天皇(990年頃)にお供した際、にこの近くに庵を結び、庵に近い橋を晴明橋と呼んでいた。その橋財を移した橋を渡る。 |
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13:58 那智山バス停から大社参詣道の石段が始まる。 | 14:06 上皇や法皇の御宿所となった実方院の跡 | |
14:11 熊野那智大社の一の鳥居。 | 14:12 青岸渡寺の山門。 | |
14:16 青岸渡寺は世界遺産。裸形上人の開基。本尊は如意輪観世音菩薩で西国33ケ所の第一番札所である。本尊は秘仏だが、お前立ちに姿を拝す。 | 14:56 鎌倉時代の重文・宝篋印塔(4.3m)。 | |
14:17〜14:50 那智大社は世界遺産。拝殿では白装束の神道関係者らしき三人連れのご婦人が祝詞を奏じ参拝していた。左端の宝物舘「那智山宮曼荼羅」を中心に拝観する。拝殿の左横の玉垣内に八社殿が見える。拝殿裏に御本殿がある。 本殿玉垣内には、右から第一殿滝宮(大巳貴神)、第二殿証誠殿(家都御子神)、第三殿中御前(速玉神)、第四殿西後前(夫須美神)、第五殿若宮(天照大神)が東西に、第六殿八社殿(天地地祇)は南側にコの字型に並ぶ。全て、「熊野権現造り」の典型である。滝宮があるのが特徴である。 |
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14:51 二の鳥居とお手水所。 |
青岸渡寺から見た社殿 | |
15:00 ”那智の滝”と周囲の原生林は世界遺産。この公園の左上にコンクリート製の三重塔が最近建立されたが、何か不似合いだ。 | 15:06 三重塔の上にある駐車場への有料道路を少し下った所から石積の古道が滝前バス停までの近道。バス停から飛瀧神社までさらに石段を下る。 | |
15:16 別宮飛瀧神社。大巳貴神(オオナムチ)をご祭神とする。7月14日「那智の火祭り」が行われる。 16:25 那智山バス停から熊野交通(勝浦行き)で勝浦へ。やすらぎの宿「サン勝浦」宿泊。 翌日、8:54 紀伊勝浦からJR新宮行き(9:16 新宮着)で神倉山へ |
滝の上には注連縄が張られている。年二度張り替えられる。 15:21 滝壺へは¥200払って真下まで行ける。 飛瀧神社のお守りを貰う |
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完 |