記事No | : 1884 |
タイトル | : 『黄昏流星群』 |
投稿日 | : 2013/02/08(Fri) 17:34:39 |
投稿者 | : 桃青 |
ビッグコミックに『黄昏流星群』という中高年の恋愛をテーマにしたオムニバス形式の漫画が連載されている。
認知症への関心が広まっているのか、現在連載されているシリーズは、認知症で介護施設で暮らす妻がいる男性と、男性の兄の愛人であった女性が主人公になっている。
漫画家は、認知症の苦悩に関心がない僧侶よりは、認知症というものに対して綿密なリサーチを行ったようで、認知症の妻や医者看護師の言動、夫である男性の心理をよく描写している。
「次第に人間でなくなっていく妻」
「愛する妻は、もはや私を愛してくれる妻ではなくなった。」
このセリフには、実際に認知症と接した者でなくては書けない実感がある。
「認知症になって家族から大切にしてもらえるかどうかは、それまで家族とどのような関係を造り上げてきたかによる。」
という説法では、おおいつくせない現実をこの台詞は伝えている。
漫画家は、夫である男性に「人間でなくなった妻」にどのような結論を見出して行かせるのだろう。
来週号が楽しみだ。