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記事No : 1933
タイトル 「当たり前」という感覚
投稿日: 2013/03/01(Fri) 09:45:48
投稿者桃青

認知症の周辺には、「当たり前」という感覚と「当たり前ではない」という感覚が渦巻いている。

時々、当事者と家族の「当たり前」という感覚にたじろぐことがある。

一つの例として。
御庫裏様と私が、徘徊に付き合う大変さを愚痴っていたら、尼僧様がニコニコと言いだされた。

「家の近所のおじいさんはマッチで火遊びするのが大好きで、家のかたが気が付くと、家の中で新聞紙が燃えあがっていたり、納屋から煙が出ていたり、そんなことがしょっちゅうなんですって。
家のかたは、常におじいさんの様子を見ているので、すぐに消すので大事にはなっていないのですよ。
おじいさんは独りで外へ出ていってしまうこともあるので、近所のかたには、『家のおじいさんはマッチで火をつける癖がありますから、おじいさんの姿を見かけたら、気をつけてくださいね。』と、挨拶して、近所のかたにも了承してもらっているそうですよ。」

御庫裏様と私は絶句したのだが・・・。

何事も当たり前と思ってしまえば、心は楽なのかもしれない。

しかし、「家のおじいさんは認知症になってからマッチで火遊びをするのが好きになってしまって・・・。おじいさんの姿を見かけたら、御宅の外のものに火をつけるかもしれないので、用心してくださいね。」
と、挨拶されたほうも、
「そっかー、そーなんだ気をつければいいのよね。」と、思うかたばかりでもあるまい。
中には、「外出から帰ったら家が丸焼けになっていたらどうしよう、寝ている間に火をつけられたらどうしよう。」と、不安でたまらなくなるひともいるだろう。

「近所に了承してもらっている。」と、当事者は安心しておられるけれど、「放火が趣味というひとは危ないから、家に縛っておけないのなら施設へ入れて欲しい。」と、願っているかたもおられるのではないか。

尼僧様は顔をしかめて
「親を施設へいれるなんてとんでもない!子供として、してはいけないことです!」
と、声を大にして言われる。
尼僧様は、どこでも誰に対してもそう説法されているのだろうか?
御実父と舅様を施設へ入れられた御庫裏様は複雑な顔をされた。
「介護度3以上のかたを家で見るには、余程条件が整っていないと、無理なんですよ。」
と、尼僧様に申し上げたかったけれど、「本人と家族、御題目の力で進行をくいとめた。」と言われるかたには、通じないだろうな。
と、思ったので、やめた。


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