GUNDAM SENTINEL RPG −OutLaws Edition−
ガンダム用語解説(4)
■技術/現象用語
□Iフィールドバリア (I field barrier) 【技術】
帯電したミノフスキー粒子が立体格子状に整列した際に生じる斥力効果Iフィールドを利用した対ビームバリア装置。
ビーム偏向バリアとも呼ばれる。機体の表面付近にIフィールドの力場を展開し、メガ粒子砲から放たれたビーム砲弾を偏向させることによって被弾を防ぐことが可能になる。またこのバリアはビームにだけ有効で、実体弾には効果はない。Iフィールドの展開と維持には莫大な電力を消費するため、装備している機動兵器は少ない。
なお、この技術はリフレクタービットやリフレクターインコムなどにも応用されている。
→関連用語 : メガ粒子砲 / 拡散 / リフレクター / フィンファンネル
ジオン公国軍が開発した生物兵器。元々は閉鎖空間であるコロニーの過酷な環境でも育つ植物としてで開発された。しかし、その過程で繁殖力の強い個体が生まれ、その個体を移植すると周囲の生態系を破壊するほどに繁殖することが判明し、南極条約に抵触しない環境破壊兵器としての利用が検討された。もしこれが地球で使用された場合、その強すぎる繁殖力により、全地球規模で環境破壊が起こりかねないことが推測されている。名称の由来は、破壊の悪魔アスタロスがバビロニアの豊穣の女神イシュタルを元にしていることが、開発の経緯と似ていることからとされる。
→関連用語 : 南極条約
機体の外装の更に上に装備される装甲のこと。搭乗者や機体の重要箇所(コクピット、エンジン、関節など)を保護するために施される。
ガンダリウム系合金、チタン合金、発泡金属、カーボンセラミック、その他の複合材などをサンドイッチ状にした複合装甲(コンポジットアーマー)が一般的である。
U.C.0080年代後半から0090年代前半にかけて普及したMS操縦インターフェース。
半球形のコントローラーを掌で覆うようにして握り、指でスイッチを、半球形部分を手首でそれぞれ操作して、機体をコントロールする。従来のコントロールスティックに比べて少ないアクションで多くの操作が行えるのが特色だったが、衝撃を受けた際に手が離れてしまうアクシデントが多発したため、0090年代半ばから元のコントロールスティックに回帰した。
□ALICE (Advanced Logistic and Inconsequence Cognizing Equipment) 【技術】
MSA−0011に搭載された、発展型論理・非論理認識コンピューターの略語。RX−78に搭載されていた教育型コンピューターを更に発展させたもので、ある程度の人格さえ有していたと言われる。しかし、ほぼ同時期にスタートしたニュータイプの研究が急速に進み、その過程で生まれた強化人間の方が確実な成果を挙げ、「人間的な機械」を造るよりも「機械的な人間」を造る方が廉価で容易であるという判断が下され、研究および開発は凍結された。
□アンダーグラウンドソナー (under ground sonar) 【技術】
音紋索敵装置。ミノフスキー粒子散布下の戦場において、従来のレーダーによる索敵が行えなくなったために開発された。
地面にソナーポッドを打ち込み、MSの移動に伴う脚部による歩行やバーニア噴射などによって発せられる独特の音紋を元に、超音波を用いて索敵や測距を行う。
ホバー装甲車M353A4ブラッドハウンドに搭載され、MS小隊に随行して、早期警戒管制を行った。
→関連用語 : ミノフスキー粒子 / EWAC / シギント / シグネチャー
□AMBAC (Active Mass Balance Auto Control) 【技術】
能動的質量移動による自動制御の略語。宇宙空間において可動肢の一部を高速で動かすことで生じる反作用を、MSやMAなどの機動兵器の姿勢制御に用いる技術。
→関連用語 : 機動兵器
□イジェクションポッド (ejection pod) 【技術】
コクピットブロックそのものを利用した脱出ポッド。一年戦争当時のいわゆる第一世代MSの多くは、積極的な脱出装置は装備していなかった。そのため、パイロットの生還性を向上させるために開発されたのが、RXシリーズのコアブロックシステムなのだが、余りにコストが高いため普及は難しく、これに代わるより安価な脱出システムが求められた。
そこで考案されたのが、インジェクションポッドである。第二世代MS以降のコクピットは全天周囲モニターとリニアシートが組み合わされ、これ全体を脱出ポッドとして非常時に射出する方式となった。しかしながら、熱核反応炉の誘爆に耐えられるほどの強度はなく、依然としてコアブロックシステムの研究は続けられている。
→関連用語 : コアブロックシステム / 全天周囲モニター / リニアシート
準サイコミュ兵器の一種。平たい円柱状の物体で、内蔵されたビーム砲で攻撃する。コントロールは有線式で、制御用のワイヤーが内部に巻かれており、それを繰り出しながらパルス状のロケット推進で移動する。ワイヤーは緩まないようにかすかに張力が掛るようにされており、インコムが方向転換をする度にリレーインコムという重りをワイヤー上に残すので、ワイヤーは張った状態でインコムと本体を繋ぐ。収容時は延ばしたワイヤーを巻き取りつつ、リレーインコムを回収しながら、同じ軌道をたどって回収される。本体に回収後はエネルギーと推進剤を補充して、再び射出することも可能である。
→関連用語 : 準サイコミュ
□IMPC (Integrated Maneuver Propulsion Control) 【技術】
統合機動推進制御の略語。発進、巡航、空間戦闘、着陸、歩行の5つの基本的な機動を自動的に制御するシステム。
状況に応じてこのスイッチを切り替えるだけで、あとは機体が勝手に動き、姿勢を変更してくれる。データを予め入力するだけで、教育型コンピューターがそれを学習し、応用していく。
ただし、データに無い行動についてはパイロット自身の操縦が必要なため、パイロットの必要性は変わらない。また、新しいデータをシステムに供給するためには、やはり熟練パイロットが必要である。
そのため、熟練パイロットたちは、人間を堕落させる妖精の名にちなんで“インプ”と呼んで、蔑んでいる。
→関連用語 : 戦技教導団
□ヴェスバー (V.S.B.R.=Variable Speed Beam Rifle) 【技術】
可変弾速ビームライフルの略語。F90系列機に装備された大型ビームライフル。高速で貫通力の高いビームと、低速で破壊力の強いビームを撃ち分けることができる。
→関連用語 : ビームライフル
空中でSFSを乗り換える編隊戦術。非常に難度が高く、高度な空間機動技術と綿密な連携が求められる。
→関連用語 : サブフライトシステム
□EXAMシステム (Examination system) 【技術】
ジオン公国軍フラナガン機関でニュータイプを研究していたクルスト・モーゼス博士が開発したMS制御システム。驚異的な戦闘力を発揮するニュータイプを敵視したモーゼス博士は、オールドタイプでもニュータイプに伍する戦闘力を発揮できるシステムを構想していた。このシステムを搭載したMSは、敵の“殺気”を察知し、それに応じて回避や攻撃を行うといった、ニュータイプに近い戦闘動作を行うことが可能となる。ただし、ニュータイプの感応波を察知すると、コントロールを失い、暴走するという危険性がある。
→関連用語 : フラナガン機関 / ニュータイプ / HADES
□エバリューションモニター (evaluation monitor) 【技術】
情報評価画面のこと。RX−78GP03の複雑な火器管制を統括するシステムに採用された。
教育型コンピューターと連携しており、敵機情報、自機状況、戦況分析による最適火器選択や換装同期判断などを表示、実行する。
□NT−Dシステム (New Type Destroyer System) 【技術】
「UC計画」で開発されたRX−0に搭載されたシステム。表向きはニュータイプ・ドライブの略語とされているが、本来の意味はニュータイプ・デストロイヤー、つまりニュータイプを抹殺するためのシステムである。敵対的な感応波を感知するとシステムが起動し、パイロットの感応波を操縦に反映させるインテンション・オートマチック・システムによって、機体を思考操縦させ、高い反応速度と動作精度を実現する。思考操縦によるパイロットへの肉体的、精神的負担は高く、システムの稼働限界時間は約5分間程度である。
□エネルギーCAP (energy capacitor) 【技術】
縮退、融合してメガ粒子になる直前のミノフスキー粒子をそのままの状態で保持する装置。この装置の発明によって、本来は大電力を消費するメガ粒子砲の小型化が実現した。一年戦争後、着脱式のエネルギーCAPであるEパック(Energy Pack)が実用化され、MSの主砲であるビームライフルの弾倉として用いられるようになる。
□MEPE (Metal Peel−off Effect) 【技術】
フォーミュラ・シリーズ最初期の試作機であるF90IIIYおよびF91が、最大稼働時に発生する発熱に対して、通常の排熱機構では放出できない余剰熱を装甲表面にコーティングされた触媒とともに気化して排出する際に起きる金属剥離現象。
気化した触媒には金属粒子が多量に含まれるため、敵機のセンサーには質量をもった残像として認識され、正確な照準を妨げるといった副次効果が生じた。
これは当初の仕様では想定していなかった現象であり、後発の系列機においては排熱機能が強化され、この現象が発生することはなくなっている。
→関連用語 : フォーミュラ・シリーズ / バイオコンピューター
高濃度のミノフスキー粒子とビーム攪乱幕を搭載したミサイル弾頭。高濃度のミノフスキー粒子を散布すると同時にビームの進行を阻害する高分子ガスを展開する。これが展開された空間では高度な電子機器の作動に影響を及ぼすと同時にビーム弾の威力が著しく減衰する。つまり長距離ミサイルとビーム砲撃の両方を無力化することができる。そのため、長距離砲撃戦が不可能となるので、使用には注意を要する。
隕石に付着していた宇宙細菌。宇宙世紀で人類が初めて遭遇した“生きた地球外生命体”である。しかし、人間に感染すると、爆発的な増殖とともに強い毒性を示し、全身の細胞を融解させて死に至らしめる。感染力は非常に強く、また感染から発症するまでの時間も短い、極めて危険な細菌である。
ザンスカール帝国によって、地球の人類を死滅させるために、生物兵器としての利用が計画されていた。
ビーム粒子の位相が乱れて散り散りになってしまうこと。遠距離の射撃では、メガ粒子ビームといえども少なからず拡散が生じ、ビームエネルギーが減衰する。
また、装甲に耐ビームコーティングが施されている場合、距離と射角によってはビームの被弾を弾くことがある。これも拡散という。
→関連用語 : 耐ビームコーティング
□核パルス推進 (nuclear pulse thrust) 【技術】
核融合による小規模な爆発を連続して起こし、その反動で物体を加速、移動させる推進方法。パルスとは衝撃的な波のことである。
重水素とヘリウム3の入ったペレットに、レーザーあるいはその他の粒子ビームを照射し、小規模な核爆発を200回/秒前後の周期で繰り返し発生させる。これによる爆風は、He4とp(陽子)からなるプラズマであり、中性子はほとんど発生しない。
そこで四方に広がるこの爆風の内、進行方向に向かってくるものを超伝導コイルによって生み出される凹面状磁場のクッションで受け取り、推進力とするのである。爆風の運動量は、動かそうとする物体に吸収されるのでその分だけ速度が増す。
化学燃料ロケットに比べ、遥かに大きなエネルギー変換効率を持ち、噴射速度も大きい割には構造も簡単であるという長所がある。そのため、小惑星の移動やコロニー落としなど、大質量物体の加速に用いられることが多い。
→関連用語 : コロニー落とし
□干渉逆探 (MPIWS=Minovsky Particles Interference−Wave Searcher) 【技術】
ミノフスキー干渉波形分析式逆探知システムの略語。
→関連用語 : ミノフスキー干渉波
□ガンダリウム合金 (gundarium alloy) 【技術】
チタン系の超高張力金属で、耐熱性、耐蝕性、堪性、硬度に優れ、軽量で放射線絶縁性能も高い。
RX−78の外装に採用されたガンダリウムαが最初で、以後β、γと改良が重ねられ、ムーバルフレームの進化と共にMSには欠かせないものとなった。
後にスピンオフ技術によってαレベルの強度であれば、より安価なチタン合金セラミック複合材でも実現できるようになる。
ちなみにαは、当初ルナチタニウムと呼ばれていた。
→関連用語 : アーマー / 第二世代MS / ムーバブルフレーム
□強化人間 (artificial newtype) 【技術】
投薬や心理操作などによって人の潜在能力を引き出し、人工的にニュータイプ能力を付与された人間。一年戦争の終戦後、旧ジオン公国軍で研究の進んでいたニュータイプについての資料を押収した地球連邦軍は、それを元にニュータイプ研究を本格化し始めた。しかし、ニュータイプ適性をもった人間は少なく、人工的にニュータイプ能力を開発する研究が進められることとなる。主に戦災孤児を中心に適性のある子供が被験者に選ばれ、薬物投与やマインドコントロールによって、ニュータイプ能力を後天的に付与する実験が行われた。しかし、能力強化の過程で極端な躁鬱や情緒不安定などの精神的な障害が発生し、パイロット適性に支障をきたす場合も多々あった。グリプス戦役においてティターンズに協力したムラサメ、オーガスタ両研究所で育成された強化人間パイロットが実戦に投入されている。
→関連用語 : ニュータイプ / ニュータイプ研究所 / ムラサメ研究所 / オーガスタ研究所
羅針儀のこと。電磁波などを感知することにより、方位、進路を測定する器械。
再興ネオジオン軍の巨大MA、NZ−999に装備されたサイコミュ兵器。両肩部とスカート側面に装備された発生器をリング状に展開して、光の結晶体“サイコシャード”を発生させる。コアMSであるMSN−06Sに搭載されているサイコフレームと共鳴させることにより、サイコフィールドに限りなく近い現象を意図的に再現することができる。そのため、サイコシャードによるサイコフィールド展開時には、操縦者が望むイメージや想念に近い現象を実現させることが可能となる。
→関連用語 : サイコミュ / サイコフレーム / サイコフィールド
サイコフレームの共鳴現象により発生する正体不明の力場現象。詳細なメカニズムは不明である。人知を超えた数々の不思議な現象を引き起こす発光現象を伴いながら莫大なエネルギーを無尽蔵に発生する。
第二次ネオジオン紛争の際、サイコフレームを搭載したRX−93が、地球に落下しつつあった小惑星アクシズを宇宙に押し戻すという奇跡的な現象を起こしている。
→関連用語 : サイコフレーム
サイコ・コミュニケーター(Psyco Communicator)の略語。ニュータイプと呼ばれる人間が緊張状態において発する感応波(サイコウェイブ)と呼ばれる脳波を検知し、それを機械語に翻訳して機械を操作する技術、もしくはその機能を有するシステム。主にビット兵器と呼ばれる無線随伴攻撃端末類を操作するのに用いられる。一年戦争末期にジオン公国軍によって実用化され、MSやMAに搭載された。
→関連用語 : ニュータイプ / ビット / ファンネル / フィンファンネル / オールレンジ攻撃
感応波を増幅して発信するサイコミュシステムの機能をもつコンピューターチップを金属粒子並みのレベルで鋳込んだフレーム。従来のサイコミュシステムは大きな容量を必要としていたが、このフレームを内装することにより、サイコミュシステムの劇的な小型化が図れるようになった。
一般的にはMSなどに搭載されている熱核反応炉による発電機。
ミノフスキー物理学の応用によって、He3−D反応からクリーンで高効率なエネルギーを獲得できるようになった。
→関連用語 : ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉 / 機動兵器
□シャーマンフレーム (shaman frame) 【技術】
グリプス戦役時にオークランド研究所によって開発された準サイコミュシステム。
微弱な感応波でもコンピューターのサポートによってある程度の機体操作を可能とすることを目的に開発された。パイロットの身体データや操縦の癖などを蓄積することによって、動作パターンを高い精度で予測し、機体動作に反映する。
同研究所で開発されたORX−008やORX−009に搭載されている。
サイコミュ制御による兵器体系を、システムとの親和性の低い一般パイロットにも操作可能とする技術もしくはその機能を有するシステム。
サイコミュほど多大な情報を送受信することはできないが、パイロットの脳波を繰り返しサンプリングすれば、特定の命令をリアルタイムにコマンドすることができる。
インコムなどに利用されるが、コンピューターのサポートを付けても、二次元的な動きが限界である。
□ショックバルーン (shock balloon) 【技術】
MSのコクピット内に大きな衝撃が発生したときなどに展張し、パイロットの身体を保護する装置。
従来のシートベルトによる安全装置では、通常の操縦時にパイロットの自由度が低下するばかりか、衝撃発生時には危険な拘束具となってしまう。
そのため、シート自体が衝撃吸収能力を持つリニアシートが開発されてからは、ベルト式安全装置は廃止されたが、それだけでは不十分であったためこのショックバルーンが考案された。
機構的には旧世紀から自動車などに装備されていたエアバックと似ているが、ショックバルーンは展張後、自動的に収納され、再び衝撃に備えることが可能になっている。
このシステム上の違いは、エアバックが通常発生しえない衝撃に備えた装置であるのに対し、ショックバルーンは戦場という環境から常に衝撃に備える必要性があるために生まれたものである。
→関連用語 : リニアシート
地球上のエネルギー資源の枯渇、環境、人口問題などを解決するため、人類の宇宙移民を目的に建造された人工天体。開放型と密閉型の二種類のコロニーが存在する。
開放型コロニーは、直径6km、長さ32kmの巨大な円筒状の形をしており、1分50秒で1回転して、内部に1Gの重力を発生させる。円筒内部は軸方向に6区分に分かれており、陸地と“河”と呼ばれる窓の区画になっている。窓の外側には太陽光を反射する可動式の鏡が設置され、昼夜や季節の変化を作り出す。1基のコロニーには約1000万人の人口を収容する。
密閉型コロニーは、円筒内部をすべて陸地にしており、収容人口を約二倍に増やしたモデルである。外壁には太陽電池を配置して、内部に置かれた人工太陽を稼働させる。
□全天周囲モニター (all surrounding monitor) 【技術】
第二世代MSでリニアシートともに採用されたコクピットシステムのひとつ。球形のコクピットブロックの内面すべてを曲面モニターパネルで覆い、機体各所に設けられたカメラからの映像を、コンピューターが再構成してCGとして映し出す。画像は、パイロットの視点で歪みが生じないように調整される。
一年戦争末期にRX−78NT−1で初めて採用され、戦後初の新規開発された量産型MS、RMS−106に標準搭載されて以来、一部の特殊な機体(TMSなど)を除き、ほぼ例外なくこの方式のモニターを採用している。
□SOSUS (Sound Surveillance System) 【技術】
海底に設置されたソナー・レセプターを介し、世界中の大洋に監視網を展開する防御システム。各地の主要湾口付近に特に集中敷設されている。
→関連用語 : シギント
艦砲の砲撃に際して、目標までの距離を計測する軍用大型機器。
ミノフスキー粒子散布下ではレーダーが使用困難なため、光学系などの測距・照準システムを採用している。
地球連邦軍が対小惑星要塞攻撃用に開発した大規模破壊兵器。表面にアルミニウムを蒸着させた折り畳み式ミラーパネルを400万枚展開し、全ミラーを姿勢制御して焦点を一致させた巨大な凹面鏡を作り出し、太陽光線を反射させることによって目標物を高熱で焼くことができる。宇宙要塞ソロモン攻略戦に投入され、作戦の成功に大きく寄与した。
戦後、ミラーを薄いロール状に畳める改良型システム“タイプII”が開発された。このタイプIIはデラーズ紛争時にコロニー落下阻止に投入されたが、照射中にコントロール艦を失うといったアクシデントもあり、コロニーを焼き尽くすには至らなかった。
→関連用語 : ソロモン海戦
□ソーラーレイシステム (solar ray system) 【技術】
サイド3特有の密閉型コロニー一基を丸ごと改造した、口径6.5kmにも及ぶ巨大なレーザー砲。
一年戦争末期に、ジオン公国軍が大きく傾いた戦況を打開するために、総力を上げて開発した最終兵器。
戦後、関係資料や技術は地球連邦軍に接収され、グリプスIIを改造したコロニーレーザーを生んだ。
→関連用語 : コロニーレーザー
□大気機動 (synergetic maneuvering) 【技術】
正しくは、大気利用軌道面変換のための機動という。
軌道面とは、天体を周回する物体がとる軌道の円又は楕円を含んだ面のことで、赤道を含む面を基準として、この面と交わる角度を軌道傾斜角という。
例えば、地球上のある軌道を飛んでいる機体が、軌道傾斜角を変えるために一旦大気圏突入と同じ要領で大気圏上層まで高度を下げる。すると、大気の反作用で旋回する様に向きを変える。それが大気軌道である。
これを利用すれば、ロケット噴射による軌道変換よりもプロペラントの消費が少なくて済み、プロペラントを多く積載せずに軌道上を縦横無尽に飛行することが可能である。
ただし機体に条件があり、M2.5以上のスピードで飛行可能で、その時の揚力と抗力の比が適切な形状で、なおかつ空力加熱に強く、大抗力に耐えうる頑丈な機体でなければならない。
□耐ビームコーティング (beam resist coating) 【技術】
ビームが直射された時に、その熱で気化し、威力を相殺させる装甲表面処理。MSN−00100に採用された金色に輝くアーマーが有名である。
→関連用語 : バルーンダミー
□データリンク (tactical digital information link) 【技術】
複数の兵器間や司令部で、作戦行動で用いられる情報を共有するためのデータ通信ステムのこと。
情報収集と指揮命令の迅速な伝達が可能となり、複数の兵器が綿密に連携することが実現した。近代戦の基本ともいえる装備である。
しかし、ミノフスキー粒子散布下の戦場では、電波による無線データ通信が阻害され、データリンクが機能しなくなり、前時代的な前線での戦闘指揮が復活することになってしまった。
→関連用語 : ミノフスキー粒子
□NITRO (Newtype Injection Trance Refored Oldtype system) 【技術】
MSN−001Xに搭載されたサイコミュシステム。
特筆すべき点は、ニュータイプ的素養のない者にもニュータイプ能力が付与される、ということである。このシステムの恩恵によりオールドタイプのパイロットでも、サイコミュを起動してビット兵器を操作させることが可能になる。
実際には、システムが機能する毎にパイロットの脳内を強制的に書き換えていき、システムに最適化された「強化人間」へと改造していく。そのため、パイロットの性格は非常に攻撃的なものに変化する。
→関連用語 : 強化人間
□熱核反応炉 (thermonuclear reactor) 【技術】
制御された熱核融合反応を起こし、それによって得られるエネルギーを発電などに利用するシステム。
ミノフスキー物理学の応用で生まれたミノフスキー・イヨネスコ型は、ヘリウム3を基本燃料とし、D−He3反応によって膨大なエネルギーを生み出す。
それまで使用されていた原子炉よりも、小型で比較的安全であるため、急速に普及した。小型かつ高効率のため、MSを始めU.C.0050以降の融合炉は殆どミノフスキー・イヨネスコ型である。
→関連用語 : ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉
□熱核ロケット/熱核ジェット (nuclear thermal rocket/nuclear thermal jet) 【技術】
MSの動力源である熱核反応炉の炉心を解放し、プロペラントを炉心に通して噴射することで推進力を得るのが熱核ロケットエンジンである。
炉心からのエネルギーで、プロペラントを膨張させるため、エネルギー効率が高く、大きさの割には強い推進力を得ることができる。
そして、プロペラントを使用せず、代わりに大気を利用したのが熱核ジェットエンジンである。
これは、熱核反応炉から水素を媒体として大気に熱エネルギーを伝達し、膨張した大気を高速で噴射するときの反作用を推進力とするもので、大気中であればプロペラントを必要としない分、効率が良い。
しかし、大気の無い宇宙空間では使用できないため、宇宙では熱核ロケット、地球上では熱核ジェットというように、切り替えられるハイブリッドタイプ、熱核ロケット/ジェットエンジンも開発された。
クロスボーン・バンガードの開発した新型サイコミュシステム。
MSの機体制御を思考のみによって行うマンマシーンインタフェースである。パイロットは頭部に専用インターフェースを装着し、光ファイバーによって機体と有線接続して運用する。
バイオコンピューターから発展して開発されたシステムであり、従来のサイコミュとの技術的な関連性はない。
→関連用語 : サイコミュ / バイオコンピューター
□バイオコントロールシステム (bio control system) 【技術】
NZ−000に搭載されていたサイコミュシステム。鹵獲したMRX−009のサイココントロールシステムを改良し、操縦をより高度にすることに成功した。操縦者はニュータイプに限られるが、専用インカムを頭部に装着し、感応波によって指令を行えば、インカムが信号を中継し、MSおよびファンネルを思いのままに操作することができる。
→関連用語 : サイコミュ
□バイオコンピューター (bio computer) 【技術】
人間の意思を受けて様々な機器を制御し、思い通りに操ることを目指して開発された有機コンピューターシステム。
元々は障害者向けに研究が進められていたが、地球連邦軍からの資金が導入されたことによって、サイコミュに代わるMS制御システムとして研究が進められることになった。
試験的にF91のメインシステムとして採用された。
MSZ−006、MSZ−010などに、アナハイム・エレクトロニクス社がニュータイプ兵器の模索のために秘密裏に、しかも独断で搭載したブラックボックス的なシステム。簡易サイコミュとして機能し、現実にこれを装備された上記の二機はスペック以上の性能を発揮したという。
→関連用語 : アナハイム・エレクトロニクス社 / サイコミュ
□HADES (Hyper Animosity Detect Estimate System) 【技術】
一年戦争末期、地球連邦軍のMS開発計画「ペイルライダー計画」に基づいて、オーガスタ研究所で開発されたMS制御システム。次世代MSとして試作されたRX−80に搭載された。ジオン公国軍から流出したEXAMシステムをベースに開発された特殊システムで、MSの各種リミッターを強制解除して機体性能を向上させるとともに、教育型コンピューターの流用で最適解をパイロットに伝達もしくは強制的に割り込んで実行する戦闘補助システムである。同システムによる負荷には普通のパイロットでは到底耐え切れず、薬物の投与などによって強化処置を施した専従パイロットが必要と判断されていた。
→関連用語 : 地球連邦軍 / オーガスタ研究所 / EXAMシステム
耐熱/難燃性繊維で作られたドーナツ状のバルーン。MSや艦艇の大気圏再突入に使用される。
バルーン中央の小さな穴からロケットノズルだけを露出させて、機体全体を覆うように包み込む。大気圏上層まではロケットで減速し、それ以降は空気抵抗によって減速をする。
宇宙空間の戦闘が想定される機器にほぼ例外無く装備されている、MS、宇宙艦艇、岩塊などの形状を模した一種の風船。
射出後瞬時に展開し、それぞれの形状を成す。そして、MSや宇宙艦艇に近い運動をランダムに行い、敵の観測装置やMSパイロットの「眼」を攪乱、欺瞞する。
U.C.0080年代半ば頃に実用化され、U.C.0150年代にもなると、機雷や推進機が仕込まれるようになり、武器的な扱いもされるようになった。
□ビーム攪乱幕 (beam confusing membranous) 【技術】
メガ粒子ビームを吸収しやすいガスを散布し、ビームを拡散させて威力を減衰させる一種の防御方法。
収束されて発射されたメガ粒子は、宇宙より大気圏内での方が減衰しやすく、有効射程が短い。これは大気があるためで、真空中であっても拡散するため距離に比例して減衰はするが、大気中だと拡散するよりも先に、大気中の分子と衝突してエネルギーを失ってしまう。
逆にその特性を利用して、メガ粒子を減衰させるガスを発生させれば、そこを通過するビーム弾の威力は弱くなる。これがビーム攪乱幕の原理である。
しかし、ビーム弾による致命的なダメージを受ける可能性が低下する一方で、自軍や自機が発射したビーム弾も威力が大幅に減衰するので、状況に応じて使用することが重要である
。
→関連用語 : M弾頭
一般的にはミノフスキー物理学の応用によるメガ粒子を利用した兵器のこと。
荷電粒子砲やレーザー砲なども含まれるが、宇宙世紀においてはメガ粒子砲を初めとする、ミノフスキー物理学から生まれたものがほとんどである。
ジオン公国軍が、ミノフスキー通信技術を利用し、サイコミュ攻撃システムの一環として開発した無人随伴攻撃機。
基本的な構造は、熱核反応炉を搭載し、化学ロケットによるメインスラスターとバーニアで姿勢を制御し、光学センサーで目標を探知、ビーム砲で攻撃するというものである。
後に小型化、多機能化が進み、公国軍残党によってファンネルが、ジオンのデータを接収した連邦軍がリフレクタービットを開発して発展していく。更にその後、フィンファンネルとして形態を変えて進化した。
→関連用語 : サイコミュ / ファンネル / フィンファンネル / オールレンジ攻撃
無線誘導随伴攻撃機ビットの発展型であるサイコミュ兵器。基部にメインスラスターと周囲に姿勢制御用バーニアを持ち、先端にビーム砲を備える。外観が漏斗のような形状をしているためファンネルと呼ばれる。
MAN−08のビットは、熱核反応炉を搭載しているため全長8.4mと大型であったが、ファンネルはエネルギーCAP技術の向上によって、熱核反応炉を必要としなくなったことから大幅に小型化することに成功した。そのため、被発見率、被弾率はかなり低下したが、その分滞空時間が短くなってしまった。故に一定のローテーションで、母機のファンネルコンテナで充電と推進剤の補給をする必要がある。
それを解決するために、AMX−015ではマザーファンネルと呼ばれる大型ファンネルに小型の攻撃用チルドファンネルを格納して中継させるという方法も試された。
また、小型化が進む一方で、NZ−333のファンネルはMAN−08のビット並みに大型で、20.4MWもの高出力ビーム砲を搭載し、大出力スラスターを備えて高い加速力をもつものもある。
さらにRX−93のフィンファンネルのような特異な形状と機能を備えたものも試作されている。これはビーム砲としてのIフィールドをバリアにも流用できるもので、攻防に優れた武器として注目された。しかし、制御には高いニュータイプ能力を要することもあり、一般化の目途は立っていないようだ。
→関連用語 : サイコミュ / ビット / フィンファンネル / オールレンジ攻撃
RX−93の背部に装備される板状の新型ファンネル。
開放型のメガ粒子加速帯と小型のジェネレーターを内蔵し、それ自体が板状のAMBACユニットであるため、プロペラント消費を低減でき、稼働時間を延長と高機動を実現している。
さらに、自機を取り囲むように配置し、メガ粒子砲として使用されているIフィールドジェネレーターから生まれる力場を開放すれば、完璧なビームバリアを展開することも可能である。
MAなどに装備されるIフィールドジェネレーターと発生原理は同じだが、ファンネルの配置によって有効面を任意に設定できるため、ビーム兵器に対する弱点は実質的に存在しない。
→関連用語 : サイコミュ / ビット / Iフィールドバリア
モニター上でパイロットの前方視界を妨げずに、文字やその他の情報を投影することにより、敵機の情報や戦況を迅速に読み取らせるための表示方法。
→関連用語 : 全天周囲モニター
ヘリウムの同位元素で、普通のヘリウム(He4)は原子核が陽子2個、中性子2個なのに対し、中性子が1個しかないヘリウムのこと。
ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉のD−He3反応には、デューリウム(重水素)と伴になくてはならない燃料である。核融合には、他にもD−T反応やD−D反応などがあるが、どれも大量の中性子を発生するために扱いにくい。反面、D−He3反応は中性子がほとんど発生しない、クリーンで扱いやすい。
ヘリウム全体の0.015%に過ぎない超希少元素であり、地球上にはほとんど存在しないため、供給は木星から採取してくるヘリウム輸送船団に頼っている。
→関連用語 : ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉 / 木星船団公社
□マイクロハニカム構造 (micro honeycomb structure) 【技術】
金属中に発生させたミノフスキー立方格子に添って、異種結晶化結合を成長させた構造。
地球に本社を持つヤシマ重工が開発した。
□マグネットコーティング (magnetic coating) 【技術】
一年戦争末期に実用化された地球連邦軍製MSの関節の駆動部に採用されていた「フィールドモーター」と呼ばれる流体アクチュエーターの反応を高めるために施された処理。駆動ロスを軽減し、時定数を高めようとするもので、姿勢変換に要する時間が27%短縮された。RX−78−2に施工され、専任パイロットであるアムロ・レイ少尉の高い反応速度に機体を追従させることに貢献した。
戦後においてはMS性能向上の一般的な技術として普及し、TMSの変形に要する時間の短縮などに応用されている。
→関連用語 : TMS
衛星軌道上に物資を大量輸送するために設けられた設備。仕組みとしては巨大なレールガンであり、パレットに乗せた貨物を軌道上に置き、それを電磁誘導で加速させて射出する。受領先では貨物を受け止めるマスキャッチャーが必要となる。主に月面都市や小惑星基地に置かれ、スペースコロニー建造時に資材を輸送する目的で設置された。地球上では、宇宙引越公社の保有するアーティ・ジブラルタルのそれが有名である。
→関連用語 : 宇宙引越公社
□マルチプルコンストラクションアーマー (multiple construction armor) 【技術】
F91に採用されている新構想の装甲。モノコックとムーバルフレームの特性を合わせ持っている。
サイコフレームの技術を応用し、電子機器の機能や回路の取り回しをフレーム構造そのものに兼任させることで、軽量化と推力重量比が大幅に改善された。
□ミダスタッチフラッシュシステム (Midas touch flash system) 【技術】
ザンスカール帝国の試作MS、EZM−S01に搭載された特殊システム。対MS用コンピューターウィルスの一種。高速かつ複雑に明滅する多数の光線を放つことによって、敵機の光学系センサーから侵入し、コンピューター内の運動プログラムに干渉する。干渉を受けた運動プログラムはそれを停止命令と誤解し、動作を停止させる。現代のQRコードに近いシステムである。MSの基本OSに存在していたある種のバグを突いたウィルス。
本来、システムを搭載した機体もこの光線を受けると停止してしまうが、EZM−S01では二系統のセンサーを光線の明滅パターンに合わせて切り替えるようにして機能停止を回避している。
「触れたものを全て黄金像に変える」というギリシャ神話のミダス王の逸話から名付けられた。
□ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉 (Minovsky&Ionesco type thermonuclear reactor) 【技術】
ヘリウム3と重水素を燃料とし、He3−D原子核融合を起こすことでエネルギーを得る核反応炉。原子核融合の際にミノフスキー粒子の立方格子構造を利用して、プラズマの安定や放射線の遮断、核融合エネルギーの電力変換などを行っている。
→関連用語 : ミノフスキー物理学 / 熱核反応炉 / ヘリウム3
□ミノフスキー干渉波 (Minovsky interference wave) 【技術】
ミノフスキー粒子の散布領域に物体が存在すると、それが粒子の拡散に干渉して濃度変化を生じさせる。これをミノフスキー干渉波という。
これを電波攪乱の度合いで検出分析すると、その物体のおよその位置、大きさが判明するため、ミノフスキー干渉波形分析式逆探知と呼ばれる索敵システムが開発された。
しかし、まだ発展途上のシステムであり、敵の形状、種別の特定が曖昧で、ダミーとの判別もつきにくいのが難点である。
→関連用語 : ミノフスキー粒子 / 干渉逆探 / シギント
□ミノフスキークラフト (Minovsky craft) 【技術】
ミノフスキー物理学を応用した飛行システム。
ミノフスキー粒子は、正負が交互に整列する性質がある。これは、粒子間に働く電気力とT力によって起こるこれまでの素粒子には無い性質で、これに作用するフィールドを発生させて物体を浮遊させる。
疑似的な反重力システムと称されるが、重力加速は通常の物体と同様にかかっている。それをミノフスキー粒子の立方格子によって落下するのを支えている(持ち上げている)わけで、重力をコントロールしているわけでも慣性をコントロールしているわけでもない。
一年戦争当時、地球連邦軍のペガサス級強襲揚陸艦ホワイトベースは、このミノフスキークラフトを初めて装備した宇宙艦艇である。その後、技術の進歩により小型化され、MSにもこれを装備した機体が登場している。
→関連用語 : ミノフスキー物理学 / ペガサス級強襲揚陸艦 / 第五世代MS
□ミノフスキードライブ (minovsky drive) 【技術】
ユニット内部でエネルギーフィールドを発生させ、それによって生じる反発力を推進力として用いる技術。
ロケットエンジンと異なり、加速の際に推進剤を必要としないため、推進剤による重量増加や推進剤切れによる加速時間の制限が存在せず、機体のエネルギーが続く限り無制限に加速ができる。理論上は亜高速まで加速が可能である(実際には機体の強度とパイロットの負荷の問題からそこまでの加速はできない)。
技術的にはまだ不完全なものであり、出力を上げるとユニットに封じ込められなかった余剰エネルギーがビームとして後方に放出されてしまう。この現象はまるでビームの翼のように見えることから“光の翼”と呼ばれる。
→関連用語 : ミノフスキー物理学
□ミノフスキー物理学 (Minovsky physics) 【技術】
元ジオン公国の物理学者で、一年戦争開始直前に地球連邦政府へと亡命したT.Y.ミノフスキー博士によって提唱された物理学。
ミノフスキー博士は、ミノフスキー粒子存在の仮定と新たなゲージ理論により、自然界の4つの力(重力、電磁力、強い力、弱い力)を統一し、大統一理論に一つの決着を付けた。
ミノフスキー粒子は、間もなく博士自身の手で発見され、学会では素粒子物理学に終止符が打たれたとまで言われた。
→関連用語 : ミノフスキー粒子
□ミノフスキー粒子 (Minovsky particle) 【技術】
T.Y.ミノフスキー博士が発見した静止質量がほとんどゼロで正か負の電化を持つ素粒子。
この粒子は、一定濃度において立体格子状に整列する性質をもっている。そのため、ミノフスキー粒子が散布された空間では、そこを伝播しようとする電磁波のうち、マイクロ波から超長波にかけての減衰が著しくなり、一方で超LSIなどの集積回路に誤作動、機能障害を生じさせる性質がある。
そのため、ミノフスキー粒子が大量に散布された空間では、レーダーによる長距離索敵や無線データリンクは不可能になり、電子装置も高価で重量のかさむ保護システムが必須になってしまったことから、精密誘導装置はコスト、サイズ、ウェイトを同時にクリアできなくなった。
これにより、現代戦は様相を一変させることとなったのである。
→関連用語 : ミノフスキー物理学 / データリンク / ドッグファイト
□ムーバブルフレーム (movable flame) 【技術】
グリプス戦争時に開発された、従来のモノコック式やセミ・モノコック式フレームに代わるMSの新型フレーム。
人間の動きをトレースできるほどのフレシキビリティを持つ内骨格式の構造で、様々な動きに対して外装甲が干渉を減らす動きをし、常に関節駆動部の露出面積を最小限に留めるようになっている。
さらに、故障発生率も極めて低く、信頼性の高い完成された構造として以後のMSに瞬く間に広まった。
また、剛性も非常に高いため、TMS誕生の土壌ともなった。このフレームとガンダリウムγがなければTMSは完成されなかったと言われている。
□メガ粒子砲 (meag particle cannon) 【技術】
正と負の電荷を帯びたミノフスキー粒子を強力なIフィールドで圧縮し、縮退、融合させることによって生成された粒子をメガ粒子と呼ぶ。その際に質量欠損が起こり、一部が運動エネルギーに変化する。このメガ粒子を収束、加速して射出する砲をメガ粒子砲と呼ぶ。宇宙艦やMSなどの機動兵器の主砲として用いられる。
→関連用語 : ビーム兵器
□ラグランジュポイント (lagrange point) 【技術】
宇宙空間で3つの天体が行う運動は大変複雑だが、地球・月系で考えた場合、人工衛星のとりうる軌道のうち、系の内側から見て互いの相対位置が変化しない軌道がある。これを発見者の名前をとって、ラグランジュポイントと呼ぶ。重力的にも安定しているため、コロニーの建造に適したポイントとされている。
第二世代MSのコクピットに関する革新的システムのひとつ。
全天周囲モニターを配した球形コクピットの中央部にリニアレールを設置し、その上にパイロットシートを置くことによって、あらゆる方向からのGを吸収しつつ、全方位の視界を確保する。
MSの性能向上に伴ってパイロットにかかる肉体的な負担も増加したが、このシートの採用によりかなり改善された。
→関連用語 : 第二世代MS / 全天周囲モニター / イジェクションポッド
メガ粒子ビームの反射器。ビームバリアと同様にIフィールドジェネレーターを用いて、リフレクターに撃ち込まれたビーム弾を特定の方向に反射する。
ビームバリアとは異なり、ビームを拡散させないように、しかも大幅な偏向が必要なので、高度なIフィールド制御技術が必須である。
また、大量の電流を消費するため、射撃の瞬間にタイミングを合わせて、ビームがリフレクターに達する瞬間に稼働させるようになっている。
リフレクタービットやリフレクターインコムといった形で運用されている。
→関連用語 : Iフィールドバリア
□リユース・サイコ・デバイス (reuse psycho device) 【技術】
一年戦争末期、ジオン公国軍で開発された義手や義足など義肢を通して脳の思考によるMSの操縦を可能する技術。脳が本来の手足を動かそうとする信号を、そのままMSの動作に変換できる。装着している義手や義足もある程度の動作が可能で、データバックアップ機能も有する。本来、MSの操縦には熟練を要するが、この技術を用いれば新兵でも熟練兵以上にMSを文字通り自分の手足のように扱い高い機動性を実現できることになる。ただし、その手足が義手や義足でないと有効にならないため、有効性が立証された場合、多数の兵士の健全な手足が切断されることになると危惧されている。
□リングサイコミュ (ring psychomu) 【技術】
エンジェルハイロゥに搭載されているサイコミュシステムの名称。
操縦者の意思を送受信する通常のサイコミュとは異なり、人の意思や感情そのものを強力に指向性を持たせずに発信し、強制的にその影響下に置いてしまう。
サイコミュというよりも洗脳装置に近い。
→関連用語 : エンジェルハイロゥ
□レーザー推進システム (laser drive system) 【技術】
本体のプロペラントを使用せず、月面などに設置された数カ所の施設から受けたレーザーを集約し、それを熱源として推力を得るシステム。
本来は、核融合推進装置などを取り付けられない岩塊などに装着する推進装置。
火薬や爆発物などの物理的な圧力によらず、電磁誘導によって実体弾を打ち出す大砲。
原理的にはマスドライバーと全く同じで、機構に要する体積が大きくなる反面、打ち出す砲弾などの種類を選ばないので汎用性に秀でている。
また、燃焼が伴わないので、メンテナンスも容易であるという長所がある。
→関連用語 : マスドライバー
MSパイロットに見られる症状。急激な下降(マイナスG)によって眼球内の血管に血液が集中し、視界が赤く染まる症状を起こす。
この逆に急激な上昇(プラスG)によって脳貧血状態になり、一時的に盲目になることを「ブラックアウト」という。