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それがどうした! 第2分室

髪の孺子
「おのれ、孺子…金髪の孺子めっ!!」
「フレーゲル様…」
「孺子め!  孺子、孺子ぉぉぉぉぉぉぉぉ!  みてるがよい、孺子!  必ず、必ず、我が前に這いつくばらせてやる!」
「そんなにも、その金髪の孺子というお方がお嫌いなのですか?」
「愚問だっ!  あのような孺子…ところで、おまえ誰?」
「メイドです!  う〜 お忘れになられたのですか?  ひどい…」
「有象無象いるからな、我が屋敷には。いちいち覚えてはおらぬ」
「フレーゲル様…私、あの日の御恩を忘れておりません。
  あの日、お花畑に一人たたずんでいた私の手を力強くお引きになられ…この屋敷に連れてこられた事を…
  明日をも知れぬ貧困な生活から救ってくれました事を…」
「いや、それは誘拐というのでは、多分。そんな事もあったのだろうか?
  よく覚えてはおらぬのだが…いかんせん、身に覚えがありすぎて思い出せぬ…」
「さすがはフレーゲル様、善行と知って行った事は、真の善行とはいえないといいます。
  下々になされた救済など、いちいち覚えてなられないのですね…」
「いやいや、見事な曲解。このフレーゲル、フレーゲルでなければおまえになりたいぞ。毎日薔薇色だな。その天然ぶりは」
「あのぅ、誉めていただいたのでしょうか?  よくわかりませんが…そんな事より!
  私、今までの御恩をお返しするため、その金髪の孺子というお方を…
  あの…その…ボコボコにして、フレーゲル様の下に這いつくばらせてみせます!」
「フッ…君は知るまい。奴は見かけは貴族だが、その実はスラム街育ち。
  一切れのパンを奪い合う凄惨な毎日を送った男…容易には勝てぬぞ」
「まかせて下さい。こう見えても、私…実は戦闘メイドですから」
「そうか、そうか、よくわからんが、ならば行くがよい!  名も無きメイドよ!!  健闘を祈る!!」
「見守って下さい。天国にいるお父様、お母様、兄様、姉様…ええっと、妹に弟に叔父様、叔母様…あぁ、私の家族構成って…
  次回はちゃんと設定して下さいね…せめて名前ぐらい…お願いです、お願い…」
−次回なんてあるはずないよ…永遠にないよ…永遠に

「金髪の孺子、捕獲成功で〜す!」
「何? 本当か!」
「はいっ!  やりました〜」
「ハハハハハッ!  孺子!  孺子め!!  フハハハハハハッ!!」
「ふぅ、とっても強かったです〜とっても手強かったです〜しかも、最後に捨てぜりふまで」
「ほぅ、何と言っておった?」
「はい、『負けるものか』と」
「そうか、そうか、フン、最後の最後まで往生際の悪い奴だ。さて、ゆっくり…強く、激しく!  いたぶるか…ん?」
「どうしたのですかぁ?」
「フッ…君は知るまい。こやつ、見かけ孺子だが、その実は…って、おい、違うぞ!
  そもそも、こいつは金髪の孺子ではな〜い!!  だいたいよく見ろ女だぞ。」
「ひえ〜ん、女の方なのですかぁ?  私、婦女暴行罪ですか?
  どうしましょう、どうしましょう。だって、だって、ぜんぜん女の人に見えなかったんだよぉ」
「いや、相手が男でも十分暴行罪だぞ。まぁ、こやつ自身、自分を女と自覚しているのか興味深いが…
  そんな事はどうでもよい。どうするのだ?  この金髪の小娘」
「捨ててきます、病院の裏路地へ〜」

「ふぅ、なんとか見つからず、捨ててきましたぁ」
「ご苦労な事。それで、どこに捨ててきたのだ?」
「病院が見当たらなかったので、教会の裏に…慈善団体ですもの、きっと手当てしてくれます」
「ほう、教会か」
「ええ、なんか青くて丸いモニュメントやら、丸と手のマークやら…やけに騒々しいカラフルな教会でした〜」
「きっと、次に目覚めたら臓器が片っぽずつ無くなってたり、洗脳されて突然叫び出したりするのだろうな。
あの小娘、たしか、あの某家の御令嬢だったと思ったのが…
  いやいや、まったくお気の毒さま。未来の旦那もきっと苦労する事であろうな。
  ところで、なぜあの小娘を連れてきたのだ」
「う〜写真を貰うのを忘れてましたので、某パーティー会場の100人の方に…女性しかいなかったのですが、
  生意気な金髪の孺子の件につき聞き込みしたところ、その人が…」
「あれは金髪のお嬢。よいか、世間一般で金髪の孺子というのはこいつの事を言うのだ」
「わかりました! このお写真、お借りしま〜す。次こそは必ず、必ず…」
「必ずなんだね?」
「いえ、天から悪意の波動が…なぜか、次も失敗するようなぁ」
「君、電波受信可?」
「いえ」
「ならば、気のせいだ。気にせず行くがよい」
「はいっ!  フレーゲル様、行ってきま〜す」
「とても、人を誘拐しにゆく人のお出かけの挨拶ではない脳天気ぶりだな。叔父上からアンスバッハ借りた方が得策だったか?」

「で、どうしてこうなるのかね?」
「う〜写真の人〜」
「阿呆っ!  このお方は現皇帝陛下なるぞ!!
  だいたい、金髪であったかどうかもわからん頭にっ! 見てわからんか! こいつは孺子ではない、白髪のじじいだっ!!」
「ひえ〜、皇帝陛下〜??  どうりで厳重な警護が…
  ようやく見つけた地下の抜け穴に、親衛隊とか試製超重戦車オイとかスツーカとかリットリオとかとか、
  わらわら、ざくざく、とっても、とっても強かったですぅ」
「ひしめき合っていたのかね、地下道にそれらが?  いやいや、ある意味見たかったぞ、それは」
「ううっ、どうしましょう? 皇帝陛下誘拐なんて!
  発覚して、捕まって、禿のサンタのおやじやらロリコン総監にあんな事やこんな事を…いや、いや〜 いやだよぅ」
「禿のサンタおやじはなんとなく理解できるのだが、ロリコン総監とは誰の事かね?
  君は何か未来視でも…いや、愚問であった。で、どうするのかね?  これ」
「これって?  あれ、それーっ!  捨ててきま〜すぅ」
「ハッハハハ、皇帝陛下を捨ててくるとは…元気だね」

「う〜」
「どうしたのかね」
「途中で起きちゃいました、 口説かれました、 いっぱい口説かれました〜後宮に連れさらわれそうになりましたぁ、ううっ、恐かったです」
「まさか、ばれてはいないであろうね」
「うっ、わかりません」
「フッ、君は知るまい。奴は見かけは皇帝… いや、実際もそうだが。
  即位前の奴は、アル中寸前で酔拳ブチかまし破壊活動をしながら、街中を借金しまくり渡り歩いていた男。
  皇帝でありながらスラム街から邸宅街まであらゆる逃げ道を知り尽くしている。逆に尾行などされてないであろうなぁ」
「うぇ〜ん、窓の外で何かカサカサッと動いた〜」
「君、なにか当家に怨みある?」
「あっ、ありませ〜ん!」
「フッ、当家滅亡…が、見ておれ、悪にも美学がある。奴だけは道連れにしてやる!  金髪の孺子っ!!
  よいか、お前の力量はよくわかった。いいか、この写真をよく見ろ。 これが金髪の孺子だ!  わかるか?  わかるな?」
「あ、あっ!  そんな…そう…そうだったの…金髪の孺子って…フレーゲル様ぁ…私…わかりました。
  でも、もっと早く、なぜ、言ってくれなかったのです?」
「いや、何度も言ったつもりなのだがな。今度こそ、わかったな?  名も無きメイドよ。」
「はい、わかりましたぁ、強烈にわかりましたぁ〜もっと、早く、早く、言っていただければ…
  もっと、もっと、早く、いじめてさし上げましたのに、フレーゲル様!」
「はぅ?  君、また、なんか勘違いしているね?」
「遠慮なさる事ありません、フレーゲル様。さぁ、恐くなんてありません…よ、クスッ」
「違うぞ〜違うぞ〜金髪の孺子は私ではなぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!  うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜」

教訓、教訓、集合写真で誘拐相手を確認するのはやめましょう。


開発メンバーの中でフレーゲル君の話題が旬であったころ、フレーゲルお前も金髪の孺子だっ、ああヒルダもねっ、というお話が出てはや数年…ようやくこのたび文章化となったようで。のほほ氏には元ネタあるだろうと言われたのだが…自覚症状なしです。似たような話あるのでしょうか?  とりあえず、「出典を正確に言ってみろ!」と言っておくよ。
フレーゲルの口調が全然フレーゲルじゃないよぉ。遊猫が書く男性口調の基本フォーマットがこれなので、きっとラインハルトを書いてもキルヒアイスを書いてもこうなるんだろうなぁ。ううっ、嫌だよぉ。

【1999 舞風遊猫】

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