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それがどうした! 第2分室

題ヒルダ篇
新帝国歴003年1月29日
ラインハルト・フォン・ローエングラムとヒルデガルド・フォン・マリーンドルフの結婚式にて

オレンジ色の髪をかきあげたビッテンフェルトが、僚友のひとりにささやいた。
「おれの本心を言うとな、ミュラー提督。皇帝は結婚式の花婿としては、おそれおおいことながら、ただの美青年にすぎぬ。
  だが、全軍の先頭に立つ大元帥としては、まことに、神々しいほどの御方だ。卿はそう思わんか」
ビッテンフェルトの述懐は、ミュラーを納得させた。灰色の瞳に同意の色をたたえて大きくうなずき、あらぬ方向を見ながら、まったく論点がはずれているが前後の関係としては一見連続したセリフをささやき返した。
「私が思うに、花婿としても、充分、神々しくあられます」
ミュラーの反対側の席にいたアイゼナッハは、ちらりと彼の見た方向に視線を走らせ、先ほどの惨事を思い出していたが、口に出しては何もいわなかった。

先ほどの惨事…ラインハルトとヒルダが、参列者のつくる人体の壁の間を歩み、一段と高くなった壇上に上がった時の事である。
ヒルダの白いドレスは、たくみにデザインされて、懐妊五ヶ月の花嫁の腹部を隠しており、ヒルダの優雅さは、いささかもそこなわれていなかった。
壇上では、証人役が待ちうけている。旧王朝の慣習にしたがい、宮内尚書がその役をつとめるのだが、彼らの姿を見るなり狼狽し、小さな声でうめいた。
「ひっ、ヒルダ様が女装?」
彼の震えの原因がこの失態にある事は、僅かな人しか知らなかった…また知るよしもなかった。





めずらしく遊猫が出典を完全に覚えており、その出典によりできたネタ。奇跡は今世紀中に起きましたぁ。こんな事言うとのほほ氏に、「紀元0年が無いかぎり、来年も今世紀だぞ」なんてつっこみ入れられるんだろうなぁ。でも、よし、今回は当方に解答の用意ありっ!  「出典を正確に言ってみろぉぉぉぉッ!」

【1999 舞風遊猫】

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