ミステリ&SF感想vol.176 |
2010.01.18 |
『密室から黒猫を取り出す方法』 『ミスター・ディアボロ』 『電氣人間の虞』 『水魑の如き沈むもの』 『毒蛇の園』 |
密室から黒猫を取り出す方法 名探偵 音野順の事件簿 北山猛邦 | |
2009年発表 (ミステリ・フロンティア) | ネタバレ感想 |
[紹介と感想]
*1: こちらは、“推理ゲーム”という形式を採用することで、扱いにくいトリックが有効利用されています。
*2: E.A.ポーへのオマージュ……にしては、作品の雰囲気はかけ離れたものになっていますが。 *3: ただし、本書の中で浮いたような印象となっているのは否めないところです。 2009.11.26読了 [北山猛邦] | |
【関連】 『踊るジョーカー』 |
ミスター・ディアボロ Mr. Diabolo アントニー・レジューン | |
1960年発表 (小林 晋訳 扶桑社文庫 レ8-1) | ネタバレ感想 |
[紹介] [感想]
*1: 例えばジョン・ディクスン・カーなら、〈悪魔の小道〉の伝説にもっと力を入れて、事件の発生ももう少し後まで引っ張ったのではないかと思われます。
*2: 「扶桑社ミステリー通信」には、 “他の冒険小説系の作品にも登場するアーサー・ブレーズを、敢えて探偵役に立てているところをみると、レジューン自身、遊びの精神で番外編っぽく楽しく書きあげたらしいことがうかがわれます。”と記されています。 2009.11.30読了 [アントニー・レジューン] |
電氣人間の虞 monster surprised you! 詠坂雄二 | |
2009年発表 (光文社) | ネタバレ感想 |
[紹介] [感想]
*1: 以前の作品と共通する人物も登場しているようですが……。
*2: 作者自身が作中に登場するメタ趣向で、デビュー作『リロ・グラ・シスタ』の推薦文をめぐるやり取り(190頁)などは苦笑を禁じ得ません。 *3: 余談ですが、このあたりの処理、すなわち前述の(一応伏せ字)情報量のギャップにより、探偵役の推理についての疑念を読者に抱かせる(ここまで)手法は、氷川透の某作品(一応伏せ字)『密室ロジック』(ここまで)に通じるところがあるように思います。 *4: 前例を踏まえてどのような工夫が施されているのか、というところ。 2009.12.10読了 [詠坂雄二] |
水魑{みづち}の如き沈むもの 三津田信三 | |
2009年発表 (原書房 ミステリー・リーグ) | ネタバレ感想 |
[紹介] [感想] 2009.12.13読了 [三津田信三] | |
【関連】 〈刀城言耶シリーズ〉 |
毒蛇の園 A Garden of Vipers ジャック・カーリイ | |
2006年発表 (三角和代訳 文春文庫 カ10-3) | ネタバレ感想 |
[紹介] [感想]
*1: また、
“真相の平凡さに比して構成が複雑すぎるため、結果としてバランスを欠いている”(「『毒蛇の園』(ジャック・カーリイ/文春文庫) - 三軒茶屋 別館」より)という指摘にも同感です。 *2: 「エピローグ」ではなく、その直前のこと。 2009.12.16読了 [ジャック・カーリイ] | |
【関連】 『百番目の男』 『デス・コレクターズ』 『ブラッド・ブラザー』 『イン・ザ・ブラッド』 『髑髏の檻』 |
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