THRACIA 776

ゲーム内容 

* シナリオ *
《聖戦の系譜》をプレイしていない方にネタバレになってしまう部分を省いて、簡単にストーリーをまとめると「国を追われた王子が、各地をさすらい、様々なものを見聞きすることで成長し、最終的には国を取り戻す」という概要だけ見れば割とオーソドックスなものです。また、キャラたちの台詞も「ここまでつらぬけば立派!」というほど『王道(お約束)』なものです。
これだけを見ると「普通のゲーム?」と思ってしまいますが、そこは『エムブレマー』と呼ばれる人々(注1)を生み出すほどのゲーム。ネタバレがまずいので書けないのですが、細部に非常に重たいテーマも秘めたシナリオになっています。

注1 エムブレマー
   @このゲームのプレイヤー
   A完全にはまってしまって色々な意味で、ゲームをやり尽くすことを目的とする人々(笑)


* システムその他 *
シミュレーションRPGということで、戦略ゲームとRPGの両方の要素を兼ね備えたものになっています。

【特徴1】1マップ・1シナリオ・1回セーブ(泣)
ひとつのシナリオにつき、ひとつのMAPがあります。MAPにはプレイヤーが操作する味方ユニット(キャラ)と、敵ユニット・その他ユニットが配置されており、プレイヤーは互いの位置・能力関係を考えながらユニットを動かしていきます。普通のRPGと違うのは、まず「パーティにまとまっていない」ことです。ユニットはあくまで1ユニットとして個別に存在し、一人一人どこへ行って何をするのかを指定します。各キャラには得意な相手・苦手な相手がありますので、ただ敵陣に突っ込んでいけばいいというわけではありません。誰と誰を側に配置するか、といった戦略も必要になります。また、MAPに出撃できる人数も固定ではありません。戦いの中で疲れてしまったキャラは出撃できないなどの制限もあります。

そして最大の特徴が『1つのMAPが終わるまでデータセーブができない』というところです。
例えばRPGの場合。ボスキャラに挑む前には必ず近場でセーブをして、負けたら即リセット! で、大体直前からやり直しができますよね? このゲームではそれができません。大体1つのMAPをクリアするのに、短い場合で数十分、最大で10時間(目的によってコレくらいになるときもあります)くらいかかるのですが、その間データの保存は一切できないのです(T-T)。もちろん、中断することはできますが、それはあくまで中断で「ここは危なそうだから、ちょっとセーブして何回かやってみよう」は絶対できないようになっています。つまりは失敗してユニットを失ったとしても、それをリセットする場合、長い時間をかけて進めてきたMAPの最初からやり直す覚悟でやらなければならないわけです(--;)。なので、

「よし! 絶好調♪ LVも順調に上がってるし、アイテムも取ったし後はボスだけだ!」


・・・(戦闘)・・・
ユニット死亡

「・・・・・・!?」

そして絶叫。
「○時間の苦労が、苦労がぁぁぁぁぁっ!!!!」


・・・という事態がひんぱんに発生するというのが一つ目の特徴です。
これは、命を軽々しく扱って欲しくないという思いが込められているということのようで、プレイヤーはかなりの緊張の中でのプレイをしいられることになります。


【特徴2】キャラに個性がある
普通シミュレーションだと、兵士は名前も付いていなかったり、「○△軍:1000名」という扱いだったりするのですが、このゲームに登場する総勢約50名のキャラにはそれぞれ(程度の違いはあれど)「顔グラフィックとエピソード」が設定されています。
特に重要キャラなどは、かなり設定がしっかりしていることもあって、キャラ一人一人にファンができる状態(笑)です。 ですから、

「カリン、可愛い〜(^^)♪」とか
「セティ様、格好良すぎっっ!」とか
「サラの薄幸な感じがなんとも言えない・・・(T-T)」とか
「アスベル…君のかわいらしさは反則でしょう(爆)」とか

こんな感じで(ちょっと度が過ぎてるかも……ですが(^^;))楽しむことができます。


【特徴3】捕獲・盗むシステム
このゲームの主人公は落ち延びた王子さまです。当然、お金なんてろくに持ってません。普通、それでもある程度の軍資金は何故か持って出てくるのですが、この主人公君は(軍に同時参加しているのが女領主なのに(爆))「一銭(Gold)も持っていない」ところから始まります。一応武器は持って出てくるのですが、持ち金はゼロです。ついでに、このゲームの武器は消耗品です。じゃあ、どうすればいいか?

『敵からぶんどります』

このゲーム、“体格”という要素が使われていまして、自分より小さいキャラを担いだり捕らえたりすることができます。捕らえたキャラは『捕虜』になりますので、武器持ち物を奪い取ってから解放します。早い話が「身ぐるみ剥ぐ」ということです(笑)。 途中、メンバーに盗賊が加わると、彼らを縦横無尽に走らせアイテムを奪取するという作業も加わります。

これは相手が海賊や山賊でも、どこかの国の正規軍でも同じです。

ゲームが進めばまた「闘技場」というものも出てくるのですが、こちらも自らの命をかけて、資金を稼がなければなりません。

・・・奪われた祖国を取り戻すため、正義の為に戦う王子さまの軍が、傭兵のまねごと野盗紛いのことをしなければ戦うこともできない・・・。これもまた、現実のひとつなのでしょう(爆)。


* ゲーム全体 *
このように、ちょっとのミスが命取り(RPGのようにキャラが生きているから簡単に見殺しにするわけにもいかない)、軍資金を稼ぐにも命の危険と隣り合わせ、セーブが不自由とかなり難易度の高いゲームです。これの後に他のゲームをやると、「なんて簡単なんだ・・・!」と思わずにはいられないほどに(^^;)。
もちろん、ただ無駄に難易度が高いわけじゃありません。認めるのは業腹(笑)ですが、一部を除き(?)制作者側がコメントしている通り『理屈にあった難しさ』です。また、これが「その挑戦、受けて立つっ!」と丁度燃えてしまう難しさという、絶妙なバランスです。

ゲームの楽しみ方も、@ストーリーを素直に楽しんで、クリアすることを目標にするもよし、A経験値稼ぎのシステムを利用して全員が最高レベル&ステータスの最強軍団を作り上げて敵を蹴散らすもよし、Bとにかくターン数を短縮して評価upを目指すもよし、C盗賊を鍛え上げて、アイテムを盗みまくり、ボス敵までも無力化するのに闘志を燃やすもよし、と色々な方面から楽しむことができます(^^)。(もっともゲームに慣れなければ難易度が難易度なので難しいですが……(--;))

難易度は高いけれど、それ故にゲーマー魂(笑)をくすぐられ「意地でもクリアしてやるっ!」と思わずにいられないのが、このファイアーエムブレムトラキア776
「最近のゲームはぬるい!」と思っている方、「とにかく燃えるゲームをやりたい!」と思われる方には特におすすめです(^^)/ また、ゲーム完全初心者の方にはあまりお薦めできないのですが(^^;)、RPGの経験があれば根性(笑)でなんとかなります! 一度エムブレムの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか(^^)?

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