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倣陸體詩 談判          

  弄策連衡談判延,
  八洲億兆髮衝天。
  楚囚涙盡胡塵裡,
  東望義師又一年。

策を弄して 連衡  談判 延び,
八洲の億兆  髮 天を 衝く。
楚囚 涙 盡くす  胡塵の裡,
東のかた 義師を望みて  又た 一年。

   ********************************
陸游の慷慨を借りて一絶を作る。
・談判: 交渉。
・連衡: 国と国毎の個別の連盟。ここでは、ハノイで行われた作業部会をいう。
・八洲: 大八洲國(おほやしま ぐに)のこと。おおやしま。倭豊秋津洲。日本のこと。勿論和語であって、漢語風には、「扶桑」、「~州」が適切。また「九州」、「大和」、「大倭」…でも可。ただ、平仄上、「日本」は使えない。ここでは海の幸に恵まれた秀麗の故国として、和語の「八洲」を使って表現をしたかった。
・億兆: 極めて多い数をいう。万民。
・髮衝: 荊軻の『易水歌』『史記卷八十六・刺客列傳第二十六』に「太子及賓客知其事者,皆白衣冠以送之。至易水之上,既祖,取道,高漸離撃筑,荊軻和而歌,爲變徴之聲,士皆垂涙涕。又前而爲歌曰:『風蕭蕭兮易水寒,壯士一去兮不復還!』復爲偵゚慷慨,士皆瞑目,髮盡上指冠。於是荊軻就車而去,終已不顧。」ほか、豪放詞に使う。
・楚囚: とらわれた楚の人で、いつも楚のかんむりをつけて故郷を忘れなかったという。とらえられて他郷にある者。
・胡塵: えびすの巻き起こす擾乱。
・義師: 義軍。救援軍。

平成十九年三月九日

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