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孺子之歌          

操觚高論世間仁,
盡説老師少俗塵。
漁父巷居幾十載,
爲何不顧滄浪津。


         
 
操觚の高論  世間の仁,
(ことごと)く説く   老師 俗塵を 少(か)くと。
漁父
(ぎょほ) 巷(ちまた)に居すこと  幾十載,
爲何
(なんすれ)ぞ 顧みざる  滄浪の津を。


   *****************************
  「社会性」という語は、どのような表現をとって表せばよいのか悩んだ。この詩、ずばり『社會性之歌』としたが『孺子の歌』にまた改題した。
  マスコミでは、「教師には社会性が乏しいので、もっと…すべきだ。」の論が横溢している。もっともなようでもある。ところで、その「社会性」とは何なのか、どうすれば育つのだろうか。私営、民間の企業・商店で培われるどのようなものを指して謂うのか。

  世に棲む日々、いろいろなことが起こる。

  今回は、長らく市井で活躍して(社会性が十二分についているであろう)スポーツの監督をしている立派な中年の人が、「社会性の乏しい謝罪会見を行った」と非難されていた。そこで、「社会性の歌」を作った。
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・操觚: 出版界。マスコミ。
・老師: 教師。僧侶。
・漁父: 『楚辭』の『漁父』に出てくる漁父のこと。永年巷間に住んでいて、三閭大夫に比べて社会常識に長けた人でもある。謂ってみれば劫臘を経た鼈のようなものであろうか。
・滄浪: 『楚辭』の『漁父』に出る『孺子歌』。『楚辭』の『漁父』で、「屈原既放,游於江潭行吟澤畔」の際、漁父は、「滄浪之水…」を歌って去っていった。なお、「滄浪」という語(固有名詞)での「浪」は
・滄浪津: ここでは屈原が漁父に出逢ったところをいう。

平成十九年十月二十六日

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