昔 聞く 太閤(たいかふ) 住の江の邊,
瑪瑙(めなう)の茶杯に 一煎を品ず。
留(とど)め得たり 金光 磑阜(ぐゎいふ)の下,
九霄(きうせう)の雲閣 蕃仙(ばんせん)に 映ず。
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今日、新世界の通天閣へ行った。その近くには、昔、豊臣秀吉が天下様となった後、道中で茶会を催したところがある。その跡は「天下茶屋」(てんがちゃや)として遺り、地名にもなっている。
今は、茶臼山の(西側に住友家の豪壮な大邸宅の面影を残し、)その下には通天閣があり、秋の夕陽に金色に輝くビリケンさんが、豊太閤の黄金の日々を伝えている。
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・住江: |
太閤が通った紀州街道沿いの天下茶屋、住吉…の海辺。現・大阪市南部。 |
・…杯: |
秀吉が愛した琉璃色に輝く曜変天目茶碗の謂。 |
・磑阜: |
磑:茶臼。 ・磑阜:茶臼山。天王寺公園の西寄りにある。そのあたりには、住友家が寄贈した慶沢園や、現美術館があり、豪壮なさまを留めている。 |
・雲閣: |
ここでは九霄を凌ぐ通天閣のことをいう。 |
・蕃仙: |
ビリケンさんを謂う。金色に輝く異形の神様(か?)。 |