回顧此一年

秦檜媾和半壁謀， 敬瑭登極跪胡酋。 未忘大辱父皇帝， 誰説燕雲十六州。

        

秦檜しんくゎい　和を媾ずるは　　半壁はんぺきの謀はかりごと， 敬瑭けいたう　登極せんとして　　胡酋 こ しうに跪ひざまづく。 未だ　大辱　を 忘れず　　「父皇帝」と， 誰たれか説とかん　　燕雲えんうん十六州を。 　　*****************************
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・秦檜：	南宋時代の政治家。金の侵入後、宰相となり、金と和議を結んだ。
・敬瑭：	石敬瑭のこと。五代十国の一である後晋の皇帝。唐の滅亡後、契丹の勢力を借りて皇帝と称した。唐の北方領土である燕雲十六州を契丹に献じ、キタイ（契丹）＝遼の皇帝を「父皇帝」と崇め呼んだ。
・父皇帝：	（後晋の皇帝の）石敬瑭からのキタイ（契丹）＝遼の皇帝・耶律堯骨（太宗）に対する尊称。

・燕雲十六州：

唐の北方領土。後晋の皇帝・石敬瑭が外交的、軍事的な配慮からキタイ（契丹）＝遼に献上した。なお、「燕雲」「燕國」…（国名、固有名詞）の「燕」は〔えん；yan1○〕。蛇足になるが、ツバメの意の「燕」は〔えん；yan4●〕。

平成十九年十二月二十四日

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