四照 葉 濃くして 枝 玉を著け,
彩燈 燦爛たり 平安の曲。
今宵 猶ほも喜ぶべし 一家 同じうして,
酒を沽ひ 餻を買ひて 共に燭を點ぜん!
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四照 葉 濃くして 枝 玉を著け,
彩燈 燦爛たり 平安の曲。
今宵 猶ほも喜ぶべし 一家 同じうし,
酒を沽ひ 餻を買ひて 共に燭を點ぜん!
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この時期、街路樹のハナミヅキは濃い赤色の葉を半分落として実をつけ、商店街は一層華やいで美しくなっている。一家全員でこの宵を過ごせるのも、嬉しいことだ。
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(読み下し文の上側は伝統的な読みで、やはり調子よい。下側の読みの( )の中は、注記でもある)
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・四照: |
四照花のこと。ハナミヅキ。ハナミズキ。濃い赤色の葉が僅かに残り、代わりに鮮やかな赤い実を枝の上に実らせている。 |
・彩燈: |
イルミネーション。昼なお美しい。 |
・平安曲: |
讚美歌『平安夜』(『きよしこの夜』)のこと。「平安夜,聖善夜,萬暗中,光華射,照著聖母也照著聖嬰,多少慈也多少天眞。靜享天賜安眠,靜享天賜安眠。」 |
・一家: |
全家としたかった。 |
・沽: |
買う。売る。ここは、前者の意。 |
・餻: |
蛋餻(蛋糕)のこと。ケーキ。かわいいクリスマスケーキを人数分、買って帰った。みんなが斉(そろ)ったささやかなお祝いをしよう。 |