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密碼



孤島遼遙守將電:
櫻櫻櫻櫻櫻櫻櫻。
櫻花暗號君知否,
玉碎散華期七生。





                                                                                                                      
孤島 遼遙(れうえう)  守將(しゅしゃう)の電:
「櫻櫻 櫻櫻  櫻櫻櫻( )…」!
櫻花(あうくゎ)暗號((密碼))  (きみ) 知るや(いな)や?
(たま)(くだ)け 散華(さん げ )して  七生(しちしゃう)()さん。

    *******     
  平成二十七年四月八日〜九日、天皇皇后両陛下は、日米両軍の激戦地であったパラオに行幸啓され、お召し艦『あきつしま』で一泊された後、九日に日米両軍の激戦地であったペリリュー島に渡り、慰霊碑に日本から持参された白菊の花を献げられた。
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  このページの詩は、今回の行幸啓に触発されて作った詩です。題して『密碼』(=『ペリリュー島の暗号電報』)。
この詩の内容となったできごとは次のとおりです。
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(以下、引用)---------------
      
ぺリリュー島最後の電報「サクラ、サクラ、サクラ……」(以下、資料333 ぺリリュー島最後の電報「サクラ、サクラ、サクラ……」より引用)

  
水戸歩兵第二連隊を中核とする、中川州男(くにお)大佐率いるペリリュー島守備隊は、補給を絶たれた中での苦しい戦闘を続けておよそ二か月半、昭和十九年十一月二十四日午後、かねて打ち合わせてあった最後の電報「サクラ、サクラ、サクラ……」をパラオ地区集団司令部あてに発信した。その夜、村井權治郎少将・中川地区隊長は従容として自決を遂げたという。
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  歩二電第一七七號(昭和一九・一一・二二・〇七四〇發信)
   通信斷絶ノ顧慮大トナルヲ以テ最後ノ電報ハ左記ノ如ク致シ度承知相成度
       左記
一 軍旗ヲ完全ニ處置シ奉レリ
二 機秘密書類ハ異状ナク處理セリ
 右ノ場合
「サクラ」ヲ連送スルニ付報告相成度
 

…………その日のパラオの空は珍しく空電一つなく、受信機には電波の流れる「サーッ」という音だけだった。すべてが終わった。私たち七名の通信兵は、ただ抱き合って泣くのみであった。………

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(以上、引用終わり)-------------

・密碼:暗号。この詩の第三句(=転句)は「櫻花
密碼君知否」とするのがいいか、「櫻花暗號君知否」とする方がいいか、悩むところ。後者か。
・七生:七生報国のこと。七度(たび)生まれ変わっても、国に忠誠を尽くすこと。江戸後期・頼山陽の『日本外史』に「
七生人間,以殺國賊。」とある。同・頼山陽の『謁楠河州墳有作』に「且餘兒輩繼微志,全家血肉殲王事。非有南柯存舊根,偏安北闕向何地。攝山逶迤海水碧,吾來下馬兵庫驛。想見訣兒呼弟來戰此,刀折矢盡臣事畢。北向再拜天日陰,七生人間滅此賊。碧血痕化五百歳,茫茫春蕪長大麥。君不見君臣相圖骨肉相呑,九葉十三世何所存。何如忠臣孝子萃一門,萬世之下一片石留無數英雄之涙痕。」とある。明治・廣P武夫は『正氣歌』で「死生有命不足論,鞠躬唯應酬至尊。奮躍赴難不辭死,慷慨就義日本魂。一世義烈赤穗里,三代忠勇楠氏門。憂憤投身薩摩海,從容就死小塚原。或爲芳野廟前壁,遺烈千載見鏃痕。或爲菅家筑紫月,詞存忠愛不知冤。可見正氣滿乾坤,一氣磅礴萬古存。嗚呼正氣畢竟在誠字,呶呶何必要多言。誠哉誠哉斃不已,七生人阨國恩。」と詠い、同・廣P武夫は『指揮福井丸再赴旅順口閉塞』で「七生報國,一死心堅。再期成功,含笑上船。」と詠う。
  

平成二十七年四月二十九日




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