過山口沙勿略天主聖堂　碇豊長の漢詩　拙作紹介

huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye

過山口沙勿略天主聖堂

林間忽現耶蘇堂，
十字衝天白堊牆。
曾見薩摩蠻寺大，
爲營歩歩是西洋。


山口サビエル記念聖堂	山口サビエル記念聖堂

山口サビエル記念聖堂の庭	瑠璃光寺

瑠璃光寺にて	菜香亭

県政資料館（旧・山口県庁舎）	県政資料館（旧・山口県庁知事室）

萩反射炉跡

　　　　　　山口の沙勿略( サビエル )天主聖堂に過ぎる

林間　忽(たちま)ち現る　　耶蘇(やそ)の堂，
十字　天を衝(つ)く　　白堊(はくあ )の牆(かべ)。
曾(かつ)て見たり　薩摩　　蠻寺(ばんじ )の大なるを，
營(えい)を爲(な)すこと　歩歩(ほほ)たるは　　是(こ)れ西洋。

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　　七月二十六日、二十七日、山口県の山口市と萩市を訪れた。その時の詩。
　　今回、山口サビエル記念聖堂を訪れたが、去年、鹿児島市で、鹿児島（カテドラル）ザビエル教会近くを通った。その偶然に驚いた。次の瞬間、これは、偶然ではなく、嘗てキリスト教布教が（西洋文化の導入とともに、結果として）侵略の尖兵としての役を果たして（彼等にとっての異教徒の地を）侵蝕してきていたことを思い起こした。その感慨を詠った。
　　勿論、現代では、人の世の平安と幸多き日を祈る天下第一の素晴らしい場であった。

memo：
二十六日：新大阪＝新山口…山口サビエル記念聖堂→瑠璃光寺→菜香亭→県政資料館→泊
二十七日：萩・明倫館→文と萩物語大河ドラマ館→松陰神社（松下村塾舎等）→吉田松陰誕生地…松陰墓所→萩博物館→萩反射炉跡→角島→新山口＝新大阪
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・沙勿略：	サビエル。（「山口サビエル記念聖堂」では「サビエル」として、濁らない）。フランシスコ・ザビエルのこと。十六世紀の半ば、日本にキリスト教を最初に伝えた人物。
・耶蘇：	ヤソ。イエスキリストのこと。
・蠻寺：	南蛮寺。キリスト教会を謂う。「薩摩蛮寺」は、ここでは、鹿児島カテドラルザビエル教会のことを謂う。
・爲營：	「歩歩爲營」のこと。一歩一歩と、地歩を固めてから攻撃をすること。
・歩歩：	一歩一歩（と）。
・西洋：	西洋列強のことを謂う。