何以為安　碇豊長の漢詩　拙作紹介

huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye

何以爲安

嗚呼哀哉辭京時，
空襲劫灰生死離。
天地新開流浪後，
不聞大正望鄕詩。

　　　　　　何を以ってか安しと爲さん

嗚呼(あゝ)　哀(かな)しい哉　　京を辭(じ)するの時，
空襲の劫灰(けふくゎい)に　　生死離(わか)つ。
天地　新たに開く　　流浪(るらう)の後，
聞(き)かずや　大正(たいしゃう)　　望鄕の詩を。

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　　この詩と同じ主題の詩

を曽て作り、今回も亦同じ感懐を抱いた。三年前の平成二十五年三月二十四日に『陸奧望鄕臺　看電視即事』「胡軍空襲殺千萬，一億同胞揮涙來。渡過艱難男子漢，不須陸奧望鄕臺。」

を作った。
　　毎年、春になると心を傷める。

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・何以為安：	何をもって安息のところと看做すのか。「久居為安」（住めば都）。
・何以：	どうしたならば…だろうか。なにをもってか…する。また、どうして…するか。なんで。ここは、前者の意。
・望郷詩：	室生犀星の『小景異情　その二』に「ふるさとは遠きにありて思ふもの/そして悲しくうたふもの/よしや/うらぶれて異土の乞食（かたゐ）となるとても/帰るところにあるまじや/ひとり都のゆふぐれに/ふるさとおもひ涙ぐむ/そのこころもて/遠きみやこにかへらばや/遠きみやこにかへらばや」がある。