本日の授業 第2日

◆ 殺人と想像と暗記科目 ◆

 

子高校生が主婦を殺害するという事件がありました。
殺害の動機は「人を殺すという経験をしたかった」からだ、といいます。
この犯人の日常生活、性格、人格など私はよく知らないので
それについてあれこれ考えても空回りですし、
ましてや現代の青少年の病巣なんてことを取り上げる気はまったくありません。
ただとりあえず思うのは、
この犯人には「こうすれば→こうなるだろう」というような〈想像力〉が
あまり無かったのではないか、ということです。
もちろん、「人を殺したら→いつかはつかまって裁かれる」とは思っていたでしょうが、
そんなことは想像などしなくても分かります。
そんなくだらん自分自身のことではなく、もっと違った立場の事柄、
たとえば「人を殺したら→相手(の家族)はどうなるか」、
あるいは逆に「もし自分(の家族)が殺されたら→どうなるか」など、
自分以外の見方で「想像」する能力、の話です。
自分の立場でしかモノを考えられないから最近の中学生もすぐキレるのかな〜、
なんてことは感じつつも、それ以上にやはり想像力が無いように思えます。
なぜ?

る中学生に質問されました。
「理科とか社会って、どうやって覚えればいいかわかんない。
すぐ忘れちゃうし。別に私の人生には関係ないし。知らなくたって生きていけるし。
でも、暗記法ってどうすればいいの?」
世の中のほとんどの事柄っていうのは、必ず原因があって結果があるはず。
なにしろゆうべ見た夢の内容にだって理由があるほどなんだから(ほとんど性欲?)。
で、学校の勉強で言えば、「こうだから→こうなっているのだろう」と
科学的に想像(し、実証)するのが理科なんだろうし、
「こうしたから→こうなったのだろう」と論理的に想像(し、検証)するのが歴史なんじゃないのか。
とすれば、特に理科や社会をモノにするにはどういった勉強がいいのか。
そう、「暗記する」のではなく「想像し、考える」ことこそが大事なのです。
ある事実や出来事が起こった理由を自分で想像し、考えてみる。
なぜ月は満ち欠けして見えるのか、なぜ鎌倉幕府は滅んだのか、
自分で想像してみる。いろいろな角度から関連付けて考えてみる。
遠回りのようですが、これぞ王道。
自分に関係の無い単語の羅列より、自分で考えたことのほうが頭に残っているのは明らか。
記憶するにはこれが一番でしょう。
それに、たとえば「こうだから→こうなった」という歴史=他人様の行動で想像力を養えば、
自分の身にこれから起こる出来事にも応用できるのでは?
「こうだから→こうなるだろう」という自分の歴史の先読み。
人のフンドシで相撲を取るって感じですかね。人のフリ見てわがフリなおせ。
自分の人生に関係ないなんて言わず。
よって、いわゆる暗記科目の勉強法は「考えること」、ですね。

言いつつも、やっぱりこれは理想論。
現実に高校受験を控える中学生には、あまり説得力は無いのでした。
結局、覚えりゃ点が取れる。手っ取り早く。
そんな点取り重視の教え方が、もしかしたら想像力を抑えつけてるのかも。

ってことは、私の教え方がめぐりめぐって殺人を引き起こす???

 

5m計測可能

 

◆ 本日の問題 ◆

――線部分の漢字の読み・書きです。答えは下のやつです。
軽い気持ちで真剣にどうぞ。

1. 他山の石……よその山から出た質の悪い石でも自分を磨くことに使えるんだから、
            他人のばかげた行いでも自分に活かしましょうね。

2. ついにこのオレサマも、銭形のとっつあんにツカまっちまったぜ。

3. 風が吹いてから桶屋がモウかるまでには、数々の歴史を乗り越えねばならない。

4. それにしても、字ばっかりのホームページってきるなあ。

 

 

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